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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

カテゴリー「TV(ドラマ)」の記事一覧

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冬ドラチェック(1)

 冬ドラが始まってはや3分の1が経過しました。
 周囲では「今期は不作」とのブーイングも多いですが、一応年の始めだし、さらっと印象を書いておこうかと思います。

「天地人」(NHK/日曜8時〜)

「篤姫」人気の余波を受けてか、高視聴率を維持しているという「天地人」。
ちょっと前に武田信玄方の大河を散々見ていただけに、また時代を引き戻されて今度は上杉謙信方の話を見せられてもちょっと気持ちがついていけない部分もあるんですが、まあ今のところ前作の「ホームドラマ大河」を踏襲している感じですね。
とにかく子役がかわいすぎて、5歳の子を母親から引き離す話から始めるだけでもう反則です
喜平次が雪の中、与六を迎えに行って初めて心を打ち明けるシーンはほほえましくてよかったんだけど、次の瞬間、子役があっけなく北村一輝と妻夫木聡になってたのにびっくりでした。
もっと子役時代の2人がだんだん結びついていくまでのエピソード(寺を出て謙信のもとで教育を受けるあたり)が見たかったよ。
妻夫木はともかく、子役がいきなり北村一輝とか東幹久とかトウがたちまくってる役者に変わるのが、一気に汚れてしまったみたいで違和感ありまくりでした(笑)。
しかも北村一輝が「奥手の殿」って……ケンカ売ってる??
高島礼子の息子が北村一輝ってのもいかがなものかですね。
でも阿部ちゃんと高島礼子の姉弟ショットは、「結婚できない男」のコンビを彷彿とさせて嬉しい。
そういや阿部ちゃん、また未婚の役だね。今度は「結婚できない武将」か…。

「ヴォイス」(フジ/月曜9時〜)

医者ものは数々あれど、法医学というのはおもしろい切り口だなと思います。
死者を相手にしているように見えるけど、死者もちょっと前までは生きていた人間だったわけで、医学の知識を使って死者の人生(思い)を再現しようとする試みはおもしろいです。
死んだら終わりではなく、死んだ後にも「救い」があるんだというのがこのドラマのメッセージ。
「こんなの警察の仕事にまで踏み込んでるじゃん」「一介の学生にこんなに簡単に真相がわかるわけない」などの批判も聞きますが、「医者もの」にも「刑事もの」にも飽きている私には、そのちょうど中間にあるこのドラマのほうがむしろ興味深いです。
変死体というと、すぐに「殺人事件?」「犯人は?」「殺しの手口は?」という発想にいってしまいがちだけど、ここには「悪意」が介在する変死体は登場しません(今のところ)。そこが新鮮ですね。「死因を知ることで生き残った者が死者の思いやりに触れ、救われる」という展開も、ベタだけどカタルシスがあります。
ただ、心配なのは、まだ3回だからいいけど、これから先もずっと同じ1話完結パターンでいくのかなということ。NHKとかで、5回くらいのドラマだったらいいけど、さすがに3ヶ月続く連ドラではもたないのでは?
法医学業界の問題点とか、研究室内での深刻な葛藤とか、そういう外圧っぽいネタも入れ込まないと飽きてくるかも。
あとは登場人物のキャラがわりと薄いので、そこを濃いめに作るとか。時任三郎とか、もったいない扱いですよね。
まったり進む連ドラは扱いが難しいな…。

「メイちゃんの執事」(フジ/火曜9時〜)

「イケパラ」や「花男」路線を狙ったのだと思いますが、基本的な疑問として「こんなの執事じゃねえよ」というのがありまして。
執事ってもっと事務職みたいなイメージがあるんで、なんかイメージが違うんですよね。
「付き人」?「召使い」?……まあよくいって「ナイト(騎士)」かな。
どっちかっていうとホストみたいに見えちゃうのが安っぽい。
多分、執事が感情を表しすぎるというか、人間くさいのが生々しくてよくないのではないかと。執事らがもっとアンドロイドみたいで、プライベートの顔をいっさい見せないくらいのほうが絵空事っぽくて楽しめる気がする。
安いといえば、超お嬢様学校というわりに生徒もみんな安っぽい。
意地悪の仕方とかも70年代の少女漫画みたいでベタすぎ。
浮世離れしたお嬢様ならもっとわけわからない言動を見せて庶民のメイを翻弄してほしいです。

「トライアングル」(フジ/火曜10時〜)

推理もののわりにはなぜかあまり緊迫感を感じないのはなぜなんだろう。
江口洋介がいつもニヤニヤしてるせいか。
可もなく不可もなし。

「神の雫」(日本TV/火曜10時〜)

いかにも漫画原作っぽいテイスト……。
「芸術に生きる父を憎悪する息子」「しかし血は争えない」「グルメ対決」……どこかで見たようなモチーフの連続。

「キイナ」(日本TV/水曜10時〜)

菅野、久々の不思議ちゃん系で登場。
落ちの持って行き方は「ヴォイス」に近いものがあるんだけど、こっちのほうが無理矢理感あり。
超常現象も科学で解明できれば「なーんだ」って話で、その種明かしを毎回やられてもドラマとしてはどうなんだろう。バラエティ番組の再現ドラマで充分って気がします。

「ありふれた奇跡」(フジ/木曜10時〜)

久々の山田太一連ドラ。今期一番の楽しみだったし、始まってからもやっぱりこれが一番楽しみです。
これははまる人と拒否反応起こす人とにはっきり二分されそう。
掲示板見てると、「セリフが古くさい」「現代人はあんなしゃべり方しない」という非難が目立つのですが、あれは古くさいんじゃなくて山田くさいんです。
山田太一は20年前からああいうセリフでしたが、当時でも作為的なセリフ術は異彩を放ってました。つまり当時でも新しいわけじゃなかった。
私にとって、古くさいというのはこのあいだまで連ドラ書いてた某大御所みたいなセリフです。

山田太一が「語尾にいたるまでセリフを一字一句変えるな」とうるさかったのは有名な話。
「変えるな」とうるさい作家は他にもいっぱいいるけど、「たしかにこれ1カ所でも変えたら世界観全部崩れるよな」と思うくらい作りこまれてるのは山田太一だけ。
他の作家で山田太一ほどこだわりをもってセリフを書いてる人はいないでしょう。
正直、今回はやりすぎだと思わないでもなかったけど、もう慣れてきました。
久しぶりに飲んだ漢方みたい。「こんなにくさかったけ。<間>あー、たしかにこんな味だったね。ごくごく」って感じ。

今回、初回の放送を見たとき、あらためて「山田太一のセリフの不自然さ」を痛感しました。
なぜなら、しゃべってる役者が明らかにしゃべりにくそうにしゃべってたんで。
執拗に短い言葉を重ねていったり、急に言葉がとんだり、語順が乱れたり、省略がききすぎたり……といった不自然さ満載なのが山田節の特徴。
「普段の会話ってこういう乱れがあるよね」という部分を整理せずにわざとそのまま残している。
でももちろん現実の会話そのまま再現してるわけではなく、それっぽく見せながら実際はこんな言い方しないという架空のしゃべり方を再構築していってるわけです。

一方、一般のシナリオライターが書いたドラマのセリフはもっとナチュラルでしゃべりやすいです。言い換えれば役者の生理、視聴者の生理に合わせて書かれている感じで、意味もわかりやすい。
でもそれが進みすぎるとセリフに込められた作家の生理(言ってみればこれが作家性というもの)は後退し、限りなく役者の地に近い役になってしまう。
「この人、どの役をやっても同じだね」と言われる人は、たいていこのパターンです。
でも山田節の違和感は役者に容易な同化を許しません。

たとえば新劇などでは、作家の書いた言葉は絶対で、役者が自分のしゃべりやすいように言葉を変えるなんてもってのほか、それは能力のない証拠と思われます。
違和感があるのは当たり前で、そこから稽古を重ねて役のしゃべり方を自然に見えるような形に練り上げていくのが役者の力量であり、仕事であるというのが舞台役者の矜持です(小劇場業界はまたべつですが)。
でもそれは稽古期間が長いからできることで、稽古期間などほとんどないスケジュールで撮っているテレビドラマ業界では異質な考えに違いありません。

そういう意味では山田太一のセリフは舞台っぽいのかもしれないし(実際、舞台も何本か書いてますしね)、だからこそ初回のセリフがみんな不自然に聞こえたのではないでしょうか。
なんだか若手からベテランまで、もれなくセリフにふりまわされてる印象を受けました。
その中で、唯一自然に山田ワールドの住人になりきっていたのが風間杜夫。彼は舞台出身であるばかりでなく、山田太一の舞台も経験済なので免疫があるのかもしれません。

山田ドラマの妙味はコミュニケーションの綱引き。
家族であろうが、初対面であろうが、思っている事を思いのままにぶつけあうコミュニケーションなんてありえません。
誰だって、相手の反応を読みながら、押したり引いたり、気をひいたり、まわりくどい表現をしたり、見当違いなこと言ったりして、距離を縮めたり伸ばしたりしてるわけです。
その駆け引きが、本人は大まじめでも、外からみるとくすっとさせられたり、ほろっとさせられたりする。
その繰り返しのはてに、気がつくと「役者」ではなく「役の人物」の体温を感じて親近感をおぼえるようになる。
そこまでいったらもう山田ドラマはやめられません。
話の展開がどうとか、動機がどうとか、そんなものはすべておまけみたいなもんです。

本来はこういうのが連ドラの王道だと思うんだけど、そんなドラマを書いてくれるシナリオライターはなかなかいなくなりました。
山田太一、今回が連ドラ最後とかいう話ですが、むしろ連ドラを書いてほしいんだけどなー、私は。

 一番書きたかった「ありふれた奇跡」について書いたらあとはどうでもよくなってきましたが、とりあえずここまでで半分。残り半分はまた次回ということで…。

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秋ドラチェック<後編>

 まだ録画して見てないドラマも約1本あるんですが、待ってるといつになるのかわからないので秋ドラレビュー後編いきます。

「ギラギラ」

じつは一番楽しみにしていたドラマ数本のうちの1本がこれでした。
火曜10時フジの加齢臭枠でやってほしかったわ〜。
蔵之介がホストなんて似合わないし、全然ギラギラしてねぇ!
という素人の思い込みを逆手にとって楽しませてくれることを期待。
たしかにホステスだと生活のために水商売してる子持ちのホステスとかいそうだけど、生活のために水商売する子持ちの男ってあんまり聞かないので(元ホストならわかるけど)、その設定だけでやられました。
いっそのこと奥さんいなくてシングルファザーでホストっていうのもおもしろいかも。
奥さんが本当の事知ったときのリアクションを核にするつもりなんだろうけど、どうも家に帰ると奥さんがきちっと家にいて家事も子育てもやってくれちゃってるのがつまんないなー。
家では所帯染みた家事や子育てや近所づきあいに追われ、仕事場ではバリッとした王子様になって女性を癒す……というのが見たい。
奥さんいらね。ていうか死んだ設定じゃだめ?(←勝手に殺す)
死んだ奥さんとの約束をやぶって子供のためにホストに復帰する男の話。
で、なにも知らずに子煩悩パパの顔に惚れる女がいて、一方ホストの顔に惚れる女がいて…みたいな話。どう?
今のところ、設定を生かしきるほどのおもしろさはまだないんだけど(つまらなくはない程度)、今後の展開に期待です。
それにしてもこの店はガラの悪いホストばっかりだなあ。
いろいろなホストがいる、っていうならわかるけど、どのホストもまんべんなくガラ悪いし頭悪そうだし安っぽい。
私が客ならこんな雰囲気の悪い店ヤダ。

「流星の絆」

今期、巷で一番の期待を集めているのがこれ。
東野圭吾をクドカンが料理っていうところがセールスポイントなのはわかるんですが、そもそもクドカンって脚色にむいてるんでしょうか?
オリジナルでのびのび書いてナンボの人なんじゃね?
私は原作読んでないので、「原作はこうなのに全然違う!」的な主張はないですが(今読み始めましたがあまりの分厚さに萎えてます)、まっさらな目で見てもドラマ「流星の絆」には違和感があります。
過去と現在が混在しながら進んで行くのはまあいい。
重い過去を背負ってるからって日常まで鬱々してるわけじゃないっていうのもわかる。
それにしても現在の3人は背負ってるものが見えなさすぎだし、3人で詐欺をしている話もごく当たり前のように出てきたけどこれまた唐突。詐欺パートがあまりにもマンガチックなクドカンテイストで浮いていたので、これは妄想で現実じゃないのかとすら思ってしまいました。
3兄妹が世間の他人とどうつきあってるのかも見えないので(出てくるのは店長とかポストイット上司とか変な人ばっかりで普通のキャラが出てこない)、「みんな遺族遺族ってうるさい。いつまで遺族やってりゃいいんだ」とか愚痴られてもセリフで説明されてるだけとしか感じられない。
3兄妹のやりとりにクドカンらしさを見せるくらいにとどめて、原作の骨格がわかるように脚色してくださいとしか今のところは言えません。
なんだか見ていて非常に落ち着かないドラマです。

「ブラッディ・マンディ」

初回2時間ってお願いだからやめて。
ただでさえ1週目は全部チェックするのに青息吐息なんですから。
ウィルステロとか、生々しい題材でちょっと見てるのがつらい。
誰が味方で、誰が敵か…という部分で状況が刻々と変わっていくおもしろさはありますが、正直「若い人が見るドラマだなぁ」という感じ。
吉瀬美智子はこの1年で急成長しましたね。
といっても、「ライアーゲーム」といい「魔王」といい今回のドラマといい、若い子向けの漫画っぽいドラマに記号的に出てくるいい女キャラみたいな役どころばかりなので、大人のドラマにうまく方向転換できるでしょうか。

「スクラップ・ティーチャー」

学園ものは苦手。ジャニーズも興味なし。
でも脚本が水橋さんときいて少し期待してたんですが、早くも脚本家変わってるし!
水橋さん、最近途中で人に渡すパターン多いなあ。ちょっとがっかり。
上地は「貧乏太郎」と演技同じなんですけど。かけもちするなら演じ分けてよ〜。
加藤あいはやさぐれてていつもと雰囲気違っておもしろい。
あの謎の転校生3人組が、毎回胸のすくような活躍を見せる話なのかと思いきや、必ずしもそういうわけでもないし、何がやりたいのかよくわからない話。解決の仕方も、状況が身もふたもないわりにはぬるいし。
身もふたもないといえば、「ヘリコプターとんできたの。『コードブルー』みたいだったよ」とか「ひょっとしてあなたは貧乏太郎?」とか他局のドラマタイトルを平気でセリフに入れ込むのってどうなんだろう。

「Room of King」

大宮エリーが今買いの脚本家と聞いて見たんですが……うーん、これもなにがやりたいのかまだよくわからないです。深夜枠だからいいと言われればそうだけど。
キャストにはこだわりを感じます。
井川遥は新境地開拓で頑張ってます。
渡部篤郎はいつもと同じです。
あと杏ちゃんの髪型が気になります(笑)。

「SCANDAL」

期待してなかったわりに意外に気に入ってるのがこれ。「アラフォー」とか「四つの嘘」とか見てた人が見そうなドラマだけど、これはさらにミステリ風味が加味されてる感じ。
だいたい女複数でガールストークするドラマって同級生とかお互いをよく知ってる仲良し同士にすることが多いんだけど、これは知らない者同士で、なおかつひとつだけ接点があるという設定なのがおもしろい。
また4人女性を出すとなると、「シングル」をまぜるとか「水商売系」をまぜるとか境遇にデコボコを作ってバリエーションを出すことが多いんだけど、全員既婚者でしかも夫がすべて社会的地位のある人っていう設定にしたのもポイント。だからみんなミョーにプライド高い。
桃井かおりはいつもの演技なんですが、次にどんなリアクションするのか目が離せない吸引力があるので、存在感は相変わらず抜群です。
鈴木京香、長谷川京子、吹石一恵もそれぞれしどころが与えられていて、このへんはさすがに井上由美子ですね。
そしてなんといっても小日向さん。やっぱり締めてくれます!
小日向vs桃井のやりとりは、ドラマファンとしてそれだけで贅沢な気分になれます。
タイトルからドロドロしたテイストを感じ取って「日曜の夜にこんなもの見たくない」と思う人もいるかもしれませんが、意外にライトタッチです。
ドロドロがあってもちょっと距離おいて冷静に描いてるっていうか、どちらかというと「おかしさ」が漂う感じです。
どちらにしても、今期大人が楽しめそうなドラマはこれと「風のガーデン」(嫌いだけど)くらいかな。

 以上チェック終了。
 「夢をかなえるゾウ」は未見。
 「セレブと貧乏太郎」と「オー!マイ・ガール!!」は1話で挫折。既視感がありすぎて次回への興味がまったくわかず。

 ところで、「イノセント・ラヴ」の2回目を見てびっくりしました。
 1回目のときに「ハウスクリーニングで入ったうちのアルバム勝手に見てんじゃねえよ」とつっこんだんですが、そんなのは全然かわいい(?)過ちでした。2回目ではなんとクビになった堀北が勝手にゆずの家に侵入!
 さらに信じられないことに、それを目撃したゆずが、彼女に個人的にハウスクリーニングの依頼を頼むという仰天展開。
 ありえね〜!
 なにがイノセントだよ。家宅侵入は立派な犯罪じゃねえか。
 しかも。
 ゆずの家の一番奥の部屋には人工呼吸装置をつけた寝たきりの恋人がいて、その部屋には入るなと業者には言い渡されてるんですよ。
 じゃあゆずの留守中はいったい誰が面倒みてるの?
 入院させろよ!
 この前は医者が往診にきて「急変があったらいつでも連絡を」とか言ってたけど、急変もなにもこの人フツーに家空けてるし!
 そもそもゆずは教会のオルガンひいて下手な歌うたってるとこしか見てないけど、それでなんでこんな豪邸に住んで週1でハウスクリーニングとか頼む暮らしができるわけ?
 そして医者に「自発呼吸がほとんどできてない」と言われていた寝たきり恋人は、ゆずに無理矢理ピアノの横に座らされていた。人工呼吸装置はずしていいの?
 いいのなら、嫉妬に狂った成宮が人工呼吸装置をはずそうと悩んでる図は意味ないよね?
 なんかもうとにかくすべてがその場その場の思いつきで動かされている感じで、バカバカしすぎます。
 次に落ちるのは……これかな。

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秋ドラチェック<前編>

 更新しようと思っているネタを端からタイミング逸しているこのごろですが、そろそろ秋ドラが出そろったようなので、これも逸しないうちに恒例チェックを。

「だんだん」

朝ドラらしい手堅さです。
双子を使ってなにかドラマを……と考えたときに、「お互いの存在を知らないまま成長した2人がある日突然再会」という展開は、王道といってもいいほどのおいしい設定です。
「じつは自分は双子で、ある日自分にそっくりな人間に会う」って、双子じゃない一般人なら誰でも一度は妄想したことがありますよね(ない?)。
2人が連絡をとりあうのに、片方を舞妓にして生活時間帯が一致しないようにするとか、舞妓は携帯持つの禁止されてるとか、うまいこと枷をかけてやきもきさせるのもよく考えられてます(ただ今から8年前という設定にしては、高校生が携帯フツーに持ちすぎでは?って気もしないではないですが)。
双子でデュエットも反則すれすれのおいしい場面ですね。
双子という特性を目一杯生かして宛書きしているところがいつもの朝ドラにはないおもしろさだと思います。

ところで「ふたりのロッテ」という児童小説をご存じでしょうか?
夏休みの林間学校?みたいな場所で偶然自分とそっくりな女の子に会って、話してるうちに両親が離婚して離ればなれになった双子だということがわかって、2人が入れ替わって両親のよりを戻させるみたいな話だったんだけど、「だんだん」を見てて最初の段階で「これで入れ替わったら『ふたりのロッテ』じゃん!」と思ってたらほんとに入れ替わったんで驚きました。パクリとか言われてないのかなー。
でも始まってすぐにここまでネタバレさせてるということは、この先にもっと「おおっ」という展開が待ち受けているんじゃないかと期待してます。
視聴率はいまいちのようですが、このところ朝ドラは内容にかかわらず視聴率は下降の一途をたどっているので、まあこんなもんなんじゃないでしょうか。
欲を言えば、登場人物(特に脇)のキャラがみんな普通というか、もうちょっとキャラだちさせてくれると見るのが楽しみになるんですけど。「ちゅらさん」とか、まさにキャラでひきつけて成功してましたからね。

「イノセント・ラヴ」

宮様がハウスクリーニングしてるよ!
宇多田ヒカルの主題歌、浅野妙子の脚本といえば、「ラストフレンズ」の柳の下を狙っているんじゃないかと思いますが、案の定1話目から不穏な動きが……(笑)。
ゆず北川の親友設定の成宮くんは、彼に友情以上の思いを抱いていそうなフラグがあるし(「ラスフレ」で女→女だったから今度は男→男なのか?)、親殺しの罪で服役している福士くんは、妹の堀北ちゃんを妹以上に思っている様子。
んー、なんかこういう扇情的な設定、もう食傷気味なんですけど。
ダメとは言わないけど、釣り道具として利用しまくるのはやめてほしいです。
どれかひとつでも真摯に書いてくれればと思うんですけど、なんとなくいやな予感がします。

見ず知らずの他人の写真を盗み撮りして自分の部屋に貼ってでへでへしている堀北はちょっとやばい。
その理由が「笑ってる人の写真が好きなんです」って………。
若くてかわいい女の子だから許されてるけど、これが男だったりおばさんだったりしたら絶対ひいちゃうよ、みんな。
それに、理由はどうあれ、ハウスクリーニングに入った業者が勝手にそこの家のアルバムの中身見たらそれだけでアウトでしょう。
堀北は偽名使うくらい身元がバレないように気を遣ってるけど、人の留守中にあがりこんで掃除する商売なんてもっとも身元保証にうるさいんじゃないのかなー。よく採用されたね。

「チーム・バチスタの栄光」

原作読んでないし、映画も見てませんが……したがって結末も知りませんが……なんかミステリにしては緊迫感のない演出ですね。
仲村トオルがおちゃらけてるのはまあいい。それに翻弄される伊藤淳史の間の悪いリアクションもよくはないけどまあいい。
問題はバチスタチームに「なにか秘密がありそう」というミステリアスな雰囲気が感じられないこと。底が浅そうというか、妙なタイミングで笑いをとりにいったりする安っぽさも気になります。
同じバチスタチームなら「医龍」のほうがやはり役者の格が上って感じですね。

「OLにっぽん」

「働く女性の応援歌枠」として定着している水曜10時日テレ枠。今回は「ハケンの品格」を意識したような作りですが、中国人労働者との軋轢をテーマに据えているところがミソ。ある意味黒船襲来っていう話ですね。
観月ありさは相変わらず何をやっても薄っぺらな感じが漂いますが、阿部サダヲの存在感が救い。
しかしあの中国人労働者、パソコンのスキルは異様に高いのに、電話に出る応対はまったくダメっていったいどういう研修受けてんだ。普通、研修でまっさきに学ぶのが電話の応対だろう。

“ミュージカル界のプリンス”井上芳雄が初めての連ドラ出演をはたしていますが、プリンスだと言われなければ誰も気づかないくらいの陰の薄さで、よく言えば(舞台役者のくせに)TVでも違和感なし、悪くいえば(舞台役者なのに)オーラなし。これでいいのか、ヨッシー。
友人が「ドーラン焼けしてて顔色悪すぎ」とダメだししてましたが、顔色にダメだされてもねー。

「小児救命」

前クールの「Tomorrow」もそうだけど、今の医療問題を真正面から取り上げる姿勢はすばらしいと思うんですが、問題が大きすぎてきれいごとではさばききれないことを知っているだけに、見ていてあまりいれこめないんですよねー。
小西真奈美は医師役を今までにも何度もやっているせいか、あまり新鮮な印象がありません。
1回目は虐待母にむかって説教してましたが、あれで改心しちゃうってのはどうなんでしょうか。本人はいいこと言ったつもりだったんだけど、さらに根の深い問題があった……くらいのオチはほしいな。

「風のガーデン」

私は倉本ドラマの「不幸を背負う女vs女を不幸にした悔恨でウジウジする男」という毎回出てくる図式がどうにも苦手で、今回もセオリー通りだったのであまり食指が動かなかったんですが、イングリッシュガーデンが見たくてつい見てしまいました。
まず話のテンポ遅すぎ!
倉本先生の生理に合ったリズムがこれなんでしょうが、他のドラマを見てから見るとイライラするのは否めない。ゆったり進むドラマは他にもあるはずですが、それが心地よいドラマもあります。倉本ドラマは舞台(今回は富良野)の情景や雰囲気に頼りすぎ。
「北の国から」はそれが最大限に生きた名作だったと思いますが、そのあとは二番煎じ、三番煎じにしか見えません。

そもそも中井貴一が女たらしの遊び人にはどうしても見えず、恋人連れてのお忍び旅行も「保護者同伴」みたいな感じでまったく色っぽさが感じられない。
今後、自らの余命を知った中井貴一は富良野に戻って子供たちと再会し、父親と和解しようとするんでしょうけど、最後は風の通り道になっているガーデンに風が吹き、「あ、今お父さんが通ったよ」的なベタなラストに落としこむのではないかとうすら寒く予想。
初回20%超えは緒形拳追悼効果だと思われますが、今後どこまで維持できるでしょうか。

 以上。これで半分くらいかな。
 残りは次回。

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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