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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

カテゴリー「TV(バラエティー)」の記事一覧

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みのは紅白を変えられたのか?!

 今年度の紅白の視聴率がどうなったのか、気になったのでチェックしてみました。以下、関東の数字です。
 第1部が35.4%(昨年は30.8%)。そして第2部が42.9%(昨年は39.3%)。
 第1部・2部ともに上昇したのは7年ぶりだそうです。

 今回の紅白は、なんといっても「みのもんた起用」が一番の話題でしょう。数字があがったのも、単純に「みのがどんなことやってるのか」っていう興味の結果だと思います。
 NHKは前年度で史上最低視聴率を記録したことに相当危機感を感じたようで、今回はかなり番宣に力を入れていました。
 本番前日は、テリー伊藤と室井祐月をゲストに呼んで「紅白のどこがダメなのか」を語らせ、自己批判を延々と繰り広げたうえで、「どんな紅白を期待するか」「われわれはこれからどう変わるべきか」みたいな総括をしていたのですが、こんな学級会の議題みたいに臆面もなく自己批判しちゃうところがNHKらしいというかなんというか…。結論からいうと、その反省の結果誕生した「ニュー紅白」よりも、「反省するNHKの図」のほうがおもしろかったです。

 学級会(?)の結果、導き出された「紅白がうけなくなった理由」は大きくわけて4つあります。

 その1.楽曲の好みの多様化(ヒット曲が出にくい)
 その2.娯楽の多様化(TVだけが娯楽の時代は終わった。全員がひとつの方向に向かう場面がもはやほとんど見られない)
 その3.家族団欒の習慣がない(家族団欒と紅白観戦は表裏一体)

 まあ、ここまではよく言われていることで、「今さら…」って感じだったんですが、おもしろかったのは4つ目。

 その4.あまりにも細かく段取りが決められすぎていて、ライブならではの不確実性、なにが起こるのかわからないというワクワク感がない。これなら録画でいい。

 なるほどね。録画でもいいじゃんと言われればそうかもしれない。
 ただ、「じゃあ紅白を録画して年明けに見ようと思うか?」って聞かれたら「見ない」だろうと思うけど。やっぱり大晦日のあの時間帯に見るから特別な番組だと感じるわけで。シンデレラと同じで、12時すぎたら魔法もとけちゃう気がしますね。
 でも、台本が細かく決められすぎでおもしろくないという意見はなるほどと思いました。
 昔の紅白はそのへんもっとおおらかで、たとえば曲が決まってるのに、司会者がその場で「こっちの曲のほうが聞きたい」とわがままを言いだし、指揮者に交渉して無理やり違う曲に変えさせた…なんてこともあったらしい。
 今じゃ考えられませんね。
 それがこんなに段取り重視になった背景には、やはり「規模が大きくなりすぎた」ことがあるのではないでしょうか。
 出場者の数が増え、装置もゴージャスになり、放送枠も拡大され…となれば、かかわる人の数も手間もお金も格段にかかるようになるだろうし、そうなるとゆるい仕切りじゃ番組が成立しないでしょう。
 「あれもやろう」「これもやろう」と思えば、スケジュールはどんどんタイトになり、間に入るMCもきっちり決められてよけいなことを言う余裕がなくなるのは当然です。
 要するに、紅白という番組が肥大化したことが、こうなった一番の原因ではないでしょうか。

 テリー伊藤は「ライブの不確実性」にこだわり、ゲリラ的発想の意見をいくつか述べていて、それはそれでたしかにおもしろかったんですが、この規模を維持しようとする限り、また出場者や視聴者すべてに不公平や失礼があってはならないという気配りを重視する限り、紅白にそんなものを求めるのは無理、というのが私の意見です。
 司会者を意外な人に変えたくらいじゃ抜本的改革にはならないです。体質から変えないと(べつに変える必要はないと思うけど)。

 で、実際見てみてその思いをますます強くしました。
 後半しか見てないので、あまり大きなことは言えないのですが、はっきり言ってもんたは浮いてました。
 ていうか、手足縛られてプールに投げ込まれたような感じに見えました。
 じつは、「おもいっきりテレビ」を見ているときには、相棒の高橋佳代子アナがあまりにもまともすぎてもんたとつり合わないなーと思ってたんですが、すいません、私の心得違いでした。あれが計算なのか天然なのかはわかりませんが、高橋アナのあの悠然とした懐の深い対応があってこそ、もんた節は自由自在に力を発揮できるのですね。
 今回の山根アナともんたとのかみあわなさっぷりを見て初めてそれがわかりました。もんたのやりにくそうなことといったら……。まじめそうという点では高橋アナも山根アナも同じタイプに見えますが、全然違います。山根アナ、反応悪すぎ。進行しか頭にないのがみえみえでした。
 さらに「アドリブが超きかない仲間由紀恵」が加わり、山本耕史にいたっては、流す、流す。それはもう見事なソツのない流しようでした。
 さすがのもんたもこの3人に取り囲まれてはなすすべなしといった状況。何度も「もんたらしさ」をアピールしようと切り込んでましたが、その都度3人にかわされてしまい、撃沈。
 最後はもう憮然としちゃって勝敗よりこっちのほうが気になってしまいましたよ。
 やはりもんたには3500人規模のホールは似合わないです。「おもいっきり〜」のスタジオのような規模でお客の顔を間近にみて臨機応変に対応できる“小劇場芝居”でこそその魅力は発揮できるとみました。
 今回の抜擢は、100人規模の小劇場でカリスマ的人気を誇っている役者が、いきなり3000人規模の大劇場の商業演劇に出させられたような場違い感がありました。

 ところで、ここ数年、私は紅白が終わったところでチャンネルをきりかえ、「ジルベスターコンサート」のフィニッシュを見るようになりました。
 ジルベスターコンサートじたいは、いろいろな国で行われているのですが、日本のジルベスターコンサートでは、いつの頃からか大晦日にカウントダウン曲を演奏するのが恒例になってます。
 新年を迎える午前0時ぴったりに曲を終わらせるというのが指揮者に課せられた任務で、数分前になると画面にでっかい時計の文字盤が現れ、スリルを煽ります。
 今回が11回目ですが、今までに失敗した指揮者は1人もいないそうで、そのことがいっそう初出場の指揮者に大きなプレッシャーを与えるようです。
 「ぴったりに終わらせたからってそれがどうだっちゅーねん」と言えばそれまでです。
 「音楽は芸術なのよ。そんな曲芸みたいな演奏、間違ってる。邪道だわ」と言われればおっしゃる通り。
 それでも、0時ジャストにスコアの最後の音が鳴り響き、その瞬間にくす玉が割れ、色とりどりのテープが舞い、拍手と歓声に会場が包まれるのは見ていてかなりのカタルシスがあるものです。
 「時間ぴったりに終わらせられるという日本人独特の段取りの優秀さ」が、片方では「つまらない」と敵視されているのに、こっちではそれを逆手にとって「ライブならではのワクワク感」に転化させている……皮肉といえば皮肉ですが、発想を変えればこういうことも成立するんですね。

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年越しは、数子に「ズバリ言われた!」

 今日はいかにもお正月らしい良いお天気ですね。
 皆様、どんな新年をお迎えでしょうか。
 唐沢は喪中ですので、新年のご挨拶は控えさせていただきます。

 さて。
 大晦日の夜はどんなふうに過ごしましたか?
 紅白の視聴率はいったいどのくらいだったんだろう。
 音楽業界にまるで興味のない私にとって、紅白というのはその年に話題になった歌をラストの数時間でダイジェストで確認するための学習ツールだったんですが、最近は「必ずしも売れていないし話題にもなっていない曲」がまじるようになってきて、だんだんモチベーションが低下してきつつあります。

 それでも、「べつのことしながら見る」という“ながら視聴”の形で毎年必ず見てはきたんですよ。
 「冬ソナ」でも「紅白」でも、世の中の大半が見るものは、とりあえず覗く主義なんで(見ないでケチをつけると怒られるので、もっぱら「ケチをつける資格を得るために」見ている…)。

 でも今回は初めて裏番組に夢中になってしまいました。

 「細木数子大晦日スペシャル」に。

 「六占星術」は初出の頃(1985年頃)に散々ハマッたので、私にとって細木さんは「過去の人」という感じでした。
 なので、去年TVで大ブレイクしたというのが「なんでまた今になって」と意外だったんですが、大晦日に初めてガッツリと肉声の“細木節”に接して、想像以上のインパクトにすっかりやられてしまいました。

 もう最高!
 特にライブドア社長に向かって「あんたはたしかに実力もあるしお金もあるし度量も広いけど、自分の才能におぼれていて、目上に対する礼節に欠けている」と言い放ったシーンは圧巻。
 「いくら巨万の富を持っていても、礼儀を知らない人間は結局、陰で笑われる」という一言には、さすがの社長も表情をひきつらせていました。

 あと、「墓参りをしているのにいいことがない」という人に対し、「なにが墓参りよ。どうせご先祖様にお願い事だけして帰ってきて墓参りした気分になってるんじゃないの?」とはねつけた一言にも全国の視聴者は一斉に「あいたたたた…」と思ったのではないでしょうか。
 たしかにしてる。してるよ、お願い事ばっかり(笑)。

 細木先生いわく、「お願い事は神様にするもの。ご先祖様には自分が元気でやっていることの報告とその感謝をするもの」だそうです。
 「線香やった。花やった。だから願い事きいてくれ」というのは筋違いだと。
 なるほどー。私がご先祖様ならたしかに「こんなしけた線香と安い花で自分の希望ばっか並べたてるんじゃねえよ」と思うかもしれません。

 細木さんが言うことって、考えてみるとどれも当たり前のことばっかなんですけど、今はその当たり前のことを当たり前のように言える人がおそろしく少ないんだろうなーと思います。
 やっぱり人間、人には嫌われたくないし、いい人だと思われたいじゃないですか。
 そうなると、限りなく自分にも人にも甘くなっていく。
 「ちょっとそれっておかしいんじゃない」とは言いづらい雰囲気がどんどん濃くなっていってしまう。
 そんなこと一言でも言おうものなら「あの人うるさいよね」「こわいよね」というレッテルを貼られてしまい、煙ったがられる。
 でも、そういう「こわさ」もここまで徹底して貫けばひとつの「正義」になるのかもしれません。
 一朝一夕に真似はできないけどね。

 まあでも、日頃「礼儀知らずの人間に対して苦々しく思っているんだけど何も言えない」という人にとっては、細木さんのトークは「よくぞ言ってくれました!」と溜飲をさげるものであることは間違いないですね。
 しかもTVのこちら側にいる限りは自分が糾弾される心配はないし(笑)。

 というわけで、細木トークに酔いしれているうちにアッという間に9時半に。結局最後まで見てしまった…。
 そのあと紅白にチャンネルを変えたものの、前に見たものの印象が強すぎてもう何もうけつけない。
 「マツケンサンバだけ見よう」としばらく自分の部屋に行って違うことしてたら、これまたうっかり集中しちゃってハッと気づいたらマツケンの次の歌手が歌ってて……(涙)。
 結局、まるで似合わないマツケンのスーツ姿しか見ることができないまま2004年最後の夜は更けていったのでした。
 なんだったんだろう、今年の紅白って……。

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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