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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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ガレージセールをやってみた

 以前から一度やりたかったもののひとつに「フリマ」がありました。
 母の遺品やら体が不自由になって使えなくなったものなどを、「使いたい」という人に使ってもらえたらいいな…と思ったのが発端ですが、まあ、ぶっちゃけ文化祭魂を動かされるものがあったんだと思います。

 で、試しに友人がやっているフリマを覗きにいったりもしたんですが、見たとたんに「こりゃ私には無理だ…」と思いました。
 当然ですが、アウトドアですからまず体力がないと無理。
 暑くもなく、寒くもなく、雨も降らず、風も吹かず、しかも休日…なんて日は滅多にありません。
 ものを売るにはいろいろなものが必要で、こまこました備品まで万端整えて会場まで運ぶというのも考えただけで大変そうです。
 いったん店を開いたらトイレに行ったり食事に行ったりも簡単にはできないだろうし。
 若い子ならいいけど私はさすがになぁ…。

 と思いつつも、買い手の側になってまわってみると、矛盾するようだけど「どうせやるならもっとこういうふうにやりたいな」という欲がどんどんふくらんできました。
 だいたいフリマに出店してる人って値札つけないでモノを並べてる人が多いんだけど、値札がついていないものはやっぱり買いにくいし、地面に置かれたものはしゃがまないと見られないから面倒。ディスプレイに高低差がないと奥のものはお店の人に言ってとってもらわなければならないのでさらに億劫。
 試着もできないし、鏡もない。
 服はやっぱり吊るした状態を見たいし…。
 でもフリマの出店スペースを見ると、どう考えてもそんなサービスができるとは思えないし…。
 それならいっそのこと自宅で「ガレージセール」をやったらどうだろう。

 自分の家なら、まず荷物を運ぶ手間が省ける。
 途中でなにかが足りなくなっても家の中に戻ればすぐにとりにいける。
 お昼は交代で中に入って食べればいい。
 車をどかしたら駐車場のスペースはかなり広い。フリマだったら場所代を払ってもここの6分の1ももらえないだろう。
 隣は公園だし、まわりの緑や鉢植えなどもディスプレイの一部として使えたら楽しくないか?

 …と妄想をふくらませてたら「エステをして化粧品を売ってもいい?」「ポストカード売って個展の案内を置かしてもらってもいい?」などと参加希望も出てきてますます文化祭魂に火がついてしまいました。
 かくして、「家の中のモノをゆるーく並べて売る」程度のつもりだったのが短期間で一気に大掛かりな企画に。

 とはいうものの、なにしろ初めてなのでなにをどうしていいのやらさっぱりわかりません。
 とりあえず、売る物を家中からかき集めてみましたが、イヤリングはバラバラだし、ネックレスはからみまくりだし、ランチョンマットやクロス類は広げて大きさを確認するだけで大仕事だし、衣類は洗濯してアイロンかけなきゃいけないし、アクセサリーも磨かないと見栄えが悪い。
 そんなこんなで「中身を確認して売れるような状態にそろえる」だけで数日かかってしまいました。

 次に備品の買い出し。
 プライスカードや、ビニールシート、買い物袋、ハンガーをかける布団干し用ラックなど、なんだかんだ出費がかかる。これ、元はとれるんだろうか。車を一日どかすと駐車料金もかかるんだけど…。

 それから庭師さんを呼んでガレージ周りの雑草を抜いてきれいにしてもらい、1日かけて値つけの作業。
 これは友達やいとこにうちに来てもらって実際の作業はやってもらいましたが、卸値のないものに自分でプライスをつける難しさには悩みぬきました。
 さらに一緒に売る化粧品やエステとのからみもあり、値引きやサービスをどこまでするのか考え始めたらどんどん複雑化してわけのわからない事態に。

 同時にSNSなどを使って友人知人にセールの告知。 
 秋はイベントの多い季節なだけに、どのくらい来てもらえるのか。。。

 前日はすべての商品の値段つきリストをパソコンで作成しました。
 まだ値札をつけてないものもあったし、ポップのようなものも書きたかったんですが、自分でできないことがもどかしい。
 イメージはあるのに手が動かない。
 悔しい。

 そして迎えた当日。
 開店予定10時で、2時間前から作業に入りましたが、それでもギリギリ!
 効率よく動いてもらおうと、前日にタスクシート(当日準備で必要な作業のチェックシート)を作ったので、それに従い、端からできることを手伝いの人に頼みまくりました。
 車をどかせるのはギリギリの時間なので、この2時間で一気に設営しなくてはなりません。
 レイアウトもなんとなくは事前に考えていたけれど、実際に置いてみないとわからないことばかり。

 嵐のような2時間を経てなんとか10時にスタート。
 前日は一日雨でしたが、その日はいいお天気。
 午前中は暑いくらいでした。

 最初に来たお客さんはバイクで通りかかった60代くらいの男性。
 「アクセサリーを自分で作ってる」という職人らしく、アクセサリーを熱心に見て「これはいい細工だねー」と何度も繰り返してました。
 結局買っていったのは泡盛を入れる赤絵のとっくり。形が花器のようだったので私は花器だと思ってたんですが、たしかによく見ると注ぎ口がありました。
 で、いったんバイクで走り去ったんですが、しばらくしてまた戻って来て、「やっぱりこれが気になるから」と象牙か水牛の角かよくわからないけどとにかく牙系のアクセサリーを買っていきました。

 次に来たお客さんは70代くらいの女性。
 帯を見て「おいくら?」と聞かれたんで「これはもう古くて帯としては使えないと思うので応相談です」と言ったら「私も帯とか着物とかいっぱい持ってて困ってるのよ〜。いくらくらいで売れるのかなーと思って」とベラベラしゃべりだした。
 結局、自慢話と蘊蓄だけで特に何も買うわけではなく、サービスで出したルイボスティーを飲んで帰っていきましたが、まあこれもガレージセールの楽しみのひとつということでしょう。

 その後、近所の親戚やら友人やらが次々に訪ねてきていろいろと買ってくれましたが、午後2時〜3時あたりになってぱったりと客足が途絶えました。
 この頃になると風が強くなってきてだんだん外にいるのがつらくなってきたんですが、3時頃になったら今度はまたまた50代〜60代くらいの通りすがりの女性が続けて訪ねて来て賑わいました。

 ちょうど目標としていた4時頃に客足がきれたのでそこで撤収。
 結果的には、初めてにしてはなかなかの売り上げでした。
 まあ数にしたらたいした数ではないんですが、フリマと違って通りすがりの人は「すれて」いないのか、値切る人は一人もいませんでした。

 まあ、なんとか経費で足が出ない程度には売れたし、友達から委託されたものもそこそこ売れたし、なによりも「納戸にずっとしまわれていたモノ」が「望んでもらわれていったモノ」に昇格するのを見るのはやっぱり嬉しい。
 初めてやったセールなのに「どのくらいの頻度でやってるの?」「今度はいつやるの?」と何度も聞かれたのも嬉しい。
 見るだけで買っていかなかった人に「楽しかったわ。ありがとう」と言ってもらえたのも嬉しい。
 かなり見切り発車的な無謀な企画だったけど、やってよかった。
 助けてくれる人がいっぱいいたから私でもできました。

 アウトドアのお店は、室内に比べて条件は過酷ではあるけれど、室内にはないオープンな雰囲気があります。
 通りすがりの人をお店の中に引き込むのはなかなか難しいけれど、ガレージというのは適度にパブリックなスペースなので、見知らぬ人でも意外に自然に入ってきてくれることがわかりました。
 ネット上ではともかく、リアルで知らない人とコミュニケーションできる場なんてあるようでなかなかないですからね。

 春にはまたやってみようかな…。
 そのときにそれだけの体力が残っているかどうかが問題だけど。 

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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