古伊万里★新伊万里
劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です
秋ドラチェック<前編>
- 2008/10/22 (Wed)
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更新しようと思っているネタを端からタイミング逸しているこのごろですが、そろそろ秋ドラが出そろったようなので、これも逸しないうちに恒例チェックを。
「だんだん」
朝ドラらしい手堅さです。
双子を使ってなにかドラマを……と考えたときに、「お互いの存在を知らないまま成長した2人がある日突然再会」という展開は、王道といってもいいほどのおいしい設定です。
「じつは自分は双子で、ある日自分にそっくりな人間に会う」って、双子じゃない一般人なら誰でも一度は妄想したことがありますよね(ない?)。
2人が連絡をとりあうのに、片方を舞妓にして生活時間帯が一致しないようにするとか、舞妓は携帯持つの禁止されてるとか、うまいこと枷をかけてやきもきさせるのもよく考えられてます(ただ今から8年前という設定にしては、高校生が携帯フツーに持ちすぎでは?って気もしないではないですが)。
双子でデュエットも反則すれすれのおいしい場面ですね。
双子という特性を目一杯生かして宛書きしているところがいつもの朝ドラにはないおもしろさだと思います。
ところで「ふたりのロッテ」という児童小説をご存じでしょうか?
夏休みの林間学校?みたいな場所で偶然自分とそっくりな女の子に会って、話してるうちに両親が離婚して離ればなれになった双子だということがわかって、2人が入れ替わって両親のよりを戻させるみたいな話だったんだけど、「だんだん」を見てて最初の段階で「これで入れ替わったら『ふたりのロッテ』じゃん!」と思ってたらほんとに入れ替わったんで驚きました。パクリとか言われてないのかなー。
でも始まってすぐにここまでネタバレさせてるということは、この先にもっと「おおっ」という展開が待ち受けているんじゃないかと期待してます。
視聴率はいまいちのようですが、このところ朝ドラは内容にかかわらず視聴率は下降の一途をたどっているので、まあこんなもんなんじゃないでしょうか。
欲を言えば、登場人物(特に脇)のキャラがみんな普通というか、もうちょっとキャラだちさせてくれると見るのが楽しみになるんですけど。「ちゅらさん」とか、まさにキャラでひきつけて成功してましたからね。
「イノセント・ラヴ」
宮様がハウスクリーニングしてるよ!
宇多田ヒカルの主題歌、浅野妙子の脚本といえば、「ラストフレンズ」の柳の下を狙っているんじゃないかと思いますが、案の定1話目から不穏な動きが……(笑)。
ゆず北川の親友設定の成宮くんは、彼に友情以上の思いを抱いていそうなフラグがあるし(「ラスフレ」で女→女だったから今度は男→男なのか?)、親殺しの罪で服役している福士くんは、妹の堀北ちゃんを妹以上に思っている様子。
んー、なんかこういう扇情的な設定、もう食傷気味なんですけど。
ダメとは言わないけど、釣り道具として利用しまくるのはやめてほしいです。
どれかひとつでも真摯に書いてくれればと思うんですけど、なんとなくいやな予感がします。
見ず知らずの他人の写真を盗み撮りして自分の部屋に貼ってでへでへしている堀北はちょっとやばい。
その理由が「笑ってる人の写真が好きなんです」って………。
若くてかわいい女の子だから許されてるけど、これが男だったりおばさんだったりしたら絶対ひいちゃうよ、みんな。
それに、理由はどうあれ、ハウスクリーニングに入った業者が勝手にそこの家のアルバムの中身見たらそれだけでアウトでしょう。
堀北は偽名使うくらい身元がバレないように気を遣ってるけど、人の留守中にあがりこんで掃除する商売なんてもっとも身元保証にうるさいんじゃないのかなー。よく採用されたね。
「チーム・バチスタの栄光」
原作読んでないし、映画も見てませんが……したがって結末も知りませんが……なんかミステリにしては緊迫感のない演出ですね。
仲村トオルがおちゃらけてるのはまあいい。それに翻弄される伊藤淳史の間の悪いリアクションもよくはないけどまあいい。
問題はバチスタチームに「なにか秘密がありそう」というミステリアスな雰囲気が感じられないこと。底が浅そうというか、妙なタイミングで笑いをとりにいったりする安っぽさも気になります。
同じバチスタチームなら「医龍」のほうがやはり役者の格が上って感じですね。
「OLにっぽん」
「働く女性の応援歌枠」として定着している水曜10時日テレ枠。今回は「ハケンの品格」を意識したような作りですが、中国人労働者との軋轢をテーマに据えているところがミソ。ある意味黒船襲来っていう話ですね。
観月ありさは相変わらず何をやっても薄っぺらな感じが漂いますが、阿部サダヲの存在感が救い。
しかしあの中国人労働者、パソコンのスキルは異様に高いのに、電話に出る応対はまったくダメっていったいどういう研修受けてんだ。普通、研修でまっさきに学ぶのが電話の応対だろう。
“ミュージカル界のプリンス”井上芳雄が初めての連ドラ出演をはたしていますが、プリンスだと言われなければ誰も気づかないくらいの陰の薄さで、よく言えば(舞台役者のくせに)TVでも違和感なし、悪くいえば(舞台役者なのに)オーラなし。これでいいのか、ヨッシー。
友人が「ドーラン焼けしてて顔色悪すぎ」とダメだししてましたが、顔色にダメだされてもねー。
「小児救命」
前クールの「Tomorrow」もそうだけど、今の医療問題を真正面から取り上げる姿勢はすばらしいと思うんですが、問題が大きすぎてきれいごとではさばききれないことを知っているだけに、見ていてあまりいれこめないんですよねー。
小西真奈美は医師役を今までにも何度もやっているせいか、あまり新鮮な印象がありません。
1回目は虐待母にむかって説教してましたが、あれで改心しちゃうってのはどうなんでしょうか。本人はいいこと言ったつもりだったんだけど、さらに根の深い問題があった……くらいのオチはほしいな。
「風のガーデン」
私は倉本ドラマの「不幸を背負う女vs女を不幸にした悔恨でウジウジする男」という毎回出てくる図式がどうにも苦手で、今回もセオリー通りだったのであまり食指が動かなかったんですが、イングリッシュガーデンが見たくてつい見てしまいました。
まず話のテンポ遅すぎ!
倉本先生の生理に合ったリズムがこれなんでしょうが、他のドラマを見てから見るとイライラするのは否めない。ゆったり進むドラマは他にもあるはずですが、それが心地よいドラマもあります。倉本ドラマは舞台(今回は富良野)の情景や雰囲気に頼りすぎ。
「北の国から」はそれが最大限に生きた名作だったと思いますが、そのあとは二番煎じ、三番煎じにしか見えません。
そもそも中井貴一が女たらしの遊び人にはどうしても見えず、恋人連れてのお忍び旅行も「保護者同伴」みたいな感じでまったく色っぽさが感じられない。
今後、自らの余命を知った中井貴一は富良野に戻って子供たちと再会し、父親と和解しようとするんでしょうけど、最後は風の通り道になっているガーデンに風が吹き、「あ、今お父さんが通ったよ」的なベタなラストに落としこむのではないかとうすら寒く予想。
初回20%超えは緒形拳追悼効果だと思われますが、今後どこまで維持できるでしょうか。
以上。これで半分くらいかな。
残りは次回。
「だんだん」
朝ドラらしい手堅さです。
双子を使ってなにかドラマを……と考えたときに、「お互いの存在を知らないまま成長した2人がある日突然再会」という展開は、王道といってもいいほどのおいしい設定です。
「じつは自分は双子で、ある日自分にそっくりな人間に会う」って、双子じゃない一般人なら誰でも一度は妄想したことがありますよね(ない?)。
2人が連絡をとりあうのに、片方を舞妓にして生活時間帯が一致しないようにするとか、舞妓は携帯持つの禁止されてるとか、うまいこと枷をかけてやきもきさせるのもよく考えられてます(ただ今から8年前という設定にしては、高校生が携帯フツーに持ちすぎでは?って気もしないではないですが)。
双子でデュエットも反則すれすれのおいしい場面ですね。
双子という特性を目一杯生かして宛書きしているところがいつもの朝ドラにはないおもしろさだと思います。
ところで「ふたりのロッテ」という児童小説をご存じでしょうか?
夏休みの林間学校?みたいな場所で偶然自分とそっくりな女の子に会って、話してるうちに両親が離婚して離ればなれになった双子だということがわかって、2人が入れ替わって両親のよりを戻させるみたいな話だったんだけど、「だんだん」を見てて最初の段階で「これで入れ替わったら『ふたりのロッテ』じゃん!」と思ってたらほんとに入れ替わったんで驚きました。パクリとか言われてないのかなー。
でも始まってすぐにここまでネタバレさせてるということは、この先にもっと「おおっ」という展開が待ち受けているんじゃないかと期待してます。
視聴率はいまいちのようですが、このところ朝ドラは内容にかかわらず視聴率は下降の一途をたどっているので、まあこんなもんなんじゃないでしょうか。
欲を言えば、登場人物(特に脇)のキャラがみんな普通というか、もうちょっとキャラだちさせてくれると見るのが楽しみになるんですけど。「ちゅらさん」とか、まさにキャラでひきつけて成功してましたからね。
「イノセント・ラヴ」
宮様がハウスクリーニングしてるよ!

宇多田ヒカルの主題歌、浅野妙子の脚本といえば、「ラストフレンズ」の柳の下を狙っているんじゃないかと思いますが、案の定1話目から不穏な動きが……(笑)。
ゆず北川の親友設定の成宮くんは、彼に友情以上の思いを抱いていそうなフラグがあるし(「ラスフレ」で女→女だったから今度は男→男なのか?)、親殺しの罪で服役している福士くんは、妹の堀北ちゃんを妹以上に思っている様子。
んー、なんかこういう扇情的な設定、もう食傷気味なんですけど。
ダメとは言わないけど、釣り道具として利用しまくるのはやめてほしいです。
どれかひとつでも真摯に書いてくれればと思うんですけど、なんとなくいやな予感がします。
見ず知らずの他人の写真を盗み撮りして自分の部屋に貼ってでへでへしている堀北はちょっとやばい。
その理由が「笑ってる人の写真が好きなんです」って………。
若くてかわいい女の子だから許されてるけど、これが男だったりおばさんだったりしたら絶対ひいちゃうよ、みんな。
それに、理由はどうあれ、ハウスクリーニングに入った業者が勝手にそこの家のアルバムの中身見たらそれだけでアウトでしょう。
堀北は偽名使うくらい身元がバレないように気を遣ってるけど、人の留守中にあがりこんで掃除する商売なんてもっとも身元保証にうるさいんじゃないのかなー。よく採用されたね。
「チーム・バチスタの栄光」
原作読んでないし、映画も見てませんが……したがって結末も知りませんが……なんかミステリにしては緊迫感のない演出ですね。
仲村トオルがおちゃらけてるのはまあいい。それに翻弄される伊藤淳史の間の悪いリアクションもよくはないけどまあいい。
問題はバチスタチームに「なにか秘密がありそう」というミステリアスな雰囲気が感じられないこと。底が浅そうというか、妙なタイミングで笑いをとりにいったりする安っぽさも気になります。
同じバチスタチームなら「医龍」のほうがやはり役者の格が上って感じですね。
「OLにっぽん」
「働く女性の応援歌枠」として定着している水曜10時日テレ枠。今回は「ハケンの品格」を意識したような作りですが、中国人労働者との軋轢をテーマに据えているところがミソ。ある意味黒船襲来っていう話ですね。
観月ありさは相変わらず何をやっても薄っぺらな感じが漂いますが、阿部サダヲの存在感が救い。
しかしあの中国人労働者、パソコンのスキルは異様に高いのに、電話に出る応対はまったくダメっていったいどういう研修受けてんだ。普通、研修でまっさきに学ぶのが電話の応対だろう。
“ミュージカル界のプリンス”井上芳雄が初めての連ドラ出演をはたしていますが、プリンスだと言われなければ誰も気づかないくらいの陰の薄さで、よく言えば(舞台役者のくせに)TVでも違和感なし、悪くいえば(舞台役者なのに)オーラなし。これでいいのか、ヨッシー。
友人が「ドーラン焼けしてて顔色悪すぎ」とダメだししてましたが、顔色にダメだされてもねー。
「小児救命」
前クールの「Tomorrow」もそうだけど、今の医療問題を真正面から取り上げる姿勢はすばらしいと思うんですが、問題が大きすぎてきれいごとではさばききれないことを知っているだけに、見ていてあまりいれこめないんですよねー。
小西真奈美は医師役を今までにも何度もやっているせいか、あまり新鮮な印象がありません。
1回目は虐待母にむかって説教してましたが、あれで改心しちゃうってのはどうなんでしょうか。本人はいいこと言ったつもりだったんだけど、さらに根の深い問題があった……くらいのオチはほしいな。
「風のガーデン」
私は倉本ドラマの「不幸を背負う女vs女を不幸にした悔恨でウジウジする男」という毎回出てくる図式がどうにも苦手で、今回もセオリー通りだったのであまり食指が動かなかったんですが、イングリッシュガーデンが見たくてつい見てしまいました。
まず話のテンポ遅すぎ!
倉本先生の生理に合ったリズムがこれなんでしょうが、他のドラマを見てから見るとイライラするのは否めない。ゆったり進むドラマは他にもあるはずですが、それが心地よいドラマもあります。倉本ドラマは舞台(今回は富良野)の情景や雰囲気に頼りすぎ。
「北の国から」はそれが最大限に生きた名作だったと思いますが、そのあとは二番煎じ、三番煎じにしか見えません。
そもそも中井貴一が女たらしの遊び人にはどうしても見えず、恋人連れてのお忍び旅行も「保護者同伴」みたいな感じでまったく色っぽさが感じられない。
今後、自らの余命を知った中井貴一は富良野に戻って子供たちと再会し、父親と和解しようとするんでしょうけど、最後は風の通り道になっているガーデンに風が吹き、「あ、今お父さんが通ったよ」的なベタなラストに落としこむのではないかとうすら寒く予想。
初回20%超えは緒形拳追悼効果だと思われますが、今後どこまで維持できるでしょうか。
以上。これで半分くらいかな。
残りは次回。
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「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
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