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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

カテゴリー「旅行・レジャー」の記事一覧

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日光江戸村の余命

 鬼怒川観光の話です。
 1日目は、「龍王峡」という渓谷を歩きました。
 前回訪問時にも行ったんですが(そのときは紅葉し始めでした)、すごくいいところだったので、今回は新緑の龍王峡を楽しみにきました。
 一応、虹見橋からむささび橋までを往復するのが最短の遊歩道コース(約1時間)なので、そこを歩いてみました。
 距離はたいしたことないし、アップダウンもそれほどないんですが、問題は足場が非常に悪いこと。特に虹見橋→むささび橋間はかなり道が悪くて足がガクガクになります。
 でも景色は本当に気持ちよくて最高でした。



龍王峡の新緑。
緑のグラデーションがきれいです。



虹見橋から見える「虹見の滝」。
ほんとに見事に虹が見えました。


 2日目は、本来ならば「鬼怒川ライン下り」→「日光猿軍団」というコースでいこうと思ってたんですが、例の尻餅事件でお尻がかなり痛かったため、泣く泣くライン下りは断念。プラン全体を変更し、「日光江戸村」に行くことになりました。
 ここは今回が初来訪になります。
 平日ということもあって、村内はガラガラでした。
 空いてるのは嬉しいけど、ここはディズニーみたいに並ぶようなたぐいのアトラクションがあるわけではないし(あるのは劇場タイプのイベントのみ)、まあもうちょっと混んでてもいいかなって気はしました(贅沢なやつ)。
 なんかねー、江戸の町をウロウロするというのがひとつの楽しみなわけで、ある程度賑わってないと雰囲気が出ないんですよ。ゴーストタウンみたいな感じで。
 ところどころで大道芸をやってたりするんですが、それも人が集まってないと気の毒すぎてねぇ……。
 入ってすぐに、南京玉すだれをやっている人がいて、呼ばれたので見させていただきましたが、他の観客は遠足とおぼしき小学生が数名のみ。
 小学生には南京玉すだれの口上もなじみがないようで「何語しゃべってんのかわかんない」と反応はきわめて薄し。
 手拍子もまばらですだれは途中でひっかかるしで見ていていたたまれない気分になってきちゃいました。
 終わったあとはさりげなく「お気持ち」を入れるように促されましたが、小学生がそんなもの払うわけはなく、妙におっさんくさい小学生が一人、「金もってねえけどおもしろかったよ」と玉すだれのおっさんを励ましつつ去っていきました。
 しかたがないので「お気持ち」はこちらが負担しました。

 入り口で配られた上演スケジュールをもとに、まず最初は「柳生武芸帳外伝」という野外ライブを見学。
 これはまあ一言でいえば立ち回りを見せるパフォーマンスで、筋はほとんどないに等しいです。
 その後、すぐそばにあった「地獄堂」の中へ。
 「江戸時代の人々が考える死生観を展示しているのか」とまじめに考えて中に入ったら、単なるお化け屋敷もどき。
 しかしこわかったのはお化けでも地獄でもなく、暗すぎて足下が見えないこと。
 進路が全然わかんねーよ!
 時々、脅しのように薄暗い中に鏡が置かれ、自分の姿がボワーッと浮かび上がったりするんですが、そんなもんがあるせいでますますどっちが道でどっちが壁なのかわからん。
 だんだん腹がたってきて「どっちだよ」「わかんねーよ」「見えねーんだよ」と怒りながら進むようになりましたが(地回りのヤクザか?)、相手はテープから流れてくる音声なのでもちろん進路を教えてはくれませんでした。

 次に「吉良上野之介邸」へ。
 中から「意外におもしろかったな!」と言いながらまたもやさっきのおっさんくさい小学生が出てくるのを発見。
 おまえ……グループの盛り上げ役かよ。
 この吉良邸、中で「忠臣蔵」の展示でもやってるのかと思いきや、中は人形館でした。
 関ヶ原の戦いに始まり、江戸幕府が終焉するまでの300年間の中で起こった大きな事件の場面を人形で再現し、説明をテープで流すという内容。
 まあコンセプトはいいんですけどね、なんかここもお化け屋敷くさいというか、場面がいちいち血なまぐさいんですよ。
 半数くらいの場面が誰かが殺されてたり死にかけてたりという血まみれシーンで。
 人形じたいが薄気味悪いので、あんまり気持ちよくなかったです。
 吉良邸の向かいは「小伝馬町牢屋敷」。ここも人形展示らしいですが、牢屋敷+人形という組み合わせですでに路線が見えてしまい、遠慮しました。もうおなかいっぱいです。

 その次は伝統劇場両国座で40分ほどの江戸人情芝居を観ました。
 清水次郎長の子分が親分の使いで東海道を旅するというロードムービー。
 まあ「お江戸でござる」みたいな感じ?
 ただ、あそこまできっちりと作りこまれてるわけではなくて、脚本はかなり雑だし、出演者の演技も微妙。
 一応、コメディ風につくってはあるんですが、それにしてはテンポがのんびりしすぎていてちょっとこれじゃ笑えないなあという感じ。

 ここでランチタイム。
 ほとんど選択肢はないので、とりあえずそのへんの茶店でラーメンを食べました。
 そのうちに「花魁道中」が始まるというアナウンスがあったので、それを観に外へ。
 花魁道中についての解説アナウンスを聞きながら道中を見学。



花魁道中。
一般人が花魁の姿を拝めるのはこのときだけだったらしい。



花魁道中の歩き方はちょっと独特。
足を一歩ずつ円を描くようにしながら踏みだし、体を左右に揺らして歩く。
列全体が船の上に乗っているように揺れて見せるのがコツだそうです。



花魁の履き物といえば「ぽっくり」。
これ履いて髪結い上げたらみんなしずちゃんみたいに見えるんだろうなあ。



さすがに自力で歩くのは難しいのか、支えになる人が横についています。
なんか怪我人が支えられながらかろうじて歩いてるみたいなんですけど。



江戸の扮装をした茶髪のカップル。
扮装料金はもちろん別です(町娘・新撰組隊士などいろいろバージョンあり)。
カップルはまだいいんだけど、赤ちゃん抱いたお母さんがお姫様の格好するのは…微妙。


 そのあとは「北町奉行所」で遠山の金さんのお芝居(40分)を観ました。
 お白州のまわりが桟敷席になっていて、お白州の上(つまりここだけが野外になる)でお芝居が繰り広げられるというちょっとおもしろい趣向。
 これは江戸村の中でも人気演目らしく、役者はさっきよりかなりコメディ慣れしているし、アドリブもいっぱい入っていて客席受けはよかったです。ちょっとTVっぽいノリでしたが。
 特に悪玉が一番おいしい役(笑いがとれる役)になっているところがミソ。
 また、途中でそのおいしい悪玉役が本編とは関係ないトークを展開するところがあるんですが、「皆さん、まわりの方にもぜひ観にくるよう宣伝してくださいねー。江戸村なんていつでも行けるなんて思ってると……(ニッと笑い)ある日なくなっちゃってるかもしれませんよ〜」……ってそれ笑えないから!
 その悪玉さんによれば、GW直後はお客4人というときもあったそうで(しかもその4人は子供を含む1家族…)、「今日は平日なのにこんなにいっぱいお客さんが来てくれて嬉しいです〜」としきりに感動してました。

 そのあとは「大忍者劇場」で35分の忍者ライブを。
 ここはけっこう劇場設備ちゃんとしてましたね。内容は忍者の立ち回り中心でちょっと新感線の影響受けてるかなーという感じ。
 最後は「日本伝統文化劇場」で25分の花魁ショーを。
 これがですねー、じつは一番おもしろかったんですよ。といっても話がおもしろいとかじゃなく、企画の勝利といいますか…。
 まず最初に太鼓持ちが出てきて前説を始めます。
 当時の遊郭がどんなに華やかだったか。
 その中でも花魁と呼ばれる太夫を呼べるのはお金も教養もある一握りのセレブだったということ。
 そのセレブは「お大尽」と呼ばれたこと。
 そこまで説明したところで、「今日はこのお大尽役をお客さんのどなたかにやっていただきたいと思います」と宣言。
 こう言われてすぐに「はい」と立候補する勇気のある人が毎回いるとは思えないんですが、そこはうまいことのせて引っぱり出すのが太鼓持ちの仕事。
 この日はなんかの団体ツアーが入ってて、その中で「Kさん」という声があがり、お大尽役にはこのKさんという推定65歳ほどの男性が選出されました。
 このKさんが………うけた(笑)。
 ストーリーとしては、このお大尽がなじみにしている太夫に「あなた、他の店でもべつの太夫を呼んだでしょ。私というものがありながらキィーッ、くやし〜!」と焼き餅を焼かれ、「それは誤解だよ」とお大尽が言い、機嫌を直した太夫が踊りを踊っておしまいという「それだけかい!」というたわいのない内容なんですが、ヅラをかぶったKさんが登場しただけで団体さんは大爆笑。太夫がKさんに向かって恨み言を言うくだりではもうみんな泣きくずれんばかりに笑ってました。
 そんな突然引っぱり出されて台詞はどうするんだと思うかもしれませんが、そこは太鼓持ちが代弁するという形でうまく進め、支障がないように作られていました。
 とはいうものの、いきなり舞台に上げられたら普通はもっと緊張して挙動不審になると思うのですが、Kさんはまったく顔色が変わらず、終始茫洋とかまえておられたのに感服しました。もうほんと、前世がお大尽だったんじゃないかっていうくらい似合ってましたね。
 パンフを見たら、このお大尽役を外国人がやっている写真が載っていて、なるほどこりゃ外国人観光客にはたまらない体験だろうなーと思いました。

 以上、ざっとですが、江戸村の感想でした。
 印象をまとめると、ターゲットをどこに設定しているのかがいまいち不明瞭なのが中途半端な気がしました。
 一口に江戸と言ってもいろいろな側面があるし、人によって江戸習熟度も違う。早い話が子供向けにするか大人向けにするかでも見せ方は違ってくると思うんですよ。
 文化的なお勉強をしようと思うにはちょっと…というかかなり物足りないし、かといって遊び場としてもいまいち。
 ファミリーできてもカップルできても女性同士できても老人会できても子供の遠足できても修学旅行できても微妙だと思います。
 4500円というディズニーランド並の入場料をとっていながら中身はどこもチープな印象。
 おまけに劇場に入るたびに懐紙のようなものを渡され、出し物が気に入ったらおひねりを包んで舞台に投げろと言われるんですよ。
 もちろん強制ではないのでしなくてもいいんですが、あまり誰も投げないとなんとなく投げなきゃいけないような雰囲気になるのも窮屈だし、「お遊びですから」と言うわりには本気に感じられたりするし(笑)。
 まあ、機械仕掛けの施設に頼るのではなく、あくまでも生身の人間を使ってお客を楽しませようとする心意気はいいと思うんですが、4500円のうえにおひねりを要求されるのはちょっと荷が重いかも……。
 でもそれなりに楽しみましたよ。
 皆さんも行ってみてください、江戸村。なくならないうちに(笑)。

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美肌の代償

 新緑を楽しみに鬼怒川温泉に行ってきました。
 鬼怒川は行ってみればけっこう近いしアクセスもいいのですが、今まであまり、というかまったく足をむけたことがないエリアで、一昨年の紅葉の時期に行ったのが初めてです。
 そのときの印象は感動ものでした。

 温泉がいいのか、その旅館が特別なのかはわかりませんが、とにかく一晩で肌がすべすべになってしまったんです。
 「またまた〜」と言われそうですがこれは本当。
 しかもですね、そこの旅館の従業員は、女将をはじめ、どの人も透き通るような美肌なんですよ。見た感じほとんどノーメイクに近いんですが。
 私はそもそも冷えやすくのぼせやすい体質なんで、温泉はあまり得意ではなく、ちょっと強い温泉だと一晩中だるくなっちゃったりして大変なんですが、この鬼怒川の温泉は今まで経験したことがないほど気持ちよくて、まあ一言でいうとわりとぬるめで、いくらでも入ってられる感じなんですよ。で、もちろんのぼせないし、湯冷めもしない。 
 これで肌もグレードアップするなら言うことなし!(ちなみに美肌の魔法は東京に帰ってしばらくしたら消えましたが
 「こんな近場にこんないい温泉があったなんて!」とそのときはこれからも通う気満々だったんですが、家の建て替えやらなにやらであっという間に1年以上たってしまいました。
 で、今回ようやく二度目の鬼怒川ゆきがかなったわけですが…。

 そこは鬼怒川に面している宿なので、露天風呂からの眺めは絶品です。
 前回はやや早めの紅葉でしたが、今回は新緑真っ盛り。露天からの眺めはどんなにすがすがしいだろうと行く前から期待はふくらむ一方でした。
 幸い天候にも恵まれ、まだ明るいうちにチェックインし、さっそくお風呂へ。
 が、人間、ガツガツするとやはりろくなことはありません。
 露天風呂へ出る扉を開けて、目の前に広がる谷川の新緑に「おおっ」と感嘆の声をあげた次の瞬間、私は濡れた石段に足を滑らせ、思いっきり転倒してしまいました。
 尻餅だったので、まあ被害としては少ない部位だったんですが(頭だったらえらいことになっていたかも)、かーなーりー派手に打ったので、あまりの痛さにしばらく動けませんでした。
 すごいショックでしたが、そのままうずくまっていても体が冷える一方なので、這うようにして風呂の中へ。
 同じ這うなら内風呂に戻れよ!って感じですが、「夢にみた新緑の露天を目の前にしてこのままおめおめとひきさがれるかよ。私は露天に入る! 入って北方位の運気をめいっぱい吸い込むんだ!」という意地だけで入りました。
 先に入っていたおばさんは心配そうに「だ、大丈夫ですか? そういうときはあっためないほうがいいんじゃないですか?」と忠告してくれましたが、「大丈夫です。ここの温泉の効能には『打ち身』って書いてあったし!」と意味のない負け惜しみを言う私。
 こうして痛みから意識をそらしながら心を無にして新緑と鬼怒川のせせらぎを満喫した私ですが、やっぱり無理があったようで、夕食後になってさらに打った場所が痛くなってきました。
 触ると明らかに腫れている。。。
 本当は寝る前にもう一度入りにいこうと思っていたのですが、さすがにこれはまずいと感じて自粛し、フロントに湿布をもらいにいきました。
 冷えた湿布をくれた従業員の人に往生際悪く「あのー、やっぱりこういうときは温泉入らないほうがいいんでしょうか」と聞いたところ、「そうですねー。少なくとも腫れてるうちはやめておいたほうが無難かと」と言われて「やっぱり……そうだよね」と目がさめる私(←もっと早く気づけよ)。
 目がさめてみると急に痛さも倍増し、その日の夜は寝返りも打てないありさまでした。お尻ってけっこうどんな姿勢でも体重がかかるものなんだなーとあらためて実感。
 というわけで、残念ながらはやる気持ちにのまれてしまい、結局1回しか入れずに終わりました。……無念。
 皆さんも温泉の転倒にはくれぐれもご注意を。
 いやー、まさか自分がころぶとは思いませんでした。
 帰りに脱衣所に「すべりやすいので気をつけてください」と注意書きがあったのをみて「早く言ってよ」と因縁をつける私でした(←いや、あんたが読んでなかっただけだから)。

 でも、今回も明らかに肌はすべすべになりましたよ。
 触った感じも違うし、血色もよくなってる。いつまでもつかわかんないけどね。
 来年は北方位が暗剣殺に入ってしまうので、今年のうちにもう1回行って美肌貯金しておかないと(笑)。
 観光内容についてはまたあらためて。

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今さらの「お台場」

 高校時代の友人2名とお台場に行ってきました。
 じつは……なにを隠そう……私、お台場に行ったことがなくて……。
 もともと最新流行スポットというものに関心が薄くて、なおかつ体力がなくて混んでるのが嫌いなもんで、とりあえず新しくできたものには近づかないようにしているんですが、にしてもお台場なんて今や新しくもなんともないし、平日は空いてるし、いいかげん行けよ!って感じですよね。
 がしかし、流行スポットは流行スポットであるがゆえに旬をすぎてしまうと「今さら人を誘うのもなー。もうみんな行き飽きてるだろうし」という気後れが生まれ(できたばかりなら誰を誘っても「行く、行く」と喜ばれるのは確実ですが)、そのうちに「ま、いいか。お台場に行かない人生があっても」と割り切れるようになり、気がつけば「お台場?なにそれ何県?」というくらい遠いものになってしまうんですね。つくづく人生はタイミングが勝負だと思います。流行スポットは熱いうちに行くべきです、やっぱり。

 そんな私がなぜお台場に行ったか。
 って、そんなたいそうな理由はないんですが、最初は「品川に期間限定で生活している間に友達を呼んで品川ツアーをやろう!」という企画だったんです。
 でも、実際に調べ始めたら、意外に観光スポットというほどのものがないことに気づいたんですね(←調べてから企画しなさい)。たしかにお店はいっぱいあるんだけど、それだけならわざわざみんなを呼びつけるほどのことじゃないし。
 うーん、どうしよう。
 ……と悩んでいたときにガイドブックの「お台場」の文字が目にとまり、「そういや、行ったことないな、お台場」という事実を思い出したのでした。
 べつに品川に住んでいなくたってお台場なんていつでも行ける場所ではあるんですが、かといってこの年になるとわざわざお台場に遊びに行こうというきっかけもなかなか生まれないので、これを機会に一度行ってみるのも悪くないかも……という結論に達し、強引にツアー名を変更した次第。
 香港在住経験のある友人Wは「えー、お台場ー。あんな風景、香港で見飽きた。高層マンションから見る夜景ももうけっこう。緑のあるとこがいいよ」とやや不満げ。
 が、やはり海外生活が長かった友人Tは「私、行ったことない。緑なんてなくていいよ。遠いけど、行く、行く」と乗り気。
 かくしてこの3人でお台場にくりだすことになったわけですが……。

 私はどうも旅行や遠足に行くときには極端な気候に見舞われる星のもとに生まれているようです。
 愛知万博は記録的な暑さと入場者数だったし、東欧に行ったときは5月だったけど真夏でもないくらいの酷暑続き、梅雨のないはずの6月の北海道では冬並の気温と傘が壊れるほどの暴風雨でした。
 今回は「天気は晴れ。気温も暑すぎないほどよい気候」という予報をきいて安堵していたんですが、前日の夕方から強風が吹き荒れ、すごーーーくいやな予感が。
 翌日朝、たしかに天気はよかったし、気温もちょうどよかったけど、強風はまったく衰える気配をみせませんでした。
 「これは……水路で行くのは無理かも」と思ってネットで確認したら、案の定日の出桟橋からお台場へ行く水上バスは欠航に。
 しかたなく、急遽浜松町での集合を新橋に変更し、ゆりかもめでお台場入りすることにしました。

 だいたい私が住んでいる品川のマンション付近は海風とビル風で年中無休の強風状態なんですが、この日の風の強さはちょっと常軌を逸していました。
 お台場海浜公園で下車した私たちは、外に出たとたん思わず千鳥足になったほどです。
 風、というより「風圧がかかる」って感じ。
 風で顔面を圧迫されて息ができない状態なんですよ、もう。
 とにかく建物の中に早く入らないと!ってことでまずは「デックス東京ビーチ」に入り、「香港はもういいってば」というWをひきずって「台場小香港」というショッピングモールへ。
 ここは香港の雰囲気を再現したエリアで、2フロアにわたって中国食材・雑貨・飲食店などが並んでいます。外は修学旅行とおぼしきお子ちゃまがいっぱいいましたが、さすがにこのエリアには来てませんでしたね。
 けっこう楽しめましたよー。お茶とか中国食材は特に充実。腐乳だけでも何種類もあるなど、なかなかの品揃え。お値段も安いです。
 食材屋では「ライチ紅茶」「海老麺」「ピータン」「干海老」を購入。ほしいものは他にもいろいろあったんだけど、重量面で断念。軽いものを選んだつもりでしたが、全部合わせるとけっこうな重さになってしまいました。
 この他、豆菓子専門店というのもありまして、ここでは激しく試食を勧められて「わさび味」だの「ごま味」だの「胡椒味」だのあらゆる味覚の豆菓子を口の中に押し込まれました。
 最初は買うつもりなかったんですけど、おいしかったので結局買っちゃいました。
 「いか豆(落花生)」と「ひよこ豆の甘納豆」。
 ああ、また重くなった。。。

 買い物後、ぶらぶらしていると手相占いコーナーを発見。
 Tが「やろう、やろう」とやたらにプッシュするので見てもらうことに。
 私は自分でも占いはするし、見てもらった経験も多数あるため、こういう観光地っぽい場所の占いコーナーでは「あたりさわりのない良いこと」しか言わない傾向があることを知っていましたが、予想通り「良いこと」ばかり言われ、それにちょっと懐疑的な姿勢を見せたら「それは本当にそう願って行動してないからだ」と説教されました。そんなこと言われても〜。このあとそんな絵に描いたようなバラ色の未来が待ち受けているとはどうしても思えないんだもん。
 まあ占ってくれている相手と争ってもしかたがないので「そうですか。はい。すいません」と謝りましたが、占いならもうちょっと具体的なビジョン(何歳頃に節目があるとか、この臓器に注意とか)を提示してほしかったですね。
 説教された分占い時間は長引き、終わって戻ると言い出しっぺのTは「私は手より足がいい」とフットマッサージに行ってしまってました(笑)。
 私のあとにWも見てもらってましたが、やはり「あたりさわりのない良いこと」しか言われなかったようでした。しかも「未来のこと」を聞いたら「それはあなたの行動次第」と言われたとか。いや、正論だけどすごい開き直りだなー。
 フットマッサージから帰ってきたTは「気持ちよかったー」とご機嫌。「どこか体で悪いところがあるとか言われた?」と聞いたら「うん。どこもかしこも全部悪いって」という答え。
 占い師は「良いこと」しか言わないし、マッサージ師は「悪いこと」しか言わないんですねー。商売の極意を学びました。

 フロア内でお昼(もちろん中華)を食べてから、今度は斜め向かいにあるフジテレビ本社ビルへ移動。
 距離的にはすぐそばなんですが、相変わらず突風がすごくて風圧で顔面が変形しそうになりながら歩いたので、短距離でもかなり消耗しました。
 フジテレビ本社ビルといえば、お台場のシンボルのようなビルで、建物の真ん中に地球が浮いているような形は誰でも知っていますよね。あの地球儀のような部分が展望室になっていて、ここのみが有料(500円)になります。
 ますはながーいチューブエスカレーターにのって7階の空中庭園へ。
 そこから25階までエレベーターに乗っていくと展望室に到着します。
 さすがにここからの眺めは最高。
 レインボーブリッジを中心として、対岸の東京の高層ビル群と東京タワーが屏風絵のようにダーッと広がります。
 ただ、午後になってしまうとやや逆光気味になるので、午前中のほうがきれいに見えるかもしれませんね。
 地球儀の中はスタジオも兼ねていて、私たちが入ったときはセットが組まれてバラエティー番組の収録準備が行われていました。





 フジテレビ本社ビルでは、この展望室をはじめとして、スタンプ台が置いてある場所が5カ所あって、重ねて押していくとだんだん絵ができあがっていき、全部押して完成したものを1階の受付に持っていくと記念品がもらえるという「スタンプラリー」をやっています。
 私もやってみたんですが、1カ所だけスタンプ台が見つからず、結局4色しか揃いませんでした。その1カ所のためにもう一度戻るのも面倒だし、足りない残りの色は青ということはわかっているので、青いペンで塗りつぶしちゃおうかとも思ったんですが(笑)、まあそこまでしてほしい記念品でもないし、期限もないだろうから次に来たときに足りない色を押して完成させよーうっと。ってそれまでこのスタンプ保管しておくつもりか>自分
 かくして中途半端に終わったスタンプラリーの絵。。。。。



 関係ないけど、1階のスタンプ台の前で、局の人なんでしょうか。アンケートに答えてほしいと声をかけられました。
 質問は「豪華ホテルでしてみたいわがままを教えてください」というもの。
 「贅沢」じゃなくて「わがまま」というところが難しい。
 意外に浮かばないんですよ、これが。
 現実のサービスですでにあるような普通のことばっかりしか浮かんでこない。
 いや、今考えたらべつにアイデアを募集してるわけじゃないんだから、普通の希望を言えばよかったんだと思うんですが、私たちはなんかスペシャルなことを言わなきゃいけないような気がしてすごい一生懸命考えてしまいました。
 で、出てきた答えは……。

 T「スウィート貸し切りでパーティを開く」(←おお、まっとうな希望だ)
 W「シャンデリアの上によじのぼって下を見下ろす」(←ファントムか? それ単に迷惑な人だよ)
 私「部屋の中で『流しそうめん』をする」
 インタビュアー「……………ありがとうございました(立ち去る)」
 W「………参考にならなかったみたいだね」
 T「……うん。メモさえとってなかったよね」

 もうちょっと年相応の答えを言えばよかった。
 大人げなかったですね。

 このあとはパレットタウンで大観覧車に乗る予定でしたが、この突風下で乗る勇気はなく、っていうかそこまで歩く気力もなかったので、お茶して時間をつぶし、日が落ちる頃に天王洲アイルに移動し、予約してあった運河沿いのレストランでご飯を食べました。
 せっかく予約したオープンエアのテラス席でしたが、夜になっても風はやまず、ビニールシートに囲まれての微妙なオープンエアでした。
 でもニューヨークあたりのお店みたいで雰囲気はよかったですよ。
 醸造所も兼ねていて、地ビールもおいしかったです。

 以上、初めてのお台場レポートでした。
 なんかほとんど外を歩けなかったので、あまり自分がお台場にいるという実感がないまま終わってしまったんですが。
 ほんとに私、お台場に行ったんですかねぇ。
 だまされてないか?

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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