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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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不倫と女は文化を産む機械だ

 ふわ〜。
 こんなブログ書いてる場合じゃないんだけど、片づけ以外のことも少しはやらないと廃人になりそうなのでちょっと逃避。
 この1週間というもの、家族全員、朝から晩まで片づけ片づけ片づけ片づけ片づけオンリーの日々なんですが、本当にびっくりするほどわけのわからないモノがあとからあとから魔法のようにわき出てきます。おそるべし>築36年の底力
 来る日も来る日も怒濤のように捨てまくってるのに見た目は汚くなる一方。段ボールや一時的に置いた荷物で家中がどんどん埋まっていき、通行も困難に。もうほとんど「けものみち」状態です。
 引っ越し作業を効率化するため、「仮住まい先の荷物」には赤いガムテを、「保管先の荷物」については「戻ってきたときに1階に運ぶ荷物」には白いガムテを、「戻ってきたときに2階に運ぶ荷物」には青いガムテを貼るようにしているのですが、もう自分たち自身が赤い服を着て「仮住まい先へ運ぶ荷物」になってしまいたい気分です。。。

 しかしおかしなもので、家を建て替えるとなったら、急にあちこちの設備が具合悪くなってきたんですよね。今までちゃんと動いていたものがあっちもこっちも動かなくなったりして。
 定年が決まったとたん、急に老け込むお父さんのように、家も「お役御免」とわかったら働く気をなくしたんでしょうか。家全体が玉手箱を開けた浦島太郎のような状態になってます。

 今日はリサイクル屋さんに来てもらい、お蔵入りとなっていた贈答品の食器類やらなにやらを査定してもらいましたが、結果から言うと、ひきとってもらったTVとパソコンの引取料金と買い取ってくれたものの料金で差し引きゼロでした。
 食器類は、どれも買えばかなりお値打ちなブランドものだし、ほとんど未使用なんですが、それでも一つひとつに値が付くわけではなく、一山いくらというどんぶり勘定。もったいないといえばもったいないけど、ほしい人に分けてる余裕はないしなあ。
 とにかく、こうなると、家を占領しているモノが少しでも減る(持っていってくれる)だけでもありがたいという感じ。
 ちなみにレコードは「今レコード聴く人はいないので」の一言ですべてゴミとなりました。
 噂には聞いていたけど、リサイクルに買い取ってもらうのはホントに難しいです……。

 ところで。話変わってただいま大炎上中の柳沢大臣についてですが。
 東山さんのHPに「柳沢大臣の“女は産む機械”発言」についてのコメントが載っていましたが、私も同じように感じておりました。
 そりゃあ「“女は産む機械”なんて言う大臣は最低!」という野党議員の発言部分から聞けば誰だって「そりゃあひどい」と思いますよ。私も最初はそう思いました。
 でもソースをたどっていくと、柳沢大臣はそんなこと言ってないんですよ。「少子化の構造をわかりやすい比喩で説明しよう」と思って「たとえはあんまりよくないけど、仮に子供という国の財産を産み出す機械を女性だとしましょう」みたいな感じで言ったら、そこから「女性は子供を産む機械だ」という部分だけが一人歩きしちゃっただけなんですね。
 たしかにもとの発言もいかがなものかとは思いますけど、こういう切り取り方をされるとさらにべつのニュアンスが加わりますよね。「子供を産む機械を女性と仮定しましょう」と「女性は子供を産む機械だ」。順番をひっくりかえしただけですが、もとの発言は単に「不用意な発言」「浅はかな発言」といった感じなのに対し、後者は断定されていることもあってさらに悪意がある「蔑視」のニュアンスが匂います。
 「女は子供を産む機械だ」は一見柳沢大臣の発言内容を要約をしているようですが、じつは要約していない。要約というからには意図はそのままにして言葉だけを簡略化しなくてはならないのに、今回のは明らかに意図をまげるような省略のしかたをしている。要約は便利だけど要約する人の意図や悪意でいかようにも印象を変えられるから、要約だけに釣られるのは非常に危険だとあらためて思いました。
 なんかこれ見てちょっと前の石田純一の「不倫は文化だ」発言を思い出しちゃいましたよ。あれもまさにトリミング効果。有名人は大変だ。

 こうなってしまうと、もう柳沢大臣は何を言っても悪いふうにしか受け取られませんね。「子供を2人以上持ちたいと望む健全な考えの若い夫婦がたくさんいるのに」と言えば、「じゃあ2人以上持ちたいと思わない夫婦は不健全だっていうのか」とつっこまれちゃうし(笑)。
 ここまでいくと屁理屈でしょう。そんなこと誰も言ってないじゃん。「AはBである」と言うたびに「AじゃないとBじゃないのか」と真正面から突っ込んでたら誰も何も言えなくなっちゃいますよ。「AはBである」と言うときには、「AじゃないけどBである」とか「Aだけど必ずしもBじゃない」という幅も折り込み済みということは大人なら誰でも理解したうえでコミュニケーションしているはず。額面通りに受け取るのは子供と悪意を持つ相手だけですよ。
 「子供を2人以上持ちたいと望む云々」という発言は、単に話を「子供をもっとほしいと望む人」に限定し、「子供を2人以上望むことは贅沢でも無理でもなんでもない。ごく普通にほしいと思う夫婦が子供を何人でも産める社会にしていきたい」という意味で言ったのであり、それ以上の意味はないでしょう。少なくとも今回は「子供を持ちたくない人」や「持ちたくても(社会的システムに関係なく)持てない人」については何も触れてないんだから、怒る必要もないんじゃないの?
 だって「少子化対策大臣」なんだから「産みたいけど(社会的システムによって)産めない人」のことをまずどうにかしようと思うのは当然だし、それこそ「健全」なんじゃないですか?
 「産みたくない人」に出産を強制したり、「産めない人」を差別したりということになったらかみつかれてもしかたがないと思うけど。

 つまり、野党はスケープゴートがほしいだけなんですよ。
 「いじめられてもしかたがないという理由のある人」が手に入れば、あとは世論の感情に訴えて「皆さん、信じられます? こんなこと言う人が大臣なんですよ。こんな人に仕事させてるのが安倍内閣なんですよ」と騒ぎまくり、攻めまくり、空気をアンチ与党に変えていきたいという…。柳沢大臣が言ってることなんてもはやどうでもいいんですよ。
 子供の頃にもあったんですよね。いかにもいじめられやすいオーラを発している子供をいじめるときって、人は生き生きしてくるものなんですよ。ただいじめてるんじゃなくて、自分には正義があるという錦の御旗をもったときのいじめっ子はもう手がつけられません。
 罪悪感を持ちつつ、影でこっそりいじめてる子供よりある意味もっとたちが悪いかも。
 これが巨大化すると文化大革命になっちゃうのかもしれませんね。

 個人的な印象ですが、柳沢大臣は「差別主義者」というほど強い信念を持っているわけじゃないと思います。ただ何も考えていなかったためにスケープゴートに選ばれる隙を与えてしまった普通の人という気がします。
 でもなーんかもうひとつ釈然としないんだよね。絵に描いたように墓穴掘り続けてるんだもん。野党の思うツボっていうか…。
 はっ。そうか。もしかすると柳沢炎上議員は、安倍内閣をつぶすために放たれた野党の刺客?!
 なーんだ。それならそうと早く言ってよ。心配して損した(←心配……?)。

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幻の庭石バブル

 今までの人生の中で「かかわりがなくてホントに助かったわ〜」と思うものの一つに「引っ越し」があります。
 正確に言うと子供の頃に今の家(一戸建て)に越しているので1回はしているのですが、子供だったし、すぐ近所からの引っ越しだったし、小さいところから大きなところへの引っ越しだったので、引っ越しというほど大仰なものではありませんでした。
 以来36年間、「結婚だ」「転勤だ」「独立だ」「新築だ」と引っ越しを繰り返す周囲の人々の激動の人生を他人事のように眺め(他人事だけど)、「あー、私は動かないで済んで幸せ。これも前世の功徳かしら」などと罰当たりな感慨にふけりながらのほほんと生きてきたのです。
 ところが……。
 おごれる者は久しからず。ついに私にも「引っ越しデビュー」のツケがまわってきたのです。それも特大のツケが。

 すでにご存じの方も多いかと思いますが、諸々の事情を鑑みた結果、このたび「家を建て替える」ことが決定し、それに伴い、今月末に仮住まい住居に移ることになったのです。
 「36年間住み慣れた家を壊すなんて、寂しいでしょうね」と言う人もいるのですが、正直なところまだそんな実感は全然ありません。今はただ「ほんとに間に合うのか?!」という切迫した恐怖だけが家族全体を覆っています。
 2月に引っ越しをすることは去年の秋くらいから決まっていました。その時点から周囲の人たちから「まじで今から片づけ始めたほうがいいよ」と警告を受けていたのですが、「大変なことになる」と口では言いながらもまだ自分が引っ越すという事実を現実のものとして受け止められず、流し流して年を越してしまいました。
 本気でやばいと思ったのは今月に入ってから(おそっ)ですが、ただ引っ越せばいいだけではなく、同時進行で新しく建つ家についての大小さまざまな決め事(これがとてつもなく多いうえに難題山積み!)を決めなければならないという足かせがあり、まずこれにかなりのエネルギーを奪われます。
 さらに仮住まい先は今より半分の大きさになるため、入りきらない荷物はコンテナで保管することになるので、家の中の荷物を「仮住まいに持っていくもの」「コンテナで保管するもの」「処分するもの」の3種類に分けなければならず、梱包作業も業者にお任せにはできないというつらさもあります。

 「捨てること=物を整理すること」は、私にとってワースト3に入る苦手分野ですが、そんなことを言っている場合ではありません。
 怒濤のように捨ててます。捨てまくってます。
 なのに……どうして荷物が増えるんだよ!!
 そう。捨てれば捨てるほど物が増えるというこの「引っ越し七不思議」。
 夜中、寝ているときに妖精かなにかがこっそり家の中に入ってきて荷物を継ぎ足してるんじゃないかと思うくらい不思議な現象です。
 こんなに一生懸命片づけているのに、やればやるほど家の中が荒廃していくという現実は、確実に人間の精神をむしばみます。
 たとえば、むやみに段ボールに詰め込むと置き場所に困るため、本やらパンフやらCDやら、しかたなく一時的に玄関とかリビングとか、公共のスペースに積んでおいたりしますよね。「ちょっとの間だけ」とか思って。
 ところがあれやこれやに追われまくるし、さらに片づけが進むにつれてフリースペースは減っていくしで、「ちょっとの間」が1日、また1日と堆積時間が増えていくんですが、これがねえ、自分の荷物の場合は「しょうがない」と思えるんですけど、他人の荷物だと腹たってくるわけですよ(笑)。所有主にとっては大切なものでも、それ以外の人にとっては「邪魔なもの」「捨ててもいいもの」「価値のないもの」だったりするので。
 普段は直接害が及ぶわけではないので平和に共存していられるのですが、精神的に追いつめられてくるとすべてにおいて余裕がなくなり、他人の持ち物に対しては極度に非寛容になります。「こいつが……こいつがなくなればすっきりするのに」「これは重要なものなんだよ。そっちのそれこそ目障り」「なにを言う。そっちこそ捨てろ」というやりとりが実際にかわされるわけではありませんが、通路をふさがれて荷物につまずいたりする瞬間のうらみがましい視線の中にそれに近いニュアンスが走ったりします(被害妄想?)。
 まだまだ片づけが本格化するのはこれから。今後どんどん精神がすさんでいくのかと思うと自分がこわいです。

 ところで、ここまで捨て続けていると、「少しはキャッシュバックにならないのだろうか」と思ってしまうのが人情。
 だって大きいものは捨てるのにもお金がかかるご時世ですからね。同じ処分するのなら売れたほうが張り合いがあるというもの。今はリサイクルブームだし。
 とはいうものの、フリーマーケットに出すとか、オークションに出すとか、ガレージセールをやるなんて余裕はもちろんなく(HP上でガレージセールをやろうと思ったこともあったけどあきらめました)、まずはてっとりばやくブックオフに本を売ることから始めましたが、これは数で稼がなくてはならないため、労力も大きい。宝塚関係の雑誌やプログラムはわざわざべつにして宝塚アンというヅカファン専用のグッズリサイクルの店に送ったのに、送料をとられたため赤字になっちゃうし…。
 こんな薄利多売じゃなくて、もっと一攫千金を狙えるものはないのか?!
 「ねえよ」という突っ込みはなしね。そりゃあゴミ売ってそんなもの狙えたら誰でも億万長者だよというのは自分でもわかってるんですが、なにぶん精神がすさんでいるので思考も邪になっていくわけですよ。

 そんなとき、ふと目にとまったのが「庭石」です。
 今まで気にもとめなかったけど、あらためて見れば随分大きいし、立派そうじゃないか。こんな庭石、新しく手に入れようと思ってもなかなか大変だよね。
 これは……もしかしたらいい値がつくかも……。
 さながら鷹狩りに行ったお殿様が領地内に思わぬ上玉の村娘を見つけたときのように私の目が光りました。
 さっそく「庭石 買い取り」で検索をかけ、ヒットした造園業者に連絡を入れました。
 「とにかく写真を送ってください」と言われ、「そんなことよりさっさと部屋の片づけを」という家族の声を無視し、庭石を激写。添付ファイルで送ってワクワクしながら返事を待つことしばし。
 返ってきた返事は……。

 「申し訳ありませんが、買い取れません」

 ……………。
 なんだそりゃあ〜〜!!!
 買い取れないって……買い取れないって……ただでもいらんってことか?
 うちの子のどこが気に入らないってんだよ、オラ。手塩にかけて育ててきたのに(いつ?)。
 ふん。もういいよ。あんたには頼まないから。
 と逆ギレし、次の造園業者に連絡。
 その返事は……。

 「買い取り1万5000円。出張引取料金16万円」
 
 ??????
 それって……それって……14万5000円払えばひきとってやらないでもないってことか?
 むき〜〜!!
 うちの子のどこが(以下同文)

 結局、その他もろもろの方面にも話を聞いて情報を集めた結果、「じつは庭石ほど処分が難しいものはない」という事実がわかったのでした。
 要するに庭石は重くて運ぶのにとてつもなく手間がかかる。
 「遠慮しないでそのへんにあるもの好きだけ持ってって」と言われて「わーい。ありがとう。じゃあこれとこれもらってくね」と簡単にいくものではない。
 引き取って、それを欲しい人がいたらまたその人のところまで運ぶ。その2回の手間賃を考えたら誰も手を出したがらないのは当たり前です。
 そんな手間をかけるくらいなら新しい石を買ったほうがずっと安いし簡単。というわけ。
 金の卵どころか、家一番の厄介ものということがわかり、私の庭石を見る目は一気に冷たくなりました。
 もう「こんなところにこんなもん置いたの誰だよ」っていうくらい冷たいですよ(笑)。
 柿右衛門@弟に言ったら「うーん。仏足石でも彫ってもらって拝観料とるとか…」。
 ………ありがとう。発想だけでも楽しませてもらったよ。

 あきらめて地道に部屋の掃除を再開した私ですが、ふと見ると柿右衛門の部屋跡から岡田友希子のレコードが!
 ………もしかして、これってお宝?!
 私の目に再び邪な光が宿ったのは言うまでもありません(笑)。

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「妄想アミーゴ」

 こちらのコメント欄にもしばしば登場するレミゼ貧乏さんのブログで「青春アミーゴ」についてとりあげられていました。
 そう。2005年の最大のヒット曲にして、人気ドラマ「野ブタをプロデュース。」の主題歌だったあの「青春アミーゴ」です(亀梨と山Pがドラマの登場人物の名前でユニットを組んで歌った)。
 その「青春アミーゴ」の歌詞、というかそこに描かれているシチュエーションの一部がレミゼ貧乏さんのお気に召さなかったらしく、「レミゼ貧乏版・青春アミーゴ」を作ってみました…というのがブログの内容です。
 詳細はレミゼ貧乏さんのブログをご覧ください。

 じつは私も「青春アミーゴ」は気になっていた曲でした。
 なんというか、歌詞に書かれた世界が日常なのか非日常なのか判然としないのが気持ち悪い、いや、いい意味でですよ。まあ、ひらたく言うとキャッチーだったんですね。
 だって「シー」とか「アミーゴ」とかイタリア語連発してるわりには、伝わってくる雰囲気は「コンビニにたむろしてる高校生同士の小競り合い」みたいなしょぼい感じだし。いったいどんなシチュエーションなんだよって思いませんでしたか?皆さん。
 「例のやつら」って誰よ。マフィア?
 「地元じゃ負け知らず」の地元ってどこ? シチリア島?
 …などなどつっこみどころが満載(笑)。
 
 という話はさておき。
 レミゼ貧乏さんが気に入らなかったのは「助けてくれ。例のやつらに追われてるんだ」という部分。
 レミゼ貧乏さんが好きな「男同士の熱い友情」の美学からいくと、このようなシチュエーションの場合、「助けてくれ」と道連れを望むのではなく、逆に「外に出るな」と相手を遠ざけるはずだというのです。自分はもうダメだけどせめておまえは逃げのびろと。でも、電話をうけたほうはかけてきたほうの危機を察して飛び出していく。しかし時すでに遅く、相棒は死にかけている。来てくれたことを喜びながらもそれを素直に表に出せず、憎まれ口をきいてしまう相棒。その気持ちは痛いほどわかるのに、やっぱり憎まれ口で答えてしまうもう一人。そんな感じにしてほしいのだと。

 「なるほどー」と思いましたね。
 たしかに言われてみれば「助けて」はないよなと私も思います。
 「私ならこうする!」という「レミゼ貧乏版・青春アミーゴ」も興味深く読みました。
 私は講座でレミゼ貧乏さんの作品を何本か拝読しているので、彼女の好みはよく知っています。なので「レミゼ貧乏さんらしさ」にニンマリといたしました。
 ただ、「おまえ、絶対家出るなよ」「絶対こっち来るなよ」と連発するのはかえって「これは来てくれってことだよ」という作者の意図を強調することになると思うので、もし私だったらそのセリフは入れないかなーと思います。
 じゃあどうするのか?
 ここから私の妄想にもスイッチが入りました。

 もし自分がやられてるところに相棒が来たのを見るという状況だったら「こっちに来るな」「あいつは関係ない」とか叫ぶかもしれないけど、これは「その場にはいない相棒」に電話をかけるという状況なんですよね。
 となるとどうなんだろう。
 うーん。私なら「追われてる状態(=これからやられるところ)」ではなく、「すでにやられて死にかけた状態」で電話させるかな。
 そういう状況で相棒に電話するとしたら、そのときはもはや「こっちに来るな」といった相手の立場に立つような冷静なことは言わないかもしれないですね。
 ほんとに「ああ、自分はもうこのまま死んでいくんだな」と思うところまできたら、もっと純粋に「相棒の声が聞きたい」「相棒の腕の中で死にたい」というある意味「自分の中の欲求」に忠実になるんじゃないでしょうか。

 たとえば、B(死んでいく方)は、その日A(助けにいく方)と会う約束をしていた。
 Aの何かの晴れ舞台(結婚式とか)を祝いにいくとかでもいい。
 その途中で「例のやつら」にやられてしまう。
 それでもBは血みどろになりながらも花束をもって教会へかけつけようとする。
 でも教会の外で力つきる(このへん「白夜行」のトップシーンの影響受けてるかも)。
 ガーデンパーティーで幸せそうにしているAを離れたところから見てホッとするB。
 そして携帯に電話を入れる。

 A「(電話に出て)なんだよ。おまえ、今どこだよ。もうすぐ披露宴終わっちゃうよ」
 B「悪い……今日……行けなくなっちゃったよ」
 A「行けないって……おまえ、どっからかけてんだよ」
 B「電車が……ジコっちまってよ」
 A「電車?」
 B「ああ……一面……血の海……」

   と、身体から流れる大量の血を眺めるB。

 A「(Bの様子が変だと思い)おい…どこだよ。おまえ、どこにいるんだよ」
 B「血がさぁ……」
 A「え?」
 B「血って…あったかいのな……(薄く笑う)」
 A「(やられたのかという不吉な予感)B……おまえ……」
 B「(唐突に)●●は××だっておまえ言ってただろ」
 A「(戸惑って)……?」
 B「あんとき俺、そんなはずない、●●なら★★だろって言い張ったけどさぁ……考えてみたら××も悪くないかもしれないよなぁ…。うん。おまえらしくていいよ」

   いつもは絶対に妥協しないBが素直なことに
   言いようのない不安を募らせるA。


 A「なに言ってんだよ。『だからおまえはダメなんだよ。そういう甘さが相手をつけいらせるんだ』ってしょっちゅうえらそうに説教してたくせに」

   と、しゃべりながら、夢中でBの姿を探しまわるA。
   そして携帯をもったまま死にかけているBを発見。
   Bに駆け寄るA。


 B「なんだ……みつかっちゃったか……へへ…かっこわりぃ、俺」
 A「どうしたんだよ、この傷。あいつらか?…あいつらなのか?」
 B「(花を渡し)おめでとう……A。遅刻して悪かったな」
 A「なんだよ。おまえ、今までしょっちゅう遅刻して、謝ったことなんて1回もなかったじゃねえか。こんなときに謝ってんじゃねーよ」
 B「はは……そうか。そうだな」
 A「だいたいおまえ、あんな弱気なこと言うな。あんなこと言われたら……俺が変だと思って探し回ることくらいわかんねえのかよ。こんな…こんなのおまえらしくないよ。かっこよく一人でくたばれねえのかよ」
 B「そうだな……意外にかっこわるかったみたいだ…俺」
 A「B……」
 B「おまえに探してもらいたかった……かも」
 A「……(涙でぐっとつまる)」
 B「でもさ…」
 A「?」
 B「(耳元で)やっぱり●●は★★だろ」

   ここで幸せそうな顔で絶命するA。

 レミゼ貧乏さんが「くさいのが好き」とおっしゃっていたので、私も気持ちくさめにまとめてみました。
 私の好みは、「相手のために」という男気と、「やっぱり甘えたい」という弱さがいい感じにブレンドされた状態ですね。
 ポイントとしては、「昔の対立」とか、「今まで素直に認められなかった相手のこと」をネタに使うってことかな。そのネタがこの場に関係ないものであればあるほど2人の世界が立体的にたちあがってくるような気がします。
 ●●★★××は適宜工夫して皆さんの好きな言葉で埋めてください(←おまえは歌丸師匠か?)。

 こんなとこでいかがでしょう>レミゼ貧乏さん
 皆さんの「妄想アミーゴ」はどんなパターンかな。

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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