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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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満点出さなきゃ……祟るぞよ!

 引っ越し話題が続いていましたが、ここらでひとつ違う話題を。
 今、世界フィギュアと世界水泳が連日放送されていて、夜の外出ができません(泣)。スポーツを録画で観るくらいつまんないものはないですからね。
 で、昨日は「フィギュア男子フリー」と「シンクロソロ決勝」といういずれも大一番だったわけですが、両方とも鳥肌ものの熱戦で大興奮でした。

 フィギュア男子は、「一人でべつの場所でなんかやってる」というくらいかけ離れた存在になってしまっていたプルシェンコがいなくなって以来、混戦状態が続いています(しつこいようですが、個人的にプルシェンコのスケートは好きになれないので、今のフィギュアのほうがおもしろいです)。
 メダル候補の選手たちを見ていると、そのタイプは大きく2つに分かれるようです。
 ひとつは「とにかくジャンプが得意!」という選手。ジュベール(フランス)やライサチェク(アメリカ)、ヴェルネル(チェコ)など。
 もうひとつは「ジャンプ以外に得意技があり、スケーティングじたいがうまくて表現力がある」という選手。ランビエール(スイス)や高橋、バトル(カナダ)、ウィアー(アメリカ)あたりがこのタイプ。もっともウィアーはちょっと線が細すぎで、いかにも筋肉量が足りない感じで、後半バテバテになるのが厳しいですが。

 どちらのタイプが好きかは好みですが、私はやっぱりひとつのプログラムを見せきる説得力という点で、ジャンプとそれ以外の部分がくっきり分かれてみえちゃうみたいな選手は好きじゃないんですよね。
 迫力あるパワー系のジャンプはそれだけで気持ちいいという気持ちもわからなくはないんですが、あまりにもそこで盛り上がりすぎると、それ以外の部分は「次のジャンプまでの休憩時間」みたいに見えちゃって、それもなんだかなーと。
 いえ、選手は休憩なんて思ってないだろうし、それなりに一生懸命演技してるんだとは思うんですよ。でも観るほうは明らかにジャンプ以外の時間は緊張が解けてしまってるわけだし、それは一言でいえば「バランスが悪い」ということなのではないかと。
 その点、後者の選手は、たとえジャンプの数が少な目だったとしてもそれが気にならないくらい、トータルでひきつける力がありますよね。一瞬たりとも目が離せないというか。ジャンプも「あ、気がついたら跳んでたね」みたいな。
 もちろん、「高い技術をミスなく正確に見せる」ことは大前提なんですが、やはり人間相手の採点競技である以上、「とりあえず観ている人間をひっぱりこみ、支配する力量」がないと接近した技術のライバルに差をつけることはできないんじゃないかと思います。

 結果的には、SPで4−3のコンビネーションを入れて頭ひとつ飛び出たジュベール(関係ないけど、ジュベールって『ER』のカーター先生に似てるよね)がフリーでもそのまま逃げ切って金メダルをとりましたが、フリーだけの演技を見る限りではジュベールは「攻め」のSPとはうってかわって「守り」の演技になってしまっていました。
 対照的に、SPで6位と出遅れたランビエールは、フリーでは「勝負をかける」という言葉がまさにぴったりの気迫の演技で3位まで浮上。実際、ランビエールの演技には細かいミスも多かったのですが、「ミスがなんぼのもんじゃ。ワシには攻めて攻めて攻めまくるしかないんじゃ〜〜!!」といった圧倒的な執念の力がそれをうわまわったという感じで、観客の反応も明らかにそれが伝わったことがわかるボルテージでした。
 まあ、こんなすさまじい鬼気迫る演技を見せられて次に滑れと言われたら、さすがのジュベールも守りに入らざるを得ないだろうとは思いますが。
 スポーツは勝たなきゃ意味がないわけだから、無難にまとめようが、物足りなかろうが、勝てばいいんです。だからジュベールの判断は正しい。
 でも、滑り終わったあとの表情は、勝ったジュベールのほうがすっきりしないもので、負けたランビエールのほうがつきものが落ちたように晴れ晴れとしていたのが印象的。キャラとしてジュベールのほうが強気でランビエールのほうが繊細なイメージがあっただけによけいに興味深かったです。
 勝敗がすべてであってすべてでない。そこがスポーツのおもしろさなのかもしれません。

 結局、フリーの順位だけで比べると、ジュベールは3位、ランビエールは2位でしたが、そのランビエールを上回る1位の演技を見せたのが高橋大輔(総合では銀でしたが)。
 これまたランビエールにひけをとらない攻めの演技で、SPがおとなしめだっただけにとても堪能しました。
 トリノのときは正直まだ弱々しい雰囲気でしたが、あれが洗礼になったのか、1年で一皮も二皮もむけた高橋。
 一昔前までは、日本選手の応援というと「ハラハラしながら見守る」という感じでしたが、今の高橋にそんな応援は失礼というもの。「身内の応援」という感覚も忘れてただ純粋に見入ってしまいました。
 終わったあとに素に戻った泣き顔を見ると「若いなー」と思いますが、ほんとに大きくなりましたよね。
 それにしても、男子のほうがよく泣くよね。女子は優勝したってなかなかわんわん泣いたりする人はいないと思うのですが。

 さて、お次はそのあとに見たシンクロの話です。
 ソロ決勝には12人が出場しましたが、一番の話題は新旧の女王対決。
 シンクロ界にはデデュー(フランス)というカリスマ的な存在がいて、彼女は2003年、2005年と世界水泳の二連覇をなしとげています。
 その後、引退を表明したことで、次の女王はイシェンコ(ロシア)が最有力と言われていました。
 芸術性のデデューに対し、イシェンコは高度な技術力が売り。
 ところが、イシェンコのシンクロが自分の美学と合わなかったのか、デデューは「本当のシンクロはこんなものじゃないわ。私が見せてあげる」とばかりに復帰を宣言。
 1年のブランクを経て今回の大会に出場することが決まったのです。
 イシェンコにしてみれば「なによ、おばさん。あんたはもう過去の人なんだからひっこんでてよ」と言いたいところでしょう。

 復帰といってもそんな簡単なものではなく、筋力がものを言うシンクロは、ブランクが1ヶ月増えるごとに、元の状態に戻すまでの時間が倍倍で増えていくと言われるくらい過酷な競技です。いくらカリスマとはいえ生身の人間。1年のブランクで最前線に復帰するのはいくらなんでも不可能だと言われていました。
 しかも「復帰するからには前と同じでは意味がない。前よりも進化した状態に」というのがデデューのポリシー。さらにレベルの高い目標設定をしているのです。
 引退にしても「一番いい状態でやめたい」という冷徹なアスリートの目で判断したうえでやめたはず。それをくつがえすには想像を絶するエネルギーが必要だったでしょう。

 多くの懸念と期待が交錯するなか、デデューは登場しました。 
 プログラムは「マリア・カラスの生涯」。ドラマチックな演技が売りのデデューらしいチョイスです。
 その結果は………。

 すごいです。まじで鳥肌たちました。

 なにこれ………他の選手と全然違う。全然べつの生き物だよ。
 以前のデデューは「美貌とカリスマと演技力と表現力」ばかりが取りざたされ、正直なところ「技術面」ではそれらに比べるとややムラがあるという評価がされていましたが、今回は「技術面」での底上げが徹底的になされていて、「表現力」はさらに深みを増しているというもはや向かうところ敵なし状態。
 実際、その前にデデューチルドレンみたいなアメリカの選手が明らかにデデューの真似と思われる演技をしていたりもしたんですが、今となっては失笑ものです。
 次に演技したイシェンコもパーフェクトな演技でしたが、それでも「表現力」はもちろん、「技術点」でもデデューに及びませんでした。
 もはや「芸術性のデデュー、技術もデデュー」という感じで、つけいる隙がないというのはまさにこういうことをいうのかという感じ。
 
 デデューを見ていて、「なにかに似ている」と思ったのですが思い出しました。
 バレエをご覧になる皆さんにはおなじみかと思いますが、あの ヴィヴィアナ・デュランテ です(2005.5.28の「バレエ界の大竹しのぶを発見!」記事参照)。
 彼女もそうなんですが、なんかこう……神がかってるんですよ。
 他の選手やダンサーは「こういう内容を表現している」というふうにしか見えないんですが、ヴィヴィアナにしろデデューにしろ、そういうのを越えて「なにかがとりついて彼女をこうさせている」というシャーマン(巫女)的な印象があるんですよね。神様と交信しちゃってるみたいな。
 こうなると、彼女の復帰も「シンクロの神様に呼ばれた」ってことになるのかもしれないですね。
 「妖精のようでもあり、物の怪のようでもあり」という容姿もヴィヴィアナとデデューは共通しています。
 ヴィヴィアナの背筋もすごかったけど、デデューの筋肉のつきかたもすごかった。
 シンクロの選手って筋骨隆々でどうしてもずっしりと重量感のある体型になりがちなんだけど(特に西洋人)、デデューの筋肉は彼女独自の付き方をしてるんですよ。あんな筋肉してる選手ほかにはない。どういうって説明が難しいんですが、重量感を感じさせない筋肉なの。無駄なく筋っぽいというか。あれも不思議でしたね。

 それにしても、採点のときのデデューの表情はこわかったなー。
 あの目が……目が……「10点出さないと末代まで祟るわよ〜。ほら早く。出しなさい。出しなさいってば」みたいな感じで得点ボードをカッとにらみつけていて、その菅原道真ばりの念力にやられたかのように次々に10点を出す審判の気持ちがよくわかる(笑)。9.9出してもとり殺さそうな雰囲気だったもんなあ。
 優勝が決まったあと、一目さんに観客席に向かって走っていき、クマテツならぬクマのようなごつい風体の恋人(元野球選手らしい)に泣きながら抱きつき、いつまでも熱い抱擁をかわしていたデデューですが、前の菅原道真目線を見てしまったあとだけに、このシーンは感動シーンというよりは「ああ。こんなんに抱きつかれたら魂吸い取られちゃうよぉ」という恐怖の念しかわいてきませんでした。

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走る引越屋さん

 ようやく「引越当日」までたどりつきました。
 さっそくレポートへGO!

 引越当日の天候は雨。
 前日よりは気温も低めだった。
 ここんとずーーーっとお天気に恵まれていたが、よりによって当日だけが雨とは。。。
 しかしまあ、考えようによっちゃ、大量のホコリが発生する引越当日に、空気が乾燥していないのは良いことかもしれない。

 ホテルで朝ご飯を食べてから、車で家に向かう。
 8時半頃に到着したが、アリさんの車はすでに家の前に横付けされていた。
 作業着を身につけたお兄ちゃんたちはすでにバリバリのハイテンションでスタンバッている。
 その中には……おお、なつかしのKさんの姿もあるではないか!(2007.3.3の「アリさんのヒミツ」記事参照)

 「おはようございます!

 帽子をとって元気よく挨拶してくるKさん。
 ところが、うちに見積もりにきたときのKさんとはかなり雰囲気が変わっていた(作業着だし、髪型は坊主になってるし)ため、母はKさんだとわからず「誰だ、あんた」的態度をとったものだからKさんがっくり。
 「僕ですよー。僕、僕
 アピールされてようやくKさんだと気づいた母。
 「あらやだー。Kさん? 全然わかんなかったわ。前見たときより若返っちゃってるんですもの」
 ……今頃お世辞言ってもおせーよ。
 あわれKさん。「Kさんに来てもらいたいわ〜ん」と言われて張り切って来たのにこの仕打ち。

 引越メンバーは全部で5名。
 イメージとしては「ベテランの司令塔」が一人いて、あとは顎で使われるバイトくん……という感じを想像していたのだが、今回来た5名はあまり上下格差がなくて、全員が慣れてるプロ集団という感じだった。
 まずはコンテナ行きの段ボールの積み込みからスタート。
 は……はやい……。
 威勢の良いかけ声とともに、みるみるうちに段ボールが減っていく。
 うちは作りつけの家具が多く、数少ない可動式(?)の家具もほとんど仮住まいに持っていくので、コンテナに預けるのは段ボール箱が中心となる。
 そのせいか、積み込みはとんとん拍子に進み、9時スタートで10時半には終了。
 終わったところで、引越トラックはコンテナのある多摩に向けて出発。

 多摩まで行ってコンテナに積み込んで、また杉並まで戻ってくるわけだが、けっこう時間かかるとふんでのんびりしてたらあっという間に電話がかかってきて「終わりました。1時すぎには戻れると思います!」と言われてびっくり。
 あわててお昼を食べに外へダッシュ(両親は念のため居残り)。
 1時前に戻ったが、すでに作業を開始していたアリさんメンバー。
 は……はやいよ……。
 あんたらワープしてんのか?!

 お次はいよいよ仮住まい先へ運ぶ荷物の積み込み。
 荷物の量としてはコンテナに運んだもののほうが多いが、今度はパソコンとか家電とか特別梱包が必要なものや、ダイニングテーブルやベッド・机など大きな家具が多いので、そう簡単には進まないはず。
 と思ったら、3時には終了。
 はぇ〜〜〜。
 なんかね、走るんですよ。
 さすがに運びながらは走らないけど、トラックに積み込んでからまた荷物をとりに2階に行くときとか、「うぉりゃぁあ〜〜〜〜!!」って感じで全員が怒濤のように走り抜く。
 まるで1分間にいくつ運べるかをチームで競っているような感じで、見ているだけで目がまわりそう。
 母も驚いて「なにも走らんでも…」という表情になってましたが、Kさんは「“走る引越屋”はウチだけなんです!」と得意そう。
 母の「のろいから?」発言を根に持ってあてつけているんだろうか。。。。
 早いだけじゃなく、力ももちろんすごくて、こっちが両手で持ち上げてもビクともしないような荷物を片手でひょいひょい運んでしまう。
 見てるとどの荷物も家具もすごく軽そうに見えてしまうが、それはおおいなる錯覚。

 荷物が残らず運び出されたあと、まずはアリさんの車が品川に向けて出発。
 次に私と母が、37年間お世話になった家にお別れの挨拶をしてからタクシーに乗り込む。
 最後に午後から手伝いにきた柿右衛門@弟と父がべつのタクシーで出発。
 この日は高速がかなり渋滞していて、私が乗ったタクシーは高速を使わず一般道を使ったが、一足早く高速に乗ってしまったアリさんは渋滞に巻き込まれたようで、結局品川のマンションには全員ほぼ同時に到着することになった。

 マンションに入れる家具のレイアウトについては、何回か部屋を下見してこまこまとあらゆる距離をメジャーで測り、どの家具をどう置くかを完璧にシミュレーションして配置図も作ってきたので、我ながら惚れ惚れするほどすべての家具がぴったりと収まった。
 すべての家具が運びこまれ、段ボールが積み上げられたところで無事引越終了。
 アリさんが引き上げたのは5時半頃だった。
 ちょうど階下がレストランなので、夕食はそこでとり、その日はとにかくベッドやトイレ・バスルーム・洗面所など、最低限必要な場所だけ整えて寝る。

 翌日はNTT「Bフレッツ」の工事の人が来て電話が開通するが、ネットの接続ができずに悪戦苦闘(2007.2.26の「ウォーターフロントからこんばんは」記事参照)。
 さすがにこの日はまだ自炊する余裕はなかったが、荷ほどきはかなり進んだ。
 本当は「必要なものだけとりだして、当分はゆっくり休もう。しばらくは段ボールに囲まれた生活でもしょうがない」とか言ってたんですが、なんか引っ越し前からの片づけ癖が定着してしまったようで、身体が片づけモードから抜けないの。片づけがとまらない。気がつくと身体が動いてて、段ボールを空にしていくのが快感になっている(笑)。
 でも実際のところ、ゴチャゴチャしてるものを整理するのはすごく疲れるけど、何もないところに1からモノを収納していくのは楽しい。
 しかも荷物じたいかなり少なくなっていて、本当に必要なものしかないからいまだかつてないほど機能的にモノが収まっていく。
 なにこれ、気持ちい〜〜〜い!!

 今回、荷ほどきをしてみてわかったこと。
 引っ越しは「梱包で苦労」するか「荷ほどきで苦労」するか、2つにひとつだ。
 人の手を借りず、自分の力でギリギリまで捨てまくって考えて分類して詰めた荷物は、荷ほどきがとても楽だし早い。どこに何があるか、苦労しただけあってかなり細かいところまで頭に入ってるからね。
 その点、梱包をお任せにしてしまうと、余計なゴミまで詰められてしまうし、なによりも段ボールの表記だけでは何が入っているのか細かいところまで把握できないので荷ほどきに時間がかかる。
 「引っ越しは引っ越したあとが一番大変」と言われるが、私の場合はなんといっても最初の捨てる作業が一番大変だった。これに比べたら荷ほどきなんてちょろいちょろい。

 というわけで引っ越しの翌々日には段ボールの存在感はほとんどなくなり、昼も夜も自炊して家で食事をとることができたのでした。
 しかしこれで引っ越しが終わったと思ったら大間違い。
 この日、私と母はマンションで片づけに専念したが、父は朝から杉並の旧居に行って「ピアノ業者による2階のグランドピアノの搬出作業(これが一大事業で、家が空になった状態でないとできない)」と「TEPCOの光回線撤去工事」に立ち会い、さらに午後からは柿右衛門も加わって最後のゴミ出し&掃除を行った。
 引っ越し日に家を出たときには「これで家も空っぽになった」と思ったが、実際は完全に空になってはいない。
 たとえば消火器だの、防災用の水のペットボトルだの、微妙なものが少しずつ残っていて、かき集めるとけっこうな量になるのだ。
 「可燃ゴミ」に関しては引っ越しの日に出せたのだが、「不燃ゴミ」はまだまだ山ほどあるし、明日からは解体工事に入ってしまうので、どうしてもとりはずしができないものを除いてはゴミを処理しておかなくてはならない。
 結局、朝出ていった父がマンションに帰ってきたのは夜。
 それはそれは気が遠くなるような作業だったらしく、疲労困憊の態で戻ってきた。
 どうせ壊すものなんだからそんなにムキになって清掃しなくても……最終的には解体業者の人がなんとか処理してくれるのでは……と思ったが、やはり若い頃に自分で建てた家の最後の姿を見ると情がわいてしまい、きれいにしないではいられなかったという。
 そう言われたら「そういうものか」と思うが、しかしただでさえ引っ越し前に限界まで働いてるんだから、あまり無理をするのもいかがなものかと思うのだが。

 「不燃ゴミ」は、近所に住んでいる柿右衛門に出してもらうことになったが、ここでまたまた母が「放火されないか心配だわ」と言いだし、警察に電話して「今晩だけでも不審人物がいないかパトロールしてください」と要請。
 お陰で夜中にこそこそゴミ出しに行った柿右衛門がお巡りさんに不審尋問されそうになったとか、ならないとか(笑)。

 とにもかくにもこれで一連の引っ越しイベントは終了し、予定通り2月26日より解体作業が始まったのでした。

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援軍到着!

 ようやく風邪が癒えてきて、少しずつ本来の生活に戻ってきました。
 が、戻るやいなや確定申告やらなにやらが押し寄せてきて、なかなか落ち着くことがでません。このままだと引越レポートしないうちに杉並に戻ることになりそうなので(いくらなんでもそれはない!)、間隙を縫ってレポート継続します。
 えー、「いよいよ迎えた引越前日」っていうところからですよね。
 ではレポートスタートします。

 引越前日を迎えた。
 天気は晴れ。気温高め。ただ、この天気も夕方からは崩れて夜には雨になるらしい。
 この時点でうちは自力で100個近い段ボールを詰めていて、それでも見た目は「まだまだこれから!」という状態だった。

 「ねえ……家全部の荷物の量が段ボール80〜90って見積もってた人いたよね」
 「そういえばそんなたわごと言ってた人もいたね…(遠い目)」

 朝9時。まず営業担当の男性(Kさんではありません)がやってきて、玄関先で「本日〜明日の段取り」を確認。
 「ちょっと遅れてるようですが、まもなく梱包レディーが到着しますから」
 要するにこの人はレディーの調達をする「女衒」のような役割らしい。
 9時半。待望の援軍到着。
 スタートが遅れたためか、3人という約束だったが4人来てくれたらしい。
 「らしい」というのは、私はずーーーっと援軍の手が届かない2階の自分の部屋の掃除(とにかく太陽が出ているうちに最後の布団干しとカーテンの洗濯をしてしまいたかった)に邁進していたので、到着した気配を察しただけで、実際に彼女たちを見ていなかったから。
 
 30分くらいたったところで階下の様子を視察しにいく。
 母がレディーたちに段ボールのガムテの色分けや表記についてレクチャーしている。
 「仮住まい先に持っていくのは赤、コンテナに持っていくのは青と白。このうち半年後に戻ってきたときに1階に運ぶのが白ガムテ、2階に運ぶのが青ガムテです。さらに識別番号があって、このLは『リビング』……」
 必死にメモしているレディーたち。
 ここでまず驚いたのがレディーたちの年格好。
 私の想像では、もっとてきぱきした世慣れたおばちゃんたちが来るのかと思っていたのだが、ものすごーく若いのだ。
 どう見ても高校生が文化祭準備に励んでいるようにしか見えない。
 大丈夫か………不安がよぎる。

 梱包レディーたちは、まずは一番手のかかるキッチンまわりから仕事を始めた。
 ちょうどその頃、KDDIの回線撤去工事の人がやってきて、その対応に追われることしばし。引越会社の車が邪魔でハシゴがかけられないだのなんだのとゴチャゴチャ。
 あっという間にお昼になる。
 さすがにもう台所は使えないし、食事ができるようなスペースもないので、キリのいいところで近所のロイホまでお昼を食べにいくことに。

 ランチをとりつつ、父母に「梱包レディーの仕事ぶり」についてきいてみる。
 「なんか目にもとまらぬ早さだってKさん自慢してたけど、ほんとに早かった?」
 見た目は若くても仕事ぶりは若さに似合わぬテクニックなのかもしれないと期待していたのだが、評判はいまひとつだった。

 「うーーん。けっこうモタモタしてたけど」
 「言うほど早くはないよね」
 「あんまり慣れてるとは思えない」

 なんだー。見かけどおりじゃん。
 Kさんは「梱包は3人なら1日、4人なら半日で終わる」と豪語していたが、たしかにこのままでは4人がかりでも半日はおろか、1日でも終わりそうにないかも。
 母はさすがに疲労の色が濃く、今朝から血圧が高くて「今にも倒れそう」だと言う。
 じつは、この日の夜は「ホコリまみれの中に泊まるのもいやだし、実際にギリギリまで生活していると片づかないだろうから」ということで近所のホテルを予約してあったので、母には「いつ終わるかわかんないし、先にホテル行って寝てたら?」と言ったのだが、「そうしたいのはやまやまだが、レディーたちが『これはどうしますか?』『これはどっちですか?』とひっきりなしに聞いてくるので、いないわけにいかない」と言う。
 たしかにこの状況では「お任せ梱包」というわけにはいかないだろう。
 
 食事が終わって家に戻ると、今度はJCOMの人がケーブル撤去工事に来ていた。
 レディーたちは相変わらず1階のキッチンとリビングの梱包に手間取っている。

 きみたち、ほんとに終わるのか???

 と、不安を募らせていると、午後3時頃になって、さらに3名の援軍が!
 人数が増えたことで戦力に余力が出たのか、夕方になってようやく私の部屋にも救援隊がやってきてくれた。

 「何かお手伝いしましょうか?

 あー、ガレキの下に埋まっていた被災者が救助犬の吼え声を聞いたときってこんな気持ちなのかしら……といううれしさ。
 その時点で、私の部屋で終わっていないものは、ドレッサーまわりのゴチャゴチャした小物と、デスクまわりのゴチャゴチャした小物と、パソコンまわりのゴチャゴチャした小物。
 ほとんど全部じゃん!とつっこまれそうだが、ここまでくるのが大変だったんだよ。
 結局、分類しやすいものはきちきち分けて梱包できるんだけど、有象無象のゴチャゴチャしたものは、分類しようにも捨てようにも難儀で、どうしても最後まで残ってしまうんですよね。
 「とにかく……この3種類のゴチャゴチャをなんとかしてください
 涙目になった私に「はい。わかりました」と力強い返事。

 そのあとの仕事ぶりは……いやー、早いよ。早い。

 ラブリィ・レイディ頑張って 早いの大好き大歓迎!

 あ、またレミゼ貧乏さんを反応させる一部受けネタを出してしまった。。。
 もうね、静かで淡々としてるんだけど、確実にモノが減っていくのがわかるんですよ。
 私はベッドのマットレスの上で作業してたんですが、梱包済みの段ボールが次々にまわりに積み上げられていくにつれて居場所がどんどん浸食されていくようで、思わずガムテを握りしめながらじりじりと壁際に後ずさってしまいました。
 「ホテルに1泊するための荷物+引越後にすぐに使いたい書類のあれこれ」を2つほどの鞄にまとめて部屋の隅に置いてあったんだけど、うかうかしてたらそれも詰められそうになってあわてて阻止。
 ふー。油断も隙もないぜ。先にまとめておいてよかったー。
 どうやら、あとから援軍にきた3人は、最初の4人よりはかなり作業に慣れているようだ。
 途中、「あのー、母がかなり体調悪そうで、なるべく早くにホテルに入りたいんですけど、あとどのくらいで終わりますかね」と聞いてみた。
 レディーは「そうですね。6時半ってとこでしょうか」と返答。
 うそ……あと2時間だよ。そんなに早く終わるわけないじゃん。
 そのときは絶対に無理と思ったが、驚いたことにほんとに6時半ピッタリに終わった。
 おそるべし梱包レディー。

 その後、女衒が迎えにくるまで待たされたこともあって、レディーズが解散した時刻は7時半をまわっていた。
 やれやれ、これでようやくホテルに行けると思ったら、父が「手荷物」として確保しておいたはずの小物がないと騒ぎだし、一度詰めた段ボールを開いて家捜しする羽目に。
 それがようやく見つかったら、今度は「部屋の照明が消せない」。要するに段ボールが壁際に積み上がっているため、スイッチの場所がふさがれちゃってるんですね。
 そのあとはゴミ出し問題。
 明日の朝が燃えるゴミの日なんだけど、当然この日は山のようにゴミが出たので、玄関前にまとめて積み上げておいて、明日の朝ゴミ収集の時間前にゴミ置き場に出そうということになった。
 が、いつもの習慣で玄関前の照明を点灯していったら、暗闇にゴミ袋の山が浮かび上がり、異様に「目立つ」。
 車が出たあとに、母が急に「あんなに目立ったら放火されるかも」と気にし始める。
 最初はゴミをまた家の中に戻すと主張していたのだが、あんなに大変な思いをして外に出したのに、また家の中に戻すなんてバカげていると反対し、玄関照明を消すということで説得。家に戻って照明を消し、今度こそホテルに出発。

 このホテル探しもいろいろ迷ったんですよ。
 最初は新宿を探してたんだけど、場所がいいだけに相場が高め。
 で、もう少しべつの場所をということで、結局新宿よりもさらに近い中野サンプラザに泊まることに。
 今まで中野サンプラザが宿泊施設だという認識がなかったのだが、ネットで見ると妙に評判がいいので、試しに予約してみた。
 結果は大当たり。
 ものすごくおしゃれな雰囲気とか、高級感を求めるとNGかもしれないけど、このお値段で泊まれるホテルとしてはかなり質が高いと思う。
 部屋も広いし、きれいだし、なによりもワイドビューの景色がすばらしい。
 夜景の中に新宿の高層ビル群がぽっかりと浮かんで見えるのも最高。

 ちなみに夜ご飯は、事前にリサーチした近所のお店に行った(非常時でも食に妥協なし!)。
 中野のブロードウェイから路地を入ったあたりって、昔の区画がそのまま残っている都内でも数少ないところらしく、おもしろそうなお店がウジャウジャある。
 その中で目をつけたのが「豚肉料理の居酒屋」。
 基本的には飲み屋なんだけど、豚肉が自慢らしく、豚肉を使った珍しいメニューが多いのが特徴。それが何をとってもほんとにおいしいんですよ。豚トロのお寿司の味は今でも忘れられない。。。
 また給仕にきたアジア系の女の子が妙に礼儀正しくて、「どこの国の人だろう。中国? 韓国?」と気になり、聞いてみたら意表をついて「ミャンマー」という答えが。
 日本語がメチャクチャうまいだけでなく、言葉がとてもきれいで正確なのにびっくり。
 「日本語がきれいですね」と絶賛したら「恐れ入ります」とすらっと言われちゃったよ(笑)。
 ボロ布のように疲弊していた私たちも、このおいしい晩ご飯とミャンマーレディーの気持ちの良い接客ですっかり癒され、さらにホテルの快適な環境でゆっくり休めたことでかなりリフレッシュすることができました。
 ここにいると、引越現場の修羅場が夢のよう…。やっぱ思い切ってホテルとっておいて正解でした。

 というわけで、今回はここまで。
 次回はいよいよ引越当日の話を。

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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