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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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丸の内まるごとバスツアー!

 東京は桜も開花宣言が出ていよいよ春本番です。
 先日、レミゼ貧乏さんと、“東京ど真ん中ツアー”を体験してきました。
 プランとしては、まず午前中に2階建てオープントップバスに乗って皇居のまわりを1周するツアーに参加、午後は皇居の東御苑で植物を見ながら散策……という内容。
 両方とも前から一度行ってみたい(乗ってみたい)と思っていたもので、当日は遠足気分でウキウキでした。
 以下、写真とともにレポートを公開いたします。
 写真は私が撮ったものとレミゼ貧乏さんが撮ったものがまじっています。レミゼ貧乏さん、写真提供ありがとうございます。

 お天気の予報は曇りのち雨。
 結果的には東御苑を出た3時前後に雨が降り出したので、晴れは望めなかったものの、どうにか雨は回避できました。
 当日は、9時半に東京駅丸の内南口前にあるスカイバスカウンター(丸ビルの横の建物)に集合。
 スカイバスツアーは、当日参加でも空席があればOKですが、私たちは念のために2日前に電話で予約を入れていました。
 予約した場合は30分前までにカウンターで手続きをしなければならないので、ちょっと早起きしなければなりませんでしたが、整理券を発券してもらったら、あとは10分前に乗り場へ行けば並んでいる人よりも優先的にバスに乗せてもらえます。
 平日だし、天気もいまいちだし、春にはまだちょっと早いし……ってことで、それほど混んではいないと思ってましたが、私たちの整理券はなんと1番と2番!



 よもや……貸し切り???という期待もよぎりましたが、10分前に行ったら10人くらいの人が並んでいました。
 整理券を見せたらすぐに「どうぞ」と言われたので、「どのへんの席がいいですか?」とお勧めのロケーションを聞いたら、「皇居は左側なので、左の席が良いと思います。あと、前方のお席は屋根があるのでちょっと暖かいです」とのこと。
 たしかに、オープントップと言われたら誰もが最前列が一番眺めがいいと思われるでしょうが、このバスは写真を見ていただければわかる通り、最前列だけオープンじゃないんですよ。
 どうせならオープンを楽しみたいので、私たちは真ん中へんの左側の席を選びました。



 10:00。いよいよ出発。
 最初の感想。えーと……これから乗る方のために正直に言います。

 寒いです。

 オープントップバスって香港でも乗ったことがあるんですが、そのときはそれほど地上を歩くときとの体感気温の差は感じませんでした。
 なので今度も侮っていたんですが、いや、走り始めたらやっぱ寒いわ。
 まあ考えてみれば風を切って走るわけですから寒いのは当たり前なんですけどね。
 それなりに防寒はしてきたつもりでしたが、とにかく顔が寒い。もう少し重装備のマフラーを用意してくるんだった。あとマスクね。
 でもこれが夏となると今度は日差しの強さに頭がクラクラするんだろうな。
 けっこうちょうどいい気候で乗れるのはごくわずかかも。

 さて。
 まずは、東京駅丸の内南口からお濠に向かってまっすぐに延びる通り(行幸通り)を走ります。
 ここからはコースマップをご覧になりながらお読みください。
 ここでは街路樹が、頭のすぐ上に覆い被さるように迫ってきます。
 今はご覧のように枯れ木ですが、新緑や紅葉の季節はすごい迫力でしょうねぇ。枝越しに見える高層ビル群というのもまた一興ですが。



 お濠(和田倉門)につきあたったところで内堀通りを右折。
 すぐに右手に消防庁のビルが見えてきます。
 「119番」にちなんで「建物の高さも119m」というトリビアをガイドさんからきいて、レミゼ貧乏さんと思わず「へぇ〜」の合唱。
 その後、毎日新聞社のある竹橋を通って千鳥ケ淵へ。
 千鳥ケ淵の桜はまだですが、途中、ソメイヨシノがすでに開花している場所もありました(その日は開花宣言が出る3日前でした)。
 そのままバスは皇居の西側にあたる国立劇場付近へ。
 桜といえば千鳥ケ淵が超有名ですが、じつはこの国立劇場の前庭にある桜も有名で、珍しい品種がたくさん揃っていて隠れた名所と呼ばれているそうです。
 毎年、桜の時期になると、床机(しょうぎ)と野点傘(のだてがさ)を並べたお休み処が設置されるとのこと。風流ですねぇ。

 ここで井伊直弼の話が始まったので、「ああ、“桜田門外の変”の話ね」と思って聞いてたら、「井伊大老はこのお屋敷から江戸城登城のため桜田門へと向かったのでございます。このお話の続きはまた後ほど」といきなり途中で「To be continuedモード」で打ち切られてしまい、あと数十メートルで桜田門ってところでバスはぐいーんと右折。
 「さて、前方には国会議事堂が…」と何事もなかったように話を続けるガイドさん。
 え〜、井伊さんはどうなっちゃうのよ。井伊さん、どうでもいいわけ?
 いや、結末知ってるからいいけど、こんな切られ方したら知ってても気になるじゃん。
 なんで結末を隠すんだよ。貴様は幕府の関係者か。
 なんでここで右折したのか、理由はすぐにわかりました。
 コースマップを見ていただければわかる通り、このあたり一帯は国の中枢(官公庁)がかたまっているいわゆる霞ヶ関エリアなので、それを紹介するために一瞬寄り道というか遠回りをしたんですね。
 「わー、外務省だ」
 「東京地裁だー」
 「警備の人がいっぱいいるー」
 「このへんは桜もけっこう咲いてるねー」
 などなど、省庁チェックで喜んでいたら、ちょうど桜田門の前に戻ってきたところで、またいきなり「この桜田門の前で待ち受けていた浪士たちによって暗殺されてしまったのです」と話のオチが……。
 いや、臨機応変なのはいいことだけど、この構成にはちょっと無理があるのでは?
 
 ちなみにこれは警視庁。
 「踊る大捜査線」でよく出てきたアングルはこれ。



 この東京駅そっくりの赤レンガの建物は法務省。
 前々から「このレトロな建物はいったい何?」と興味があったんですが(遠目で見るだけでそばまで寄って見たことがなかった)、「法務省」だったんですねー。
 正確に言うと旧法務省で、現在の法務省は隣のビルの中。
 設計者はドイツ人で、明治時代の建物だそうです(重要文化財)。



 はい。こちらは国会議事堂です。
 さすがに警備がものものしいです。
 てっぺんのピラミッド部分は、一回落雷で焼失し、建て直したので、そこだけ色が新しいそうです。
 向かって左が衆議院、右が参議院。平等を表すために建物は左右まったく対称に造られているとのこと。



 さて。
 再びお濠端の道に戻り、バスは日比谷方面へと向かいます。
 日比谷通りとぶつかる角には、最近建ったペニンシュラホテルが(下↓の写真の一番右の建物)。
 一番高いお部屋は1泊約100万とか。
 ここのホテルのドアボーイは、スカイバスが通ると手を振ってくれることがあるらしい。この日は……やった! 振ってくれましたー。こっちも手を振り返したんで写真を撮る暇はありませんでしたが。
 左端の白い建物は、戦後GHQが本部を置いたという第一生命ビル。
 皇居に面したその最高のロケーションを見て、レミゼ貧乏さん、思わず一言「さすがにいいとこに目をつけるよね〜」。
 まあ、1泊100万のホテルの隣ですからね(当時はなかったけど)。
 右隣は帝国劇場だし。劇場街も近いし、観劇にも便利だしいいよね(←GHQが何しにきたと思ってるんだよ)。



 ここからJRのガードをくぐって、有楽町マリオン→数寄屋橋を通り、銀座四丁目の交差点へ。
 さすがにこのあたりはすごい人混みですが、オープントップバスが気持ちいいのはこういうときです。
 今までは、私もあの人混みの中にいてこの赤いバスを「いいなー。乗ってみたいなー」と思いながら眺めていたわけですが、今日は逆の立場。「いいでしょう〜。乗ってみたいでしょう〜」という文字通り上から目線で鼻高々です。

 休日は銀座通りより先の通りを左折するんですが(銀座通りは歩行者天国になるからか?)、この日は平日なので銀座通りをそのまま左折。ミキモトなど、老舗の並ぶ通りを走り抜け、一丁目(京橋)方面へ。
 この写真(↓)は銀座一丁目付近から四丁目方面を振り返った図。すべての信号が一斉に赤になっているさまが確認できます。



 京橋付近で右前方におもしろい広告塔が…。
 ここはアサヒペンのビルですが、このペンキ缶の広告塔、歩行者目線だと上のほうの細工がよく見えないのですが、2階建てバスからはこの通りばっちり見えます。
 くるくる回転しているのは「営業中」っていう意味なんですって。これトリビア。

 


 ここでもう1回、JRのガード下をくぐっていくのですが、これが思わぬクライマックスでした。
 というのも、ここのガードの高さは3.8m。スカイバスと同じ高さなんです。
 ここを一気に通過していくスリルはちょっとした遊園地のアトラクション気分。
 思わずおとなげなく「きゃ〜〜〜っ!」とか絶叫しちゃったよ。
 ではその臨場感を皆さんも一緒にお楽しみください。

 


 バスは再びお濠方面に向かい、今度はそのまま皇居前広場の中まで入ります。
 お正月の一般参賀のあるあそこね。
 このへんは黒松がいっぱい植わってるんですが、このお値段は相当なものらしいですよ。中にはン千万のものもあるとか。
 お昼寝してる人もいっぱいいました。曇ってるのに。。。



 そのまま北上し、最初の地点(和田倉門)に戻りますが、このまま東京駅には行かず、南下して帝劇の前を通ってからゴール。
 この写真は法務省…じゃなくて(笑)終点の東京駅です。
 お疲れさまでした!



 しめて45分間のドライブでしたが、時間の長さといい、お値段(1200円)といい、かなり内容充実で、東京観光にいらした方も、東京在住の方も、もれなく楽しめること間違いなしです。
 季節によって楽しみもいろいろ違ってくるので、1回と言わず何度でも乗りたいです。
 もし東京に遊びに来られる方がいらっしゃったらぜひ私に声をかけてくださいね。おつきあいさせていただきます(笑)。

 長くなったので、後半の東御苑散策編はまた次回。
 最後におまけ写真を1枚。
 バスの中でレミゼ貧乏さんが「ねえ、あれ見て見て」と騒いでいたのを見たら、なんと「洋服の上に浴衣を着た謎の外人」が丸の内を闊歩しているではありませんか。
 そのときはバスの上から眺めてうけてただけだったんですが、バスを降りて歩いていたら、なんとなんとその外人さんを再び今度は至近距離で発見しました。
 あわててレミゼ貧乏さんと写真を撮ろうとしたのですが、あまりに突然だったので準備ができず、何枚か柱の写真とか撮ってしまいましたが、なんとか最後に後ろ姿だけ収めました。後ろから見てもあんまりおもしろくないんですが。
 これってやっぱりどう見てもホテルで出る浴衣だよねえ。従業員の人に頼んでもらってきたのか……黙って持ってきたのか……気になります。



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……で、あんた、誰?

 すっかり春らしい日和ですね。
 私の部屋の出窓からはお隣の庭が見下ろせるのですが、今年はアンズの花がよく咲いています。
 嬉しい借景です。



 ところで。
 レミゼ貧乏さんのブログで紹介されてた「ラブレター占い」なるものをやってみました。
 自分の名前を入力すると、いろいろな有名人からのラブレターが届くという占いサイトです。
 「誰」から届くかは「入力する名前次第」なので、たとえば「伊万里」だったら「伊万里」「いまり」「イマリ」「imari」と表記を変えていけば、その都度違う人からのラブレターが届くというわけ。

 文型はある程度パターン化してるんですが、固有名詞の部分がそれらしいアイテムに入れ替わることによりバリエーションを出しているところがミソ。これがうまくはまるとおもしろい。
 ラブレターをもらいたい相手は、「アニメの登場人物」から「ジャニタレ」から「戦国武将」まで、いろいろなジャンルから選ぶことができます。

 てことで、私もやってみました。
 本名の「×××」、ペンネームの「伊万里」、中高時代の呼び名「りた」で適当にやってみましたが、特に印象に残ったものをご報告。
 まずは<ミュージカル俳優編>から。

> ×××ちゃんへ
> ずいぶん前のことになるけど、覚えてるかな?
> 3年前くらいに付き合っていた浦井健治です。
> すごく短い期間だったから俺の事を恋人だって思ってなかったかもしれないけど…
> 俺は、恋人だったと思ってたんだ。
> すれ違いばかりで連絡をとらなくなってたのだけど、どうしても×××ちゃんに
> 言いたい事があるから、手紙を書きました。
> ゴメン。まず謝らせて。
> あの頃は自分勝手で・・・わがままで・・・たくさん迷惑をかけちゃったな。
> 自分勝手すぎる理由で別れようと言ったり…。
> 少しだけど大人になった今、本当に後悔してるんだ。
> 本当にごめん。
> そして今の俺は×××ちゃんの事を、どんなに忘れようとしても、あきらめよう
> としても、できないんだ。
> 今頃になって、自分にとって×××ちゃんがどれだけ大きな存在だったのかに気
> づいちゃって・・・。
> 今も変わらず…いや、あの頃よりも×××ちゃんのことが大好きです。
> 今は内野聖陽と付き合ってるって、芝清道に聞いた。
> もし俺の事が重荷になるようだったら、すぐにこの手紙を捨てて欲しい。
> そして忘れて欲しい。
> でも、もし、少しでも可能性があるなら…
> 3月21日18時にシアタークリエで待ってる、ずっと待ってるから。
> 浦井健治より

 おいおい、シアタークリエで待ち合わせって目立ちすぎだろ(笑)。
 そうか。私、内野さんと不倫中なんだ。
 一路を敵にまわすのか。こわそうだ。
 でね、驚いたのは次に「りた」で入力したらこれ(↓)が出たの。

> りたちゃんへ
> えっと・・・実は昨日、浦井健治から相談があって、どうしても伝えて欲しいっ
>て内容 なんだけどさ・・・。
> 浦井健治、りたちゃんの事が好きなんだって。
> それを伝えてって頼まれちゃってさ・・・。
> 以前にみんなでキャッツシアターに遊びに行ったじゃん?
> その時にりたちゃんと一緒に遊んでて、好きになっちゃったって言ってたよ。
> りたちゃんは・・・、浦井健治の事好き?
> えっと、その、言いにくいんだけどさ、俺・・・、浦井健治は友達だし、付き合
> いも長いんだけどさ、俺もりたちゃんの事が好きなんだ!
> いや・・・浦井健治のことなんてどうでもいい。
> 俺、りたちゃんと一緒にいたい、もう好きで好きでたまらないんだ!
> 俺の事、軽蔑したかな、当然だよね。
> でも俺がりたちゃんを好きだって気持ちは誰にも負けない。
> 覚えてるかな?
> まだ二人とも小さかったとき、二人で親に内緒でチケット売場に行って、「ライ
> オンキング」のぬいぐるみを買ってお互いにプレゼントしあったこと。
> 今でも俺の宝物なんだ。
> 3月21日の18時にチケット売場で宝物を持って待ってる。
> ずっと待ってるから・・・。
> 岡幸二郎

 全然関係ない名前で入れたのに、浦井くん話つながってるし!
 岡さんに告白されたショックよりもこっちのほうがショックだったよ(笑)。
 浦井くんにはなんの興味もないけど、なんか暗示にかかってファンになりそうだ。
 あと、悲しいけど、私の小さい頃には「ライオンキング」はまだやってませんでした。。。(←ちょっとムッとしてる?)

 で、次は<新撰組編>。

> 伊万里ちゃんへ
> なんで伊万里ちゃんは、俺の事を好きになってくれないんだろう?
> なんで伊万里ちゃんは、藤堂平助のギャグで笑ってるのだろう?
> もうやめて欲しい・・・。
> もっと俺と話をして欲しい、俺の事を見てほしいんだ。
> 確かに俺は自分勝手、伊万里ちゃんの事をあまり考えてないかもしれない。
> でも、いつも俺は応援してるんだよ。
> 伊万里ちゃんの事を一番に考えてるんだよ。
> 伊万里ちゃんに俺は映ってる?
> 藤堂平助、井上源三郎ばかり見てないでもっと俺を見て欲しいんだ!
> ムリだったら言って欲しい。
> そうしてくれたら諦めることができるから。
> じゃないと、伊万里ちゃんの事ばかり考えて、伊万里ちゃんの事ばかり見つめ
> ちゃって・・・
> もっともっと好きになってしまうから。
> 俺が会津藩邸に行った時、伊万里ちゃんの事ばかり考えて何も手に付かないのを
> 知ってる?
> 今度会う時は少しでも話がしたい。
> お願いだ・・・
> 原田左之助を好きになってください。

 3行目がツボにはまりました。たしかに平助のギャグってつまらなそう。
 最初に名乗らないこのパターンって、最後に誰の名前が出てくるのかすごい期待が高まるんですよ。途中で「平助じゃないんだな」「源さんの線もなしね」って徐々に範囲が狭まっていくのがスリリング。
 正直、オチは「左之助か。。。」って感じでしたが(笑)。
 山南さんからほしかったなー。
 今度、レミゼ貧乏さん方式で、目当ての名前が出るまで違う名前を入れ続けてみようかな。

 ちょっと目先を変えてお次は<ベルばら編>。

> りたちゃんへ
> 急にこんな手紙なんか渡しちゃってビックリしたよな。
> 実は初めて会ったあの日からずっと伝えたい気持ちがあるから、勇気を振り絞って
> 書くな!
> 初めてりたちゃんと出会ったベルサイユ宮殿での事、まだ覚えてる?
> 大事にしてたはずの「ヌーベル・エロイーズ」をうっかり落としちゃって困ってる
>俺を 見かけて、一緒に探すの手伝ってくれて、すごく嬉しかったんだ。
> あの時はさ、緊張しちゃって素っ気ないお礼しか言えなかったけど、あの時から
> 俺、りたちゃんの事が気になっちゃって・・・。
> りたちゃんがアンドレの事が好きだって事はジェローデルから聞いてて知って
> るけど、俺の気持ちをどうしても伝えておきたくて・・・。
> こんな俺だけど・・・付き合って欲しい!
> 無理なお願いかもしんないけど、もっともっと頑張って魅力的になるから。
> 3月21日の18時に森の中で待ってるから返事を聞かせて欲しい。
> オルレアン公より

 これは「最後、誰の名前が出てくるんだ」ってすごいいろいろ考えながら読んだけど、まったくノーマーク(笑)の名前が出てきてびっくりでした。
 オルレアン公の愛読書が「ヌーベル・エロイーズ」だなんて初耳だし、王弟なのに「勇気を振り絞って書くな!」ってそんな気さくな口調で話しかけてくれるなんてすてきすぎます。
 「もっともっと魅力的になったオルレアン公」って見てみたいものですね。

 次は<大相撲力士編>です。

> ×××ちゃんへ
> えっと・・・実は昨日、栃乃和歌清隆から相談があって、どうしても伝えて欲し
> いって内容なんだけどさ・・・。
> 栃乃和歌清隆、×××ちゃんの事が好きなんだって。
> それを伝えてって頼まれちゃってさ・・・。
> 以前にみんなで両国駅前に遊びに行ったじゃん?
> その時に×××ちゃんと一緒に遊んでて、好きになっちゃったって言ってたよ。
> ×××ちゃんは・・・、栃乃和歌清隆の事好き?
> えっと、その、言いにくいんだけどさ、俺・・・、栃乃和歌清隆は友達だし、
> 付き合いも長いんだけどさ、俺も×××ちゃんの事が好きなんだ!
> いや・・・栃乃和歌清隆のことなんてどうでもいい。
> 俺、×××ちゃんと一緒にいたい、もう好きで好きでたまらないんだ!
> 俺の事、軽蔑したかな、当然だよね。
> でも俺が×××ちゃんを好きだって気持ちは誰にも負けない。
> 覚えてるかな?
> まだ二人とも小さかったとき、二人で親に内緒で井筒部屋に行って、大銀杏を
> 買ってお互いにプレゼントしあったこと。
> 今でも俺の宝物なんだ。
> 3月21日の18時に井筒部屋で宝物を持って待ってる。
> ずっと待ってるから・・・。
> 武蔵丸光洋

 えーと……この人は「大銀杏」のことをなんだと思ってるんでしょう。
 買ってプレゼントするってわけわかんないんですけど。
 まあしょうがないか。外人だし。ってそういう問題か!

> 最愛なる×××ちゃんへ
> 会いたい。
> 今日会ったばかりなのにもう一度×××ちゃんに会って伝えたいことがある
> んだ・・・。
> 俺は×××ちゃんのこと・・・・・・
> どうしても言えなかった言葉、今度はちゃんと伝えたいんだ。
> ×××ちゃんと一緒に行った井筒部屋
> ×××ちゃんと一緒に行った尾車部屋
> ×××ちゃんと一緒に行った伊勢ノ海部屋
> そして・・・
> ×××ちゃんと一緒に買ったさがり
> ×××ちゃんと一緒に買った満員御礼の垂れ幕
> ×××ちゃんと一緒に買った徳俵
> 手をつないで一緒に歩きたい。
> もう一度、×××ちゃんの温もりを感じたいんだ・・・。
> 俺の未来には×××ちゃんが必要なんだ。
> お願いだ、栃東大裕と別れて俺と付き合ってくれ。
> 豪風旭

 ……あんた、誰?

 さて、3月21日の18時は、シアタークリエとチケット売場と森の中と井筒部屋の中のどれに行ったらいいでしょうか(個人的には森の中でオルレアン公と会うのが一番刺激的な選択のように思います)。

 レミゼ貧乏さん、楽しませてくれてありがとう。
 皆さんもお試しあれ!

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イランのちびまる子ちゃん

 私は「語学が苦手」というのがコンプレックスなのですが、まわりの友人には語学力に長けた人がたくさんいます。
 中でも「翻訳家」という職業についている人が多い。
 そのうちの1人、マルちゃんは、中学・高校・大学を同じ場所で過ごした友人です(正確に言うと、高校の1年間はフランスに留学していましたが)。
 そういうとすごくつきあいの深い友人のように思われるかもしれませんが、実際はクラスや学科がほとんど別々だったためか、それほど親しくつきあっていたわけではありませんでした。
 卒業して随分たってから、「マルちゃんは今、フランス語の字幕翻訳の仕事をしているらしい。『仕立屋の恋』とかもマルちゃんが翻訳したらしいよ」という噂を聞き、なにかのきっかけで再会したときに「私もねー、翻訳家の養成機関で働いてたことがあるんだよ。運営するほうのスタッフだから語学はできないんだけどね。あはは」みたいな話をして、それからなんとなく連絡をとりあうようになりました。
 とはいうものの、普段から映画というもの自体をあまり見ない私は、「今度こういうのやったんだー」と言われても、「そうなんだー。行けたら見にいくね」と言っているうちに終わってしまう…という連続で、今まで映画館でちゃんと彼女の作品を観たことがありませんでした。マルちゃん、ごめんね。

 そんな私が、最近ようやくマルちゃん翻訳作品デビューしました。
 「これなんだけどー。もし興味があったら見にきて」
 と彼女から渡されたチラシは『ペルセポリス』というアニメーション映画。
 監督はマルジャン・サトラピというフランス在住のイラン人女性で、自分の自伝を自ら映画化したそうです。
 内容は、マルちゃんいわく「えーとね、イランの『ちびまる子ちゃん』みたいな感じ」。
 イランの『ちびまる子ちゃん』!
 マルちゃん、うまいぞ。つかみがうますぎる。
 そのフレーズきいただけで「どんなんだよ、それ」と興味がわくじゃありませんか。
 それだけじゃありません。
 主人公の少女は当然作者なんですが、愛称はなんと「マルジ」というそうです。
 マルちゃんが翻訳した作品が「イランのちびまる子ちゃん」で、主人公の名前は「マルジ」って「まるまる尽くし」じゃん。チョー受ける。
 これはもう見るしかない。絶対見る!

 と決意した私ですが、ここではたと誰を誘って行こうかと考えました。
 べつに一人で行ってもいいんですが、一人ってのは「いつでも行ける」と思ってしまうため、逆になかなか行かないものなんですよね。
 で、こーいう映画に興味ありげな人をダーーーッと思い浮かべてみたんですが、急にふっと今までは浮かばなかったような人の名前が浮かびました。

 その人とは……有名な方なので、皆さん、ご存じの方も多いかもしれませんが、翻訳家の河野万里子さんです。
 河野さんとの出会いはかれこれ20年近く前になります。
 駆け出しのライターだった私が、新人翻訳家として賞をとって売り出し中だった彼女を取材したのがなれそめでした。
 じつはそのときに1回お会いしただけで、その後一度も会ったことがないんですが、そのインタビューがとても楽しくて盛り上がったことと、年賀状などのやりとりがマメに続いていたこともあって、心理的にはすっかり「お友達モード」だったんです。

 私は昔から、自分の知り合いの中で「この人とこの人を会わせたら楽しいだろうな」という夢の(?)カードを作っては実際にひきあわせるという「お見合いおばさん」みたいなことをする趣味があって、このときも「フランス語翻訳つながりでマルちゃんと河野さんを会わせる」というカードを思いついて勝手に盛り上がりました。
 語学はできないけれど、翻訳の話をきくのは大好きなので、この2人を会わせたら、字幕と出版、両方の話が聞き放題ですごく楽しそうだと思ったのです。
 で、さっそく双方に打診してみたところ、お2人ともかなり乗り気だったため、計画を遂行することになりました。

 まず、河野さんと『ペルセポリス』を見て、その後近くのお店でマルちゃんと待ち合わせて3人でご飯を食べながら映画についておしゃべりをする。場合によっては裏話なども聞けるかもしれない。
 ……と、ここまででも充分楽しい計画だったんですが、話を進めるうちにさらに楽しい偶然が発覚しました。
 『ペルセポリス』は渋谷のシネマライズという小屋での単館上映だったんですが、なんと『ペルセポリス』のあとに上映される『潜水服は蝶の夢を見る』は、河野さんが10年前に原作を翻訳したものだというのです。
 というわけで、計画はさらに「マルちゃんと『潜水服は蝶の夢を見る』を見て、その後近くのお店で河野さんと待ち合わせて3人でご飯を食べながら映画についておしゃべりをする」という続編がつけくわえられることになりました。

 で、まずは行ってきました。『ペルセポリス』。
 いやー、びっくりしました。いろいろな意味で。
 まず、視覚的なことから言うと、モノクロアニメへのこだわりに圧倒されました。
 作者いわく、「ハリウッドから『実写で映画化したい』という申し出もあったが、リアルにエキゾチックな顔立ちの俳優が演じると、『どこか関係ない国の人の話』という距離感をもたれてしまうので、これは絶対アニメーションでしかやるつもりはなかった」とのこと。
 アニメーションというと、日本は今や「先進国」なので、正直なところ、見るまでは「フランスのアニメーションってどの程度のものなの?」というようなお手並み拝見的な“上から目線”がありました。
 が、見てみてわかりました。これは比べても意味がないです。まったく違うものとして認識するのが正しい。
 宮崎アニメにしても、ディズニーアニメにしても、最近は技術も進化していて、実写に近い繊細な動きがどんどん表現できるようになっていますが、グラフィック・アニメーションと呼ばれるこの『ペルセポリス』は、逆に無駄なものをそぎおとしてどんどん抽象化している感じでした。限りなく記号に近くなってるっていうのかな。
 絵も動きも平面的で一見稚拙に見えるんだけど、黒と白だけでなく、中間調(グレー)の取り入れ方への執念が半端じゃなく、「こんなにシンプルな絵なのに、こんなに微妙な階調まできっちり表現するのってすげー」と感服しました。
 しかも、写実的じゃないからこそ、デフォルメした表現も違和感なく受け入れられるし、生々しさがない分、普遍的な部分のみがうまく伝わってくるし、なるほど、作者が実写をいやがった意味はわかるわと思いましたね。

 ストーリーを簡単に紹介しますと……。
 1978年、テヘランで大きな革命が起きます。
 この革命がどういうものなのか、説明するのはなかなか難しいです。
 なぜなら、日本人はあまりにもイスラムの歴史になじみがなさすぎるので。
 実際、原作本(グラフィックノベルと呼ばれる絵で表現するエッセイみたいな感じ)を読むとかなり詳しく政治的な背景がかかれているんですが、私にはついていけませんでした。
 わかったのは、一口にイスラム圏といっても、国によってかなりカラーが違うこと、私たちにとっては(少なくとも私にとっては)イランもイラクも同じカテゴリーの中に入っていて明確な違いを説明するのは難しいんですが、当人たちにしてみるとお互いが「全然違う国」なわけです。そんなの当たり前といえば当たり前なんですけど、あらためて「そうか。違うんだな」と思いました。 
 「だからその違いを説明しろよ」とつっこまないでください。「思った」だけで、「説明」できるほど「わかった」わけではないので。
 まあ、あえて言うならば、イランのルーツがもともとササン朝ペルシャという帝国にあり(タイトルのペルセポリスは「ペルシャの都」という意味)、そこの宗教はゾロアスター教で、イスラムの支配を受けたのはずっとあとだという話は目ウロコでした(←世界史とってた者の発言とは思えません)。

 ただ、作者が映画を通して語りたかったのは、あくまでも「ひとりの少女の人間的成長」という普遍的な部分で、政治的な問題はそれほど詳しく説明する気はなかったように見えました。
 というのも、原作の「政治状況についての説明部分」が、映画では最小限にカットされていたので。
 最初はあまりにも説明が少ないので、「原作読めばもっとわかるのかな」と思ったんですが、実際は読んでもよくわからなかったし、その情報がわからなくても映画を楽しむ支障にはならないと思います。

 とにかく、その革命の様子は中国の「文化大革命」を想像していただければ近いかと思います。
 「自由思想」「西洋かぶれ」「ブルジョワ」は激しく糾弾され、紅衛兵みたいな風紀取り締まり委員が常に市民の生活を監視しているという感じ。
 主人公のマルジは、そういう意味でいうとかなり「危険視」されるような家庭環境で育った子供で、そのせいか危ない目に何度も遭うんですね。
 このままではいけない。この子には自由に行動できる環境で教育を受け、好きなことを思い切りやってほしい。
 そう思った両親は、わずか13歳のマルジを一人でウィーンに留学させます。

 ところが、イランでは先進的思想を持ったはみ出し者だったマルジが、ウィーンにくると今度は「イスラム圏からきた子」としてさまざまな偏見をもたれてしまいます。
 最初は背伸びしてみんなに合わせようとしたマルジですが、そうすればするほど自分のアイデンティティがどこにあるのかわからなくなり、最後には心身ともにボロボロになって故郷に帰ります。
 故郷に帰れば帰ったで、イランから一歩も外に出たことのない人たちとの間に距離感を感じ、やっぱり自分の居場所がどこなのかわからなくなるんですが、その後紆余曲折あって今度は自らの意思でフランスに旅立ちます。

 原作ではこれらのエピソードが時系列でダーッと並んでいるだけなんですが、映画では、「現在のマルジ」が、パリの空港を訪れ、「テヘラン行きの便」の表示を見ながらぼんやりと今までの自分を回想し、最後はまたパリの空港の場面に戻り、空港からタクシーに乗る場面で終わるんですよ。
 で、運転手に「お客さん、どちらから?」と聞かれて「イラン」と答える。そのセリフでEND。
 要するに、「彼女は今でも時々故郷に帰りたくなって空港に行ってしまうんだけど、最後はやっぱり飛行機には乗らずに家に帰る」という行為を繰り返しているという設定なんだと思いますが、最後のやりとりに「アイデンティティをみつけたマルジ」の姿が表れていて、とてもしゃれた構成になっていると思います。

 マルジは決して「いい子」ではなく、どちらかというと「弱さ」とか「ずるさ」とか欠点もいっぱいあるんですが、そういうトホホな部分も正直に書いているところが好感もてます。
 中でも最高におもしろかったのは、失恋シーン。
 つきあっていたマルクスくんという恋人に裏切られ、最初はメソメソ落ち込むんですが、そのうちに「今になって冷静に考えてみれば、あの男は最初からひどいやつだったのかもしれない…」と思い直し、あらためて頭の中で今までの彼の言動をリプレイしていくんですが、思い返しているうちに「そういえばあんなこともあった」「こんなこともあった」といやだった面がどんどん出てきて、それにつれて「妄想」の中のマルクスくんの端正な顔がどんどん崩れていって、最後はバケモノのようになっちゃうの(笑)。
 恋愛中は「甘い思い出」だったことが、妄想の中で身も蓋もない「醜い現実」に変換されていき、それに対する嫌悪と憤りでパワーをとりもどす。
 こういうのって女はあるよなーと思って大笑いしました。だいたい男は「いいこと」しか思い出さないからいつまでもひきずるんだけど、女は現実的だから、自分の都合で簡単に視点を変えられるんだよね。

 声の出演がかなり豪華で、マルジのお母さんはカトリーヌ・ドヌーヴ、マルジはドヌーヴの娘のキアラ・マストロヤンニ、マルジの祖母はドヌーヴの母親役を何度もやっているダニエル・ダリュー……という布陣。
 どの人も声の存在感ありすぎという気もしないではなかったけど。
 関係ないけど、マルちゃんが「吹き替えならもっと情報がたくさん入れられるから、できれば日本の吹き替えヴァージョンを作ってもらってもっと多くの人に見てもらいたいな」と言っていたので、勝手にやってもらいたい人を考えてみました。
 そっちがドヌーヴとキアラでくるなら……うーん、こっちは富司純子と寺島しのぶでどうでしょう。祖母は佐々木すみ江で。いや、単にダニエル・ダリューの声が佐々木すみ江と似ているのが気になっただけなんですけど(お陰で祖母のセリフは私の脳内でいちいち薩摩弁に自動変換されてました)。

 『潜水服は蝶の夢を見る』の話についてはまたあらためてお送りします。

 

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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