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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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吸いすぎに注意

 新緑のきれいな季節になってまいりました。
 「季節の借景シリーズ」をお届けしようと思いつつ、更新が滞ったために季節がどんどん移っていってしまいました。
 今さらですが、2点ほど借景をアップします。


 これは4月6日に撮影した山吹。
 2階の南向きのベランダから見えるお向かいのお宅のものです。
 うちとの間に川があるため、春になると土手沿いにいろいろな花が咲きます。
 中でも一番華やかなのがこの「山吹」。
 今はもう終わってしまってユキヤナギが咲いています。
 こういうしだれ系の花木ってすてきですよね〜。


 これは北側の公園にあるハナミズキ。
 4月20日に撮影しました。
 前回お届けした「桜とハナモモ」の写真と同じ場所です。
 桜とハナモモが終わったあとは、GWにかけてハナミズキが盛りに。
 同時に丸裸だったケヤキもどんどん葉を繁らせていきます。
 その変化のスピードたるや本当にあっという間で、ボヤボヤしていると窓の外の景色が一変してしまいます。
 今までそんな変化にもあまり気をとめませんでしたが、注目しだすと植物の変化は早いなーとあらためて実感します。

 というわけで本題。
 4月に入ってから、低気圧が張り出してきて、梅雨どき並に天候のよくない日が続いています。
 そのせいか、この数年、薬でうまくコントロールしてきたはずの喘息の兆しが見えてきました。
 本格的な発作にまではいたっていないのですが、常に呼吸が浅い感じで、特に朝方には必ず呼吸が苦しくなり、胸の奥で雑音がします。
 調子のいいときは、2ヶ月に1回くらいのペースで大学病院の呼吸器内科に予防の吸入薬をもらいにいくのみなんですが、「ちょっとでも怪しいと思ったらすぐに来てください」と言われているため、先日思い切ってアポなしで病院に行ってきました。

 予約をしていない患者は後回しにされるので、待つ覚悟はしていました。
 していましたが、まさかこれだけ待たされるとは……。 
 2時半に受付を済ませ、それからじーーーっと待ち続けましたが、待てども待てども呼ばれず。
 3時間半が経過したところで、なんとなく気分が悪くなってきて、そのうちに息が苦しくなってきました。
 「これはおかしい」と思い、看護師さんに「呼吸が苦しいんですけど、どこか横になれるところはないですか」と聞いたところ、最初は「ベッドはいっぱいで…」とつれない返事で、しかたなく待合室のベンチに横になっていたんですが、しばらくしたら「隣の外科の処置室のベッドなら空いている」と言われ、そっちに移動。
 と、ここまではよかったんですが、酸素濃度計(指にはさんで血中酸素飽和濃度を計測するクリップのようなもの)で酸素の状態を見たところ、特に酸素の量が減っているわけではなかったため、とりあえず軽くみられたのか、カーテンをジャッとひかれて隔離されたまま放置されてしまいました。
 えー、これじゃ中で何があっても外からわかんないじゃん。
 と一瞬不安に。

 その後も呼吸の乱れは続き、いくら吸っても吸っても酸素がいきわたらないような感覚に襲われましたが、看護師さんは誰も見にきてくれません。
 不安になって、ナースコールを押し続けましたが、それでも来てくれません。
 声を出そうにも呼吸するのに精一杯で声を出すこともできません。
 私、このまま死ぬのか?
 呼吸器内科の処置室にいるのに呼吸困難のまま放っておかれるってありなのか?
 不安と恐怖がどんどん増幅していきました。

 かれこれ30〜40分たってから、ようやく医師と看護師が様子をみにきてくれました。
 助かった。。。
 と思ったら、医師は「これは喘息発作じゃなくて過呼吸だね。大丈夫。ペーパーバッグを口にあてて、吐いた息を吸うようにすれば元に戻るから」といとも簡単に診断。
 言われた通り、袋を口にあててスーハースーハーしてたら、ほんとに苦しくなくなってきた。
 そうかー。
 名前は聞いたことがあったが、これが「過呼吸症候群」というものだったのか!

 あとで調べてみたところ、「過呼吸症候群」は一種の自律神経の乱れから起こる状態らしいです。
 不安や緊張や恐怖や怒りや興奮など、過度のストレス+疲労が重なったとき、脳内の呼吸中枢が刺激されて呼吸の回数が増え、過剰に酸素をとりこんでしまい、血液中が酸素過多状態になってしまうというもの。
 「酸欠が苦しいのはわかるけど、酸素が多い分にはいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、酸素が増えすぎると二酸化炭素の濃度が減り、それも危ないんだそうです。
 実際には酸素が充分足りているのに本人は「呼吸ができない。酸素が足りない」と感じてしまうため、不安になって余計に多くの酸素をとりこもうとして呼吸があらくなり、悪循環に陥るというのが特徴です。
 あくまでも実際の酸素は足りているので、本人がいくら苦しくてもこれで「死ぬ」ことはないんですけどね。

 たとえば大泣きしたときに呼吸が乱れ、そのまま過呼吸状態に陥ることはなくはなかったけど、何もしてない状態からいきなりここまでひどい過呼吸状態になったのは初めてです。
 なまじ喘息持ちなため「喘息発作じゃないか」と心配してしまいましたが、よく考えてみると、過呼吸のときは胸の音もしなかったし、喘息の苦しさとは違ったような気がします。
 過呼吸は若い女性に多いようですが、男性にもないわけではなくて、堂本剛が「過呼吸症候群」なのは有名。らしいです。
 まあ、思春期の女の子なら似合いそう(?)だけど、おばさんの過呼吸じゃ見苦しいだけかも……。
 
 にしてもですよ。
 そんなにすぐに「過呼吸」だって見抜けるんなら、そしてその対処法もわかっているなら、どうしてもっと早くに見にきて一言そう言ってくれないんでしょうか。
 いくら「酸素は足りてるので死なない」と判断したからってひどくないですか?
 原因がわからないから、ものすごい不安が増幅して、40分間無駄に苦しんじゃったじゃないですか。
 そのときはもう夜に近い時間帯で、決して患者が溢れかえってるような状態じゃなかったのに……。
 大学病院には不信感を抱く出来事がかなりたくさんありますが、今回のことでますます不信感を抱いてしまいました。
 結局、診察してもらえたのは受付から5時間後。。。
 待ち時間と過呼吸で身も心も疲れ果てて帰りました。
 これじゃ具合悪いときは病院なんて行けないよ〜。
 
 とりあえず、喘息の薬はもらえたので、なんとか養生して悪化しないようつとめたいと思います。

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カウンセリングの本ができあがりました

 満開は過ぎたものの、東京の桜は今しばらく楽しめそうですね。
 家の北側にある公園の桜です。
 手前の派手な花はハナモモ。実をつけない観賞用のモモです。


 さて。
 本日は出版の宣伝です。
 1月にブログにアップした「初カウンセリング体験」でお話した本がようやくできあがりました。

 本の著者は、「電話カウンセリングで悩み相談を行う会社」を経営している社長さんです。
 どうやってビジネスとして成り立っているかというと、「おたくの社員とその家族のメンタルヘルスケアを請け負います」という看板を掲げ、企業と契約するんですね。
 そうすると、その企業の社員とその家族は、24時間電話でそこのカウンセリングが受けられるようになるという仕組み。
 最近は、会社の中にそういった相談窓口があるところも多いようですが、どうしても「社内」だと「会社の人にバレるんじゃないか」という心配がつきまといます。
 その点、外の組織なら、そして顔が見えない電話ならぐっと気が楽になるというわけ。

 「そこまで会社が面倒みる必要あるのか?!」
 と思われる方もいるでしょう。
 私もそう思いました。自分が会社に所属してないのでなおさら。
 でも、話を聞いていると、思った以上に今の社会にはこういうニーズがあるようなのです。
 具体的には、「うまくストレスを発散できない」→「悩みをためこんでいるうちにうつ状態になる」→「うつ病にまで進行するが自分では病気だという自覚がない」→「ある日衝動的に自殺(衝動的な自殺はうつ病の典型的症状)」という経過をたどるケースが多いのですが、自殺までいく人は一部にしても、この中途段階にいる人は相当数いるようです。
 「うつ病は心の風邪」
 などと言われ、以前よりポピュラー感が出てきている「うつ病」ですが、決して軽く見ていい病気ではないんですね。
 風邪をこじらせて死ぬ人はそんなにいないと思いますが、うつをこじらせて死ぬ人は少なくないのです。
 社員がうつ病で自殺なんてことになれば労災で訴えられることも珍しくないし、自殺までいかなくても、うつ状態になれば作業効率は大幅に落ちますから、企業としても「社員のメンタルヘルスは健康診断と同じくらい重視しなければいけない」という危機感をもたざるをえない。そんな企業にとって、メンタルヘルスケアをアウトソーシングできるというのは魅力的な話でしょう。
 実際の相談内容は、ほとんどが病気以前の「誰にでもよくある悩み事」のようですが、この段階でカウンセラーがうまく話を受け止めてガス抜きをすれば、それだけでかなりの「うつ病予防効果」があるそうです。

 本書は、その会社に所属する大勢のカウンセラーさんに「実際にどんな相談を受け、どんな対応をしているのか」を取材し、話をまとめたものです。
 自分に似たケースを見つけて役に立つこともあるかもしれないし、周囲の家族・友人・同僚にうつっぽい人がいて「心配なんだけどどう接したらいいのかわからない」という人へのヒントになるかもしれません。
 「うつ病」の本ではないので、「うつ」について詳しく書かれているわけではないのですが、通して読むと「うつになりやすい現代社会」は浮かび上がってくると思います。
 私自身、取材していて「へぇ〜」とか「なるほど!」とか「なにそれ!」とか「うそでしょ?」とか、いろいろな発見がありましたし、「取材を通して自分を知る」という経験もしました。

 じつは、「カウンセリング初体験」でもちょっと書きましたが、私もちょうど取材中にいろいろなことが重なって具合が悪くなり、自分で「うつ」を疑って病院へ行ったんですね。
 そんなこと、ここでわざわざ言わなくてもいいんですが、「うつ」が認知されてきたとはいえ、実際は具合が悪くなっても「病院へは行きたくない」「自分がうつだとは認めたくない」「うつで治療していることを他人に知られると弱い人間だと思われそう」と思う人がまだまだ多数派だと思います。
 でも、「うつ状態になった」「こういう症状が出た」「治療したらこうなった」という情報をもっとオープンにすれば、「うつ」に対する偏見やタブーもなくなるし、早期発見できる人も増えるはずです。
 取材を通してそのことを強く感じたので、あえて書きます。

 「うつ」に気づくのはなかなか難しいです。
 悩みやストレスは誰にでもあるし、落ち込むことも誰にでもあるので、どこからが「治療が必要な状態なのか」をみきわめるのが非常に困難なんですね。
 一般的にはその状態が長期化して自力ではどうしようもない状態になったら「うつを疑え」と言われています。
 また、「うつ」はただ落ち込むだけではなく、「身体症状」を伴うのですが、その「身体症状」というのが、「肩凝り」とか「頭痛」とか「食欲不振」とか「不眠」とか、「疲れがたまれば誰でも出るようなよくある症状」ばかりなので、それが「うつのせい」だとは気がつきにくいケースが多いのです。

 じゃあどうやって気づいたらいいのか。
 これはもう自分にしかわからない感覚なので、あくまでも自分の経験で説明するしかないんですが、私の場合はまず食欲不振から始まりました。
 去年の9月頃だったかな。
 とにかく食べ物がおいしくない。
 味がしないんです。
 「おいしそう」とか「これが食べたい」という欲求がわかないので、唾液も出にくくなって、ものを飲み込むときに喉がつまるような感じがします。
 無理に食べてましたが、体重はじわじわ落ちていきました。
 もちろん健康的な痩せ方ではなく、筋力から落ちていく感じで、体に力が入りません。
 ただ、このときは家の建て替えと一葉会の公演準備で忙しさが重なってストレスのピークだったので、食欲不振も「ストレスのため。公演が終われば戻る」と思っていました。

 ところが、公演が終わっても食欲は戻らず、疲労も1ヶ月たっても回復しません。
 それに加えて公演後に猛烈な落ち込み状態が襲ってきました。
 今、うつの本を読むと「うつに陥るときの認知の歪みのパターン」にことごとくはまっているのですが、とにかく自分の考えがどうやってもネガティブなほうにしか働かないんですね。
 自分でわざわざ一番苦しい考えを選んでしまうんです。
 人に何かを言われるたびに過敏に反応してしまい、べつに悪口を言われたわけではなくても「非難されている」ように感じたり、「本当はこう思ってる」などと悪いほうに解釈していつまでもそのことでいやな気分をひきずったります。
 頭では「相手はそんな意味で言ってるわけじゃない。受け止める私がそう思いこんでるだけだ」と言い聞かせようとするんですが、頭で思っても気分はコントロールできないんですよ。

 そのうちに、人と会って話すのもしんどくなってきました。
 あいづちを打つエネルギーがないんです。
 普段はあいづちを打つのにエネルギーが必要だなんて考えたこともありませんでしたが、こうなってみて初めて「人の話を聞くってなんてエネルギーがいることなんだろう」と実感しました。
 メールや電話で事務連絡をしたりアポをとったりするといったささいな行動も、普段なら一気に10個くらいこなして当たり前だったのに、1個1個がすごく重く感じられました。

 さらに年が明けてからは、いよいよはっきりとした身体症状が現れるようになりました。
 「疲れる」んです。
 それもちょっとやそっとの「疲れ」ではありません。
 生まれてからこのかた味わったことのないようなすさまじい「疲労感」です。
 なんと言えばいいのか、「地面にずんずんめりこんでいくような感じ」で、起きていられないんです。
 特に昼間がひどくて、1回は昼寝をしないといられない(べつに睡眠が足りてないわけじゃないのに)。日が沈む頃になるとようやく起きて作業ができるようになるんですが、翌日になるとまた同じことの繰り返しです。
 外出するときは、緊張感のため、なんとかもちこたえるんですが、家にいる日はその反動がどっと出て使い物にならなくなります。
 これはさすがに変だと思い、カウンセラーさんに相談したのがちょうどこの頃です。
 カウンセラーさんには「心療内科」の受診を勧められ、1月半ばにこの本の締切をあげたところで紹介されたクリニックを受診しました。

 最初は「原因が比較的はっきりしている」ということで、抗不安剤(いわゆる精神安定剤)を1週間飲んだのですが、それは「前よりは落ち着いたかな?」という程度で特にめざましい変化があったわけではありませんでした。
 1週間後の受診でそう伝えると、今度は抗うつ剤が処方されました。
 これはうつ状態に陥る原因とされる「脳内の神経伝達物質不足」を補う作用があるとのこと。昔は副作用のきつい薬も多かったようですが、今では新しい薬がどんどん開発され、副作用も出にくくなっているそうです。
 抗うつ剤の効果が出るまでの時間は人によって違うけれど、一般的には2〜3週間かかると言われ、なおかつ最初に出されたのが規定量の4分の1という少量だったため、正直なところそんなにすぐに効くとは思っていませんでした。

 ところが!
 これは本当に自分でも信じられないんですが、驚愕するほどはっきりした変化が現れたんです。
 忘れもしません。服用後2日目のことです。
 突然、今まで全身を覆っていた慢性的な疲労感が霧が晴れるように抜け、猛然と「体を動かしたくなる衝動」にかられたんです。
 で、何をしたかというと、「部屋の片づけ」。
 昨日までは目に入るだけで疲労感が増していた段ボールの山を無性に制覇したくなり、その日1日で次から次へと段ボールを空にしていきました。
 自分でも「いくらなんでもこれはおかしい」と思いました。
 だっていくら働いても疲れないんですよ。
 ヒロポン飲んだときってこんな感じなのか?と思いました(笑)。
 夜中になっても「まだまだやれそう」な気分でしたが、さすがに「これ以上やったら翌日反動がくる」と理性が危機感を感じ、作業は途中できりあげました。

 ここまで極端な変化はこの日限りで、以降はわりと普通の状態に落ち着きましたが、結論からいうと「薬は効きました」。
 効き目が出るのが早すぎるような気もしましたが、私はべつのところで漢方も飲んでいて、そちらにも「抗うつ作用」のある成分が多少入っているらしいので、相乗効果で効き目がアップしたのかもしれません。
 疲れのほうは、このあと「いつもに比べて無理をするとそのあとの休みの日にどっと疲れて1日寝てしまう」という状態が何回かありましたが、ドクターの説明によれば、それは回復期に見られる特徴なので、「疲れを感じたら即休む」を繰り返しなさいとのこと。そのうちに無理してももつようになりますと言われました。
 それはまさにその通りで、今はほとんど以前と同じくらいの状態に戻りました。
 症状が回復しても、薬はある程度の期間、飲み続けないと再発しやすいということで、当分服薬は続けますが、我慢できないような副作用もなかったし、私にとっては合っていた薬だったのかもしれません(人によっては合う薬にあたるまで何回も種類を変えたりすることもあるそうです)。

 もちろん、薬を飲んでいるだけではなく、休養も意識的にとっているし、自分が今どういう状態にあるのか細かく意識できるようにもなりました。
 で、あらためて思うのは、この感覚って「美術館で絵を見るようなものだなあ」と。
 うつ状態のときは、絵を至近距離で見ているような感覚で、今はちょっと離れた場所から絵を見ているような感じ。
 絵を鑑賞するときは、距離をとらないと全体像が見えません。
 でもうつ状態のときはその「距離をとること」ができないんですよね。
 自分の「絵を見る位置」が変だとは気づいても、その位置から離れるのは自力ではできない。そして絵の全体が見えないから不安が募る。
 離れてみれば「なんだ、こんな絵か」と思うんですが、それだけのことが「できない」。
 「距離をとる」というのはイコール「心の余裕」ってことなんだろうなと思います。

 以上が私のうつ体験です。
 それまでは「エネルギッシュでアクティブで前向きな人はうつにはならない」と思っていましたが、それは違うと今ならわかります。
 条件が重なれば誰でも「うつ」にはなります。
 強いていえば、「エネルギッシュな人」は、
 「自分を向上させようという意欲が強いだけに、うまくいかなかったときのダメージが大きいこと」
 「自分はうつになるようなタイプではないと思いこみがちである」
 この2点のために、むしろうつが悪化するリスクは高いと思います。
 これを読んで「自分、ちょっとやばいかも…」と思ったら、素人判断はせず、病院を訪ねることをお勧めします。
 自分を楽にできるのは結局最終的には自分しかいません。

 というわけで、自分の話が多くなってしまいましたが、もし興味をもたれた方は、ぜひぜひ本書をお買い求めください。本の情報はここ
 書店では「心理学」系ではなく「自己啓発」系に分類されてるようですが、それほど部数が出回っているわけではないので、みつけるのは難しいかも。
 もし私に直接会う機会のある方は、お申し付けください。直販いたします。

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皇居東御苑ウォッチング

 寒かったり、暑かったり、春らしく不順な気候が続いていますが、いろいろな花が一斉に咲き始めるとそれだけでなんだかウキウキしてきますね。
 新しい家に移ってから急に「花と緑」関係に興味を持ちだした私は、晩秋くらいから観葉植物を育て始めましたが、冬の間はさすがに動きがなかったものの、最近は新芽がボコボコ出てきました。
 新芽っていいですね〜。観察しているだけで癒されます。
 さらに、同じ頃にベランダのコンテナに植えた球根も花を咲かせました。



 やっぱり春はクロッカスですね!
 最初に花が開いたのを見たときには月並みですけどすんごい嬉しかったですよ。なんか冬の間はとても咲くような気がしなかったんで。
 やっぱ時期がくればちゃんと咲くんだ、花って。と当たり前のことに感動したりしました。
 が!
 同じ時期にクロッカスの後ろに植えた水仙が全然咲かない。
 葉っぱはかなり早い時期から出てるんですが、そこから先がとまっちゃっててどうにもこうにも動かないんですよ。
 同時に楽しめると思ったのに、これじゃクロッカスが終わっちゃうじゃん!
 レミゼ貧乏さんに話したら、「うーん、なんか壁にぶちあたってるんだろうねぇ」としみじみ言われました。
 いったいなにが起こったんだ、水仙!
 人生山あり、谷あり。固まりたくなるような日もあるだろうが、早く壁を乗り越えて咲いてくれ!

 というわけで、続きの「皇居散策編」にいきたいと思います。
 その前に、ランチの内容をご紹介。
 お昼はちょっと早いけど11時にとりました。場所は、丸ビル内のベトナムフレンチのお店。ご存じの通り、お昼時の丸ビルは大変混み合うので、早めにランチタイムにするほうが無難だろうと思い、午前中のバスツアーは11時前に終了するようにプランニングしたのです。
 店内の雰囲気はコロニアル風で落ち着いた内装。東京駅に面したカウンター席で食するベトナムフレンチは大変美味でした。
 生春巻き好きの私は、特に前菜の生春巻き3点盛りにうっとりでした。
 これに肉料理か魚料理、フォー、デザート、ロータスティーがついて2500円也。

 

 
 1時頃、満腹になったところで、「皇居散策」に向かいました。
 皇居は、いくつか一般公開されている区域がありますが、今回訪れたのは「東御苑」(←クリックすると園内見取り図にとびます)。
 今回は、東側の大手門よりスタートし、北側の北詰橋門でゴールするコースをとりました。
 下の写真は、大手門と、大手門前から見た桔梗濠の写真(東京タワーがうっすらと見えます)。

 


 入口で札をもらって中へ。
 おお……緑が多い!
 季節が季節なので、落葉樹はほとんど丸裸でしたが、それでも東京のど真ん中にこんなに緑が多く残っているのかと驚きました。
 東御苑はさながら「リアル植物図鑑」です。
 その季節に咲く代表的な植物はだいたい揃ってるという感じ。
 あらかじめ、ネット上で「今、咲いている植物」の一覧をプリントしてきたので、それを見ながら植物をチェック。
 まず、注目したのは、近日中にうちの裏庭に植えようと思っている「アセビ」と「沈丁花」です。
 沈丁花は1カ所しか咲いてませんでしたが(それもピンクのみ)、アセビはかなりあちこちに咲いていました。
 沈丁花はわりとどこででもみかけるのでどんな花かわかってるのですが、アセビはあまりなじみがなかったので、この機会にじっくり観察しました。
 なかなかかわいいです。
 特にピンクがすごくかわいい!
 逆に、沈丁花はピンクよりも白のほうがすっきりしててきれいな気がするので、白沈丁花とピンクアセビのコンビもいいかもしれないなあ。
 でもアセビは「馬が食べると苦しむ」と言われるように、有毒植物で、草食獣は絶対に食べないらしい。かわいい顔してけっこうこわいです。



 


 ひき続き、早春の花々をお楽しみください。
 上段左はカンザクラ。右はウメ。
 中段はヒュウガミズキ。
 下段左はクサボケ。右はミツマタです。

 




 


 ミツマタは紙の原料になる花で、紙幣に使われていることは有名です。
 名前の由来は文字通り枝が3つに分かれているから。
 他にはキブシとか、コブシとかが満開でした。

 しばらく行くと、ニノ丸庭園と呼ばれるエリアに出ました。
 ここでは池を中心として、椿や水仙などが咲いていました。
 水仙、こんなに咲いてんじゃん!
 くやし〜〜!



 ふと見ると、そばに沼が干上がったような場所があり、そのあちらこちらに「これから咲くつもりですけどなにか?」といった風情の「芽」が出ていました。
 そこにたっている札の名前がおもしろい。なんというか風流なんですよ。
 「葵の上」「古希の色」「剣の舞」「江戸自慢」などなど、何十という数の気になる名前の札が立っています。
 特にツボだったのが「深窓の佳人」。すごいなー。どんな箱入りなんだよ。
 はたしてこれらの群はなんの植物なんだろうか。。。。
 気になりつつ帰った私はネットで調べてみました。
 ………あった!
 答えは「ハナショウブ」でした。
 なんでも、「ハナショウブ」の品種改良は江戸時代にかなり盛んに行われていて、中でも「江戸系」と呼ばれる江戸で改良された種類がここに残っているらしい。
 気になる「深窓の佳人」の素顔も載っていました(笑)。さすがに品がありました。
 それにしてもハナショウブの品種ってこんなにあるんだ〜。
 奥が深そうだ。。。
 開花期は6月上旬から7月上旬にかけてとあります。
 その頃になったら「ハナショウブツアー」に行ってこようかな。
 この子たちがどんな花を咲かせるのか、見てみたくなりました。
 「大神楽」の将来がちょっと心配なんですが(↓)。

 


 この他、「都道府県の木」というコーナーがあって、たとえば松だったら「愛媛の松」とか「琉球の松」などちょっとずつ形が違う松が並んでいるんですけど、ここがけっこうおもしろかった。
 地域によって少しずつ品種が違うのが興味深いです。

 最後に東御苑のみどころをご紹介。
 それはここ。あの「松の廊下跡」です。



 今は説明の立て札が立っているのみで、なんの片鱗もありませんが、この場所にあったことはたしからしい。
 なんか松が植わっていたりするので、「そうか。松が植わっていたから『松の廊下』なのね」とか誤解しそうですが、実際は襖絵に松が描かれていたので「松の廊下」と呼ばれていたんだそうです。
 この松は絶対狙って植えたね(笑)。

 立て札には、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の「松の廊下シーン」を描いた錦絵が載っていて、レミゼ貧乏さんと「絶対ここの前でこれの真似して写真撮ってる人いるよねー」という話になり、そのうちに絵を見ながらキャスティングにまで発展しました。
 以下、関係者にしかわからない内輪受けネタですが、ご容赦ください。

 吉良→K先生
 浅野→A先生
 浅野をとめる侍→Kさん
 吉良が助けを求める侍→Sさん
 柱の影から見守る坊主→Hさん



 なんだかんだで2時間が経過し、北詰橋門を出た時刻は3時に。
 ちょうどその頃から雨がポツポツ降り出してきたので、竹橋の毎日新聞本社ビル内のスタバに入り、長々お茶をしてからツアーはお開きになりました。

 いやー、疲れたけど充実した1日でした。
 植物なんて今までまったく関心なかったけど、いざ自分ちの庭を造ろうと思ってプランを立て始めると、植物見るのが楽しくてたまらない。
 今後も季節ごとに訪ねたいスポットです。

 まだ本格的に花が咲いていないせいか、園内は人が少なく、たまにいても外国人ばかり。なんかもったいないなー。
 レミゼ貧乏さんは、枯れ木が多いことを気にして、「あのー、今はこんなだけど、この子たち、こんなもんじゃないんです。もっと暖かくなったら、もっともっときれいになるんです…って言い訳しにいきたいね」とつぶやいていました(笑)。

 長くなりましたが、2回にわたってお送りした「丸の内ツアー」、いかがでしたか?
 今後もおのぼりさん気分全開で、“知らなかった東京”を体験していきたいです。

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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