古伊万里★新伊万里
劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です
春ドラチェック(2)
- 2009/05/23 (Sat)
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ここで間をあけてしまうとそのまま放置になるので、頑張って残りをアップします(ってもう充分空いたか)。
すでに脱落してしまったドラマも多数なんですが、残りのドラマの中でわりと楽しんでいるのは「ザ・クイズショウ」(日本TV/土曜9時〜)。
一度幕が開いたら最後まで中断できないというライブ感といい、スタッフは技術的なフォローはできてもあとはバックヤードで見守ることしかできないという状況といい、ここで繰り広げられるドラマはとても演劇の緊張感に近いです。
「生放送」を見ている人たちというのは、そこになにかしら「予測不可能」な事件が起きることを期待します(スタッフにとっては起きてもらっては困るわけですが)。
昔の「紅白歌合戦」がおもしろかったのはその「不確実性」があったからで(よく言えばおおらか)、今は厳密に段取られすぎててすべてが予定調和になってしまった。だからつまんなくなったんだという意見がありましたが、それは一理あるかもしれません。このドラマはそういう心理をうまくついています。
ちゃんと段取りも決まってるはずのクイズ番組なのに、MCとディレクターのスタンドプレイにより進行が台本通り進まず、クイズという形を借りて容赦なくゲストのプライベートな秘密を暴いていく…という内容のドラマなんですが、まずはその仕掛けが刺激的。
追いつめて行くMCと、追いつめられるゲストの緊迫感溢れる駆け引きは、それこそ手に汗握る心理戦で、最終的にゲストはTVカメラの前ですべての虚飾をはぎとられます。
パターン毎回同じっちゃー同じなんだけど、ゲストによって「破滅にいたる者」あり、「仮面を脱ぎ捨てて再生する者」あり…と若干バリエーションがあり、相対的に見ると女性のほうが同情の余地があるように作られているようです。
櫻井翔は、愛想の良さを保ったまま無礼な物言いを躊躇なく貫き通すという、ある種「人間っぽくない役どころ」がなかなかはまっていますが、彼自身が抱えているらしい秘密(トラウマ?)の部分を表すシーンの表現は、残念ながら手に余っている様子。毎回、頭を押さえて叫ぶだけっていうのもそろそろ飽きてきた。。。
プロデューサー役の真矢みきは、いつものようなクールなバリキャリ役かと思いきや、一番翻弄されるかっこわるい役どころというのがちょっと新鮮。
横山裕は、頑張ってるんだけどいかにも若すぎるよねー。
真矢みきとか、泉谷しげるとか、榎木孝明とか、うるさそうなベテランがスタッフにはいっぱいいるのに、なぜこんなに若い彼がこれほどやりたい放題やって、番組を私物化して、いつもなにもお咎めなしなのか(いつも怒られるのは真矢)。そのへんの説得力がどうにも薄い。
もうちょっと年食ってて、くせがあって、その人の仕事には誰も口を出せないっていう感じの人だったらわかるんだけど。
櫻井くんも若いので、コンビとしてMCは若くて、ディレクターはおっさんっていうほうがバランスいい気もします。
ていうと、また40代女子は「佐藤浩市」と言い出しそうだが(笑)、もうちょっと露出してない感じの人のほうがいいな。なに考えてんのかわかんないみたいなおっさん。
あと素朴な疑問なんだけど、どうしてみんな毎回出演依頼をひき受けちゃうんだろうね。
最初の人だけならともかく、ここまでセンセーショナルな(個人の犯罪をTVの前で暴くような)番組だってことが世の中に知れ渡ったら、当然後ろ暗いところのある人は出演を断るんじゃないかと思うんだけど。それも軽い犯罪ならともかく、暴かれる罪が殺人とかなっちゃうと話が大きすぎ!
その問いに対して横山ディレクターは「夢をつかもうとする人間がいる限り、クイズショウに出る人間はいなくならない」みたいなことを言ってた気がしますが、いくら夢をつかむったって、ここに出てくる人たちはほとんどが成功者ですよね。つかみとるよりも守りたいもののほうが大きいはず。なのに、こんなにリスクの高い番組に出るっていうのがどうしても不思議なんですよね。自分から野獣のいる檻に入るようなものじゃないですか。
いろいろな業界の有名人が毎回出てくるという趣向は「古畑」みたいで楽しいけど、長く続けば続くほどそういう点で無理が出てきてしまう気がします。
「臨場」(テレビ朝日/水曜9時〜)は、前クールで「ヴォイス」があったので、なんとなく既視感があるんですけど、「ヴォイス」は医者の立場、こっちは警察の立場という違いがあります。
内野さんが思ったほど暴走しないのが物足りないけど、松下由樹の大人の安定感がドラマを引き締めています。
この手のドラマには、本筋以外のところでおふざけっぽいやりとりが入りがちですが、このドラマはそういう要素はほとんどなし。地味だけど、手堅く作ってる印象です。さすがテレ朝。
すごくおもしろいとは思わないけど、そこそこ楽しめます。視聴率もけっこういいようですし。
ガーデニングオタクの主人公が、毎朝植物に語りかけてるのが気持ち悪い、あんなことする人いない、と評判悪いらしいですが、私は「わかる、わかる」と思いながら見てたのでショックでした(笑)。
「スマイル」(TBS/金曜10時〜)は、ちょっと脱落寸前です。。。
あまりにも「けなげに生きてる弱者」と「平気で人を傷つける強者」の対比が類型的だし、全員が重い事情背負い過ぎ。
フィリピンハーフと、悪徳新興宗教教祖の父をもつ失語症の少女と、あきらかに在日コリアンらしきフラグ立ちまくりの中年弁護士。
外国人労働者や前科者の面倒をみている町の食品工場の社長は不正の罪を着せられて首つり自殺。
社長に不利な証言をした女性は、結婚詐欺にあってお金をだましとられ、しかも子供できててシングルマザーに。
もういい加減にしてほしい
ここまで重い事情がてんこもりの割には、出てくる人たちがみんなやけくそみたいに能天気で無防備で楽観的なのもなんだかなーという感じ。
それに比して、問題の解決のしかたとか、改心のタイミングとかもだんだんご都合が増えてきた。
最初はどっちでもない中井貴一のスタンスに興味があって、彼の動向に注目してたんだけど、その彼もものすごいスピードで町村フーズの中に入っていっちゃったんで、ますます図式化がつまらなくなりました。
新垣結衣ちゃんは普通にセリフのある役だといつも能面みたいな印象だけど、失語症の役は意外にも表情がきらきらいきいきしてて、魅力的。
しかし、ガッキーはかわいいんだけど、この役のキャラはちょっとひくなー。
「ぼくの妹」(TBS/日曜9時〜)は、これまた脱落寸前。。。
コメディなのか、サスペンスなのか、人情なのか、いったいどういうテイストなのかがいまだにわかりません。
いってみればこの兄妹は突然事件に巻き込まれるわけですが、その巻き込まれっぷりがあまりにも理不尽で、なぜここまでひどい目に遭わなきゃいけないのかわからなくて胸くそ悪い。
逆恨みの千原ジュニアは、不気味とかいう以前に言動すべてにむかつきます。自分の不幸をそこまで正当化されても。。。
オダジョーのナレーションが異様に多いのもだるいし、髪型も変(笑)。あんな髪型の先生が外来にいたらいやだ〜。
「コンカツ・リカツ」(NHK/金曜10時〜)は…ドラマというよりは「トレンド解説再現ドラマ」みたいな感じ。
松坂慶子と桜井幸子が驚異的に大根で、それがかえって「親子っぽさ」をかもしだしてます。松坂、また一段とふくよかに。。。でもお肌は異様に若いです。
ここでは「リ・カツコ」こと離婚調停中の清水美沙(見栄っ張りで計算高い)が同性に嫌われる「困ったちゃん」として描かれていますが、私から見ると「コン・カツコ」こと桜井幸子のほうがずっとデンジャラスゾーンに踏み込んでると思います。
40歳で未婚で親と同居はまあ今の時代珍しくないとして、その年で(友人たちも見ている前で)「お母さん、だ〜い好き!ずっと一緒にいてね。私より先に死んじゃいやだよ」と甘えまくる図にドン引き。
そんな娘に「あらあら」とひたすら甘い母・松坂。
40歳でこれはやばくないか???
結婚するしない以前の問題だよ。
また桜井幸子が、若いときとまったく変わらないたどたどしいしゃべり方で「てへっ」とかやってるんで、ますます薄ら寒い状況に。
娘のあまりののほほんぶりにさすがに不安を感じた母は、意を決して「3ヶ月以内にこの家を売るからそれまでに結婚相手をみつけなさい」と宣言。
それで初めて「今のままじゃいられないんだ」と気づいてコンカツを始める娘…という展開になるんですが、もともとボーッとしている娘は、周囲の友人にたきつけられながらでないと自分一人では何もできない。
それ見てて思ったんですが、この人「結婚」する必要あるんですかね?
本人に確固たる結婚願望がある。あるいはもっと若い年齢である。というならわかるけど、結婚は運任せでいいくらいに思ってて、40歳までお一人様の人生をそれなりにお気楽に楽しく過ごしてしまった彼女にとって、まず必要なのは「一生一人で生きる覚悟」じゃないでしょうか。
3ヶ月後に実家を追い出されるというなら、3ヶ月後から一人暮らしする準備すりゃあいいんですよ。無職ってわけじゃなし。
そうすれば人生や結婚に対する考え方も変わってくるだろうし、人とのつきあい方も親との関わり方も変わってくるでしょう。
そんな中で、「これ」と思う出会いとタイミングがあったらそのときに結婚すりゃあいいんですよ。
家出なきゃいけないからとか、勝手に期限作って、その中で相手みつければいいんだって考え自体がすごく安易だし、選ばれた相手だってそんなその場しのぎみたいな結婚、失礼じゃないですか(まあ相手もそういう考えならそれほど失礼じゃないのかな)。
そう言うと類似したタイトルの別の某ドラマにも同じことが言えるんですが。
作中人物で誰もそういう指摘をする人がいないのが不思議です。
あと「結婚に条件を求めるのは当たり前」という論調が何度も出てくるんですけど、条件っていうのは当然向こう側にもあるわけじゃないですか。
このドラマには女側の条件ばかりが出てきて、自分が採点されるという視点がないので、単なる「雨夜の品定め〜ガールズトークヴァージョン〜」にしかなってない気がします。
本気で結婚したかったら、もっと冷静に相手のニーズと、自分の商品価値(自分が相手にどんなメリットを与えられるか)を検討しますよね。
損得勘定ってそういうことでしょう。
もちろん、損得だけで結婚してない人も世の中にはたくさんいますが、それは「期限をつける」とか「チェック項目に照合する」というやり方の延長線上には出てこないと思うんです。
「コンカツ」って一種の流行語にまでなってるくらいなので、それを通して何を訴えたいのかに興味がいくわけですが、残念ながらただはやりもののキーワードを並べただけで、中に出てくることや言ってることは特に新味のあるものではなかったですね。
こっちは女の「コンカツ」ものですが、男の「コンカツ」を描いたのが「婚カツ!」(フジ/月曜9時〜)。
ジャニーズ主演で、出演者陣も抜かりなく豪華で、しかも天下の月9で、視聴率1桁という不名誉な記録を作ってしまったドラマですが、これはTV雑誌のコラムに書く予定なのでここでは省略します。
同様の理由で「魔女裁判」(フジ/土曜深夜〜)、今日から始まる「MR.BRAIN」(TBS/土曜8時〜)も省略。
最後に。
以下、4本は初回で脱落したものです。
「BOSS」(フジ/木曜10時〜)
「離婚弁護士」の刑事版って感じ?
多くを望まなければそこそこ楽しむことはできそう。と思って初回を見ましたが、いきなり退屈してしまいました。
何を見ても既視感だらけだし、天海のこの手のキャラはもう食傷気味。
今思えば天海の一番のはまり役は「女王の教室」。
彼女には地とかけはなれた役をやらせたほうが魅力が生きると思います(ヅカ時代からそうでした)。
でも初回の猟奇犯の役が武田鉄矢っていうのはびっくりしました。
猟奇犯なんだけどやっぱりどこか説教くさいのが笑えた。
お茶屋をやっても猟奇犯をやってもうんちく好きな金八先生。。。
「夜光の階段」(テレ朝/木曜9時〜)
今時朝ドラでもこんなベタなナレーション入らないよねっていうナレーション付きにびっくり。昭和の匂いプンプンで携帯電話が出てくるのに違和感を感じるほど。
藤木直人がジゴロ的キャラを演じるのに初回から限界を感じました。
藤木って男子校出身ぽい匂いがあって、色恋にマメなタイプにはどーしてみ見えない。言ってみれば(誰とは言わないけど)女子校出身者っぽい人が「男を狂わす魔性の女」をやるくらい無理がある。
強いて言えば、この昭和の世界に無理なくマッチする荻野目慶子が気になりました。初回を見る限りでは色恋に狂う女たち人脈からははずれたポジにいるおばさんでしたが、彼女がこのままで終わるとは思えない(笑)。
もし続けて視聴してる人がいるならば、ぜひその後の荻野目続報をきかせてプリーズ。
「ゴッドハンド輝」(TBS/土曜8時〜)
もう終わっちゃったみたいなんでいいんですけど。。。
とにかく医療ドラマだと思ってみたら腰砕けです。
あまりの荒唐無稽さに唖然。
いくら救急患者の緊急オペとはいえ、なんのキャリアもない研修医があそこまで勝手なふるまいができるか?
ドラマ見てるほうは彼が超人的なパワーの持ち主だって知ってるから「やれやれ!」と思うかもしれないけど、病院の上の人は少なくともリスクを伴う行為はなにがなんでも止めるでしょう。なにかあったら責任とるのは自分たちなんだから。
超人は出てきてもかまわないけど、周囲の対応が現実的でないのがダメ。
先日、友人に「だからね、主人公の死んだおとうさんが天才外科医でね、普段はへたれの新米外科医なんだけど、手術のここぞ!というシーンになるといきなりおとうさんが憑依して凄腕になるのよ」と説明したら、「……それって『ゴッドハンド輝』じゃなくて、『ゴッドハンドおとうさん』じゃないですか」と冷静なつっこみが。。。
ごもっとも
「アタシんちの男子」(フジ/火曜9時〜)
「イケパラ」に「メイちゃん」の路線ですね。
私の周りではこういうのけっこう楽しんでる人が多いんですが、私はイケメンにあまり興味がないため、人海戦術にしか見えません。
「ゴーストフレンズ」(NHK/木曜8時〜)
福田沙紀にブリブリ演技は無理。
「ゴッドハンド輝」「アタシんちの男子」と並んで、大人が集中して毎週見ようという気になれるドラマではないです。
だから8時台なんだよって言われたらそれまでなんですが。
なんとかこれで全部おさえたかな。漏れてるのも数本ありますが、それは最初からはずしてたとお考え下さい。
とりあえず、春クールは最後まで書いたぞ!!\(^0^)/
すでに脱落してしまったドラマも多数なんですが、残りのドラマの中でわりと楽しんでいるのは「ザ・クイズショウ」(日本TV/土曜9時〜)。
一度幕が開いたら最後まで中断できないというライブ感といい、スタッフは技術的なフォローはできてもあとはバックヤードで見守ることしかできないという状況といい、ここで繰り広げられるドラマはとても演劇の緊張感に近いです。
「生放送」を見ている人たちというのは、そこになにかしら「予測不可能」な事件が起きることを期待します(スタッフにとっては起きてもらっては困るわけですが)。
昔の「紅白歌合戦」がおもしろかったのはその「不確実性」があったからで(よく言えばおおらか)、今は厳密に段取られすぎててすべてが予定調和になってしまった。だからつまんなくなったんだという意見がありましたが、それは一理あるかもしれません。このドラマはそういう心理をうまくついています。
ちゃんと段取りも決まってるはずのクイズ番組なのに、MCとディレクターのスタンドプレイにより進行が台本通り進まず、クイズという形を借りて容赦なくゲストのプライベートな秘密を暴いていく…という内容のドラマなんですが、まずはその仕掛けが刺激的。
追いつめて行くMCと、追いつめられるゲストの緊迫感溢れる駆け引きは、それこそ手に汗握る心理戦で、最終的にゲストはTVカメラの前ですべての虚飾をはぎとられます。
パターン毎回同じっちゃー同じなんだけど、ゲストによって「破滅にいたる者」あり、「仮面を脱ぎ捨てて再生する者」あり…と若干バリエーションがあり、相対的に見ると女性のほうが同情の余地があるように作られているようです。
櫻井翔は、愛想の良さを保ったまま無礼な物言いを躊躇なく貫き通すという、ある種「人間っぽくない役どころ」がなかなかはまっていますが、彼自身が抱えているらしい秘密(トラウマ?)の部分を表すシーンの表現は、残念ながら手に余っている様子。毎回、頭を押さえて叫ぶだけっていうのもそろそろ飽きてきた。。。
プロデューサー役の真矢みきは、いつものようなクールなバリキャリ役かと思いきや、一番翻弄されるかっこわるい役どころというのがちょっと新鮮。
横山裕は、頑張ってるんだけどいかにも若すぎるよねー。
真矢みきとか、泉谷しげるとか、榎木孝明とか、うるさそうなベテランがスタッフにはいっぱいいるのに、なぜこんなに若い彼がこれほどやりたい放題やって、番組を私物化して、いつもなにもお咎めなしなのか(いつも怒られるのは真矢)。そのへんの説得力がどうにも薄い。
もうちょっと年食ってて、くせがあって、その人の仕事には誰も口を出せないっていう感じの人だったらわかるんだけど。
櫻井くんも若いので、コンビとしてMCは若くて、ディレクターはおっさんっていうほうがバランスいい気もします。
ていうと、また40代女子は「佐藤浩市」と言い出しそうだが(笑)、もうちょっと露出してない感じの人のほうがいいな。なに考えてんのかわかんないみたいなおっさん。
あと素朴な疑問なんだけど、どうしてみんな毎回出演依頼をひき受けちゃうんだろうね。
最初の人だけならともかく、ここまでセンセーショナルな(個人の犯罪をTVの前で暴くような)番組だってことが世の中に知れ渡ったら、当然後ろ暗いところのある人は出演を断るんじゃないかと思うんだけど。それも軽い犯罪ならともかく、暴かれる罪が殺人とかなっちゃうと話が大きすぎ!
その問いに対して横山ディレクターは「夢をつかもうとする人間がいる限り、クイズショウに出る人間はいなくならない」みたいなことを言ってた気がしますが、いくら夢をつかむったって、ここに出てくる人たちはほとんどが成功者ですよね。つかみとるよりも守りたいもののほうが大きいはず。なのに、こんなにリスクの高い番組に出るっていうのがどうしても不思議なんですよね。自分から野獣のいる檻に入るようなものじゃないですか。
いろいろな業界の有名人が毎回出てくるという趣向は「古畑」みたいで楽しいけど、長く続けば続くほどそういう点で無理が出てきてしまう気がします。
「臨場」(テレビ朝日/水曜9時〜)は、前クールで「ヴォイス」があったので、なんとなく既視感があるんですけど、「ヴォイス」は医者の立場、こっちは警察の立場という違いがあります。
内野さんが思ったほど暴走しないのが物足りないけど、松下由樹の大人の安定感がドラマを引き締めています。
この手のドラマには、本筋以外のところでおふざけっぽいやりとりが入りがちですが、このドラマはそういう要素はほとんどなし。地味だけど、手堅く作ってる印象です。さすがテレ朝。
すごくおもしろいとは思わないけど、そこそこ楽しめます。視聴率もけっこういいようですし。
ガーデニングオタクの主人公が、毎朝植物に語りかけてるのが気持ち悪い、あんなことする人いない、と評判悪いらしいですが、私は「わかる、わかる」と思いながら見てたのでショックでした(笑)。
「スマイル」(TBS/金曜10時〜)は、ちょっと脱落寸前です。。。
あまりにも「けなげに生きてる弱者」と「平気で人を傷つける強者」の対比が類型的だし、全員が重い事情背負い過ぎ。
フィリピンハーフと、悪徳新興宗教教祖の父をもつ失語症の少女と、あきらかに在日コリアンらしきフラグ立ちまくりの中年弁護士。
外国人労働者や前科者の面倒をみている町の食品工場の社長は不正の罪を着せられて首つり自殺。
社長に不利な証言をした女性は、結婚詐欺にあってお金をだましとられ、しかも子供できててシングルマザーに。
もういい加減にしてほしい

ここまで重い事情がてんこもりの割には、出てくる人たちがみんなやけくそみたいに能天気で無防備で楽観的なのもなんだかなーという感じ。
それに比して、問題の解決のしかたとか、改心のタイミングとかもだんだんご都合が増えてきた。
最初はどっちでもない中井貴一のスタンスに興味があって、彼の動向に注目してたんだけど、その彼もものすごいスピードで町村フーズの中に入っていっちゃったんで、ますます図式化がつまらなくなりました。
新垣結衣ちゃんは普通にセリフのある役だといつも能面みたいな印象だけど、失語症の役は意外にも表情がきらきらいきいきしてて、魅力的。
しかし、ガッキーはかわいいんだけど、この役のキャラはちょっとひくなー。
「ぼくの妹」(TBS/日曜9時〜)は、これまた脱落寸前。。。
コメディなのか、サスペンスなのか、人情なのか、いったいどういうテイストなのかがいまだにわかりません。
いってみればこの兄妹は突然事件に巻き込まれるわけですが、その巻き込まれっぷりがあまりにも理不尽で、なぜここまでひどい目に遭わなきゃいけないのかわからなくて胸くそ悪い。
逆恨みの千原ジュニアは、不気味とかいう以前に言動すべてにむかつきます。自分の不幸をそこまで正当化されても。。。
オダジョーのナレーションが異様に多いのもだるいし、髪型も変(笑)。あんな髪型の先生が外来にいたらいやだ〜。
「コンカツ・リカツ」(NHK/金曜10時〜)は…ドラマというよりは「トレンド解説再現ドラマ」みたいな感じ。
松坂慶子と桜井幸子が驚異的に大根で、それがかえって「親子っぽさ」をかもしだしてます。松坂、また一段とふくよかに。。。でもお肌は異様に若いです。
ここでは「リ・カツコ」こと離婚調停中の清水美沙(見栄っ張りで計算高い)が同性に嫌われる「困ったちゃん」として描かれていますが、私から見ると「コン・カツコ」こと桜井幸子のほうがずっとデンジャラスゾーンに踏み込んでると思います。
40歳で未婚で親と同居はまあ今の時代珍しくないとして、その年で(友人たちも見ている前で)「お母さん、だ〜い好き!ずっと一緒にいてね。私より先に死んじゃいやだよ」と甘えまくる図にドン引き。
そんな娘に「あらあら」とひたすら甘い母・松坂。
40歳でこれはやばくないか???
結婚するしない以前の問題だよ。
また桜井幸子が、若いときとまったく変わらないたどたどしいしゃべり方で「てへっ」とかやってるんで、ますます薄ら寒い状況に。
娘のあまりののほほんぶりにさすがに不安を感じた母は、意を決して「3ヶ月以内にこの家を売るからそれまでに結婚相手をみつけなさい」と宣言。
それで初めて「今のままじゃいられないんだ」と気づいてコンカツを始める娘…という展開になるんですが、もともとボーッとしている娘は、周囲の友人にたきつけられながらでないと自分一人では何もできない。
それ見てて思ったんですが、この人「結婚」する必要あるんですかね?
本人に確固たる結婚願望がある。あるいはもっと若い年齢である。というならわかるけど、結婚は運任せでいいくらいに思ってて、40歳までお一人様の人生をそれなりにお気楽に楽しく過ごしてしまった彼女にとって、まず必要なのは「一生一人で生きる覚悟」じゃないでしょうか。
3ヶ月後に実家を追い出されるというなら、3ヶ月後から一人暮らしする準備すりゃあいいんですよ。無職ってわけじゃなし。
そうすれば人生や結婚に対する考え方も変わってくるだろうし、人とのつきあい方も親との関わり方も変わってくるでしょう。
そんな中で、「これ」と思う出会いとタイミングがあったらそのときに結婚すりゃあいいんですよ。
家出なきゃいけないからとか、勝手に期限作って、その中で相手みつければいいんだって考え自体がすごく安易だし、選ばれた相手だってそんなその場しのぎみたいな結婚、失礼じゃないですか(まあ相手もそういう考えならそれほど失礼じゃないのかな)。
そう言うと類似したタイトルの別の某ドラマにも同じことが言えるんですが。
作中人物で誰もそういう指摘をする人がいないのが不思議です。
あと「結婚に条件を求めるのは当たり前」という論調が何度も出てくるんですけど、条件っていうのは当然向こう側にもあるわけじゃないですか。
このドラマには女側の条件ばかりが出てきて、自分が採点されるという視点がないので、単なる「雨夜の品定め〜ガールズトークヴァージョン〜」にしかなってない気がします。
本気で結婚したかったら、もっと冷静に相手のニーズと、自分の商品価値(自分が相手にどんなメリットを与えられるか)を検討しますよね。
損得勘定ってそういうことでしょう。
もちろん、損得だけで結婚してない人も世の中にはたくさんいますが、それは「期限をつける」とか「チェック項目に照合する」というやり方の延長線上には出てこないと思うんです。
「コンカツ」って一種の流行語にまでなってるくらいなので、それを通して何を訴えたいのかに興味がいくわけですが、残念ながらただはやりもののキーワードを並べただけで、中に出てくることや言ってることは特に新味のあるものではなかったですね。
こっちは女の「コンカツ」ものですが、男の「コンカツ」を描いたのが「婚カツ!」(フジ/月曜9時〜)。
ジャニーズ主演で、出演者陣も抜かりなく豪華で、しかも天下の月9で、視聴率1桁という不名誉な記録を作ってしまったドラマですが、これはTV雑誌のコラムに書く予定なのでここでは省略します。
同様の理由で「魔女裁判」(フジ/土曜深夜〜)、今日から始まる「MR.BRAIN」(TBS/土曜8時〜)も省略。
最後に。
以下、4本は初回で脱落したものです。
「BOSS」(フジ/木曜10時〜)
「離婚弁護士」の刑事版って感じ?
多くを望まなければそこそこ楽しむことはできそう。と思って初回を見ましたが、いきなり退屈してしまいました。
何を見ても既視感だらけだし、天海のこの手のキャラはもう食傷気味。
今思えば天海の一番のはまり役は「女王の教室」。
彼女には地とかけはなれた役をやらせたほうが魅力が生きると思います(ヅカ時代からそうでした)。
でも初回の猟奇犯の役が武田鉄矢っていうのはびっくりしました。
猟奇犯なんだけどやっぱりどこか説教くさいのが笑えた。
お茶屋をやっても猟奇犯をやってもうんちく好きな金八先生。。。
「夜光の階段」(テレ朝/木曜9時〜)
今時朝ドラでもこんなベタなナレーション入らないよねっていうナレーション付きにびっくり。昭和の匂いプンプンで携帯電話が出てくるのに違和感を感じるほど。
藤木直人がジゴロ的キャラを演じるのに初回から限界を感じました。
藤木って男子校出身ぽい匂いがあって、色恋にマメなタイプにはどーしてみ見えない。言ってみれば(誰とは言わないけど)女子校出身者っぽい人が「男を狂わす魔性の女」をやるくらい無理がある。
強いて言えば、この昭和の世界に無理なくマッチする荻野目慶子が気になりました。初回を見る限りでは色恋に狂う女たち人脈からははずれたポジにいるおばさんでしたが、彼女がこのままで終わるとは思えない(笑)。
もし続けて視聴してる人がいるならば、ぜひその後の荻野目続報をきかせてプリーズ。
「ゴッドハンド輝」(TBS/土曜8時〜)
もう終わっちゃったみたいなんでいいんですけど。。。
とにかく医療ドラマだと思ってみたら腰砕けです。
あまりの荒唐無稽さに唖然。
いくら救急患者の緊急オペとはいえ、なんのキャリアもない研修医があそこまで勝手なふるまいができるか?
ドラマ見てるほうは彼が超人的なパワーの持ち主だって知ってるから「やれやれ!」と思うかもしれないけど、病院の上の人は少なくともリスクを伴う行為はなにがなんでも止めるでしょう。なにかあったら責任とるのは自分たちなんだから。
超人は出てきてもかまわないけど、周囲の対応が現実的でないのがダメ。
先日、友人に「だからね、主人公の死んだおとうさんが天才外科医でね、普段はへたれの新米外科医なんだけど、手術のここぞ!というシーンになるといきなりおとうさんが憑依して凄腕になるのよ」と説明したら、「……それって『ゴッドハンド輝』じゃなくて、『ゴッドハンドおとうさん』じゃないですか」と冷静なつっこみが。。。
ごもっとも

「アタシんちの男子」(フジ/火曜9時〜)
「イケパラ」に「メイちゃん」の路線ですね。
私の周りではこういうのけっこう楽しんでる人が多いんですが、私はイケメンにあまり興味がないため、人海戦術にしか見えません。
「ゴーストフレンズ」(NHK/木曜8時〜)
福田沙紀にブリブリ演技は無理。
「ゴッドハンド輝」「アタシんちの男子」と並んで、大人が集中して毎週見ようという気になれるドラマではないです。
だから8時台なんだよって言われたらそれまでなんですが。
なんとかこれで全部おさえたかな。漏れてるのも数本ありますが、それは最初からはずしてたとお考え下さい。
とりあえず、春クールは最後まで書いたぞ!!\(^0^)/
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著作
「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
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