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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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冬ドラチェック(1)

 冬の連ドラが一斉スタートする季節ですね。
 秋は公演準備その他でほとんど脱落してしまったので、今期は気持ちを新たにして臨みたいと思っております。
 まだ全部見切れていないのですが、とりあえず今のところチェックした7本だけコメントしておきます。

「篤姫」(NHK/日曜8時〜)

下の投稿にも書いたんですけど、やっぱりどうにもこうにもなじめないです。
巷では「薩摩弁がまったくないのはおかしい」とか「いや、上級藩士は標準語をしゃべるようになっていたらしい」とかいろいろ言われてますが、私が気になるのはそんなことじゃないんですよ。
方言があるかないか以前の問題として、「時代劇」の言葉にきこえないのがひっかかります。
動きもセリフも口調も表情もすべて「現代人そのまま」なので、「幕末のドラマ」を見ている気にまったくなれないんです。
方言ということで言えば、前回の「風林火山」でも百姓役以外は誰も方言なんてしゃべってなかったけど、強烈に「時代劇」を見ている気分になれました。
現代人の視点を入れるのはけっこうだし、とっつきやすくするために現代風にするのもかまいませんが、当時には当時の価値観というものがあるわけで、それを現代人の感覚で「合わない部分は修正する」っていうのはどうなんでしょう。
今と違う価値観の縛りがあるからこそ時代劇はおもしろいんじゃないですか?
たとえば、当時の薩摩だったら男尊女卑がかなり強い風土だったと思うんですが、そういう気配が微塵も見えないばかりか、於一(篤姫の少女時代)があまりにも我が物顔で、周囲の男たちはあまりにも軟弱で……という図式なのは、現代人には自然でも時代劇としては不自然です。於一が暴れん坊だったという描写をしたいのはわかりますが、それにしてもその時代の「枠組み」のラインというものがあるでしょう。
一番驚いたのは、お家の敵となる調所さまが自害したとき、形見の偽金を埋めながら「私、このお方が好きでした」と言うシーン。
瑛太が「めったなことを口にされるでない」ととがめると、いきなりキレて「なぜですか?! 私の心は私だけのもの。誰にも指図は受けません!」と於一が言い放つんですよ。
「おまえはエリザベートか?!」
おそらくこの瞬間、全国の「エリザベート」ファンが一斉に同じリアクションをしたはず(今回、山口祐一郎が出てるんで、エリザファンの視聴確率は高いとみた)。
いくら現代風でもこれはないと思います。
そのうちに瑛太が「篤姫〜。開けてくれ。きみが恋しい」とかドア越しに歌っちゃうかもね…とエリザファンと予測トーク中(笑)。

「薔薇のない花屋」(フジ/月曜9時〜)

久々の野島ドラマ。
オリジナルが書ける作家が少ない今、楽しみな1本です。
省略のきかせ方など、今までの野島さんからさらに進化を感じさせる緊張感があって、まずは期待通りの滑り出し。
演出の見せ方も明確でいいなーと思ってたら中江功で納得。ショットの積み重ねが独特で、詩情をかもしだすのもうまい人ですよね。
ただ……うーん、野島ドラマは適度な違和感がお約束なので多少のことには目を瞑りたいのですが、盲目のふりをするっていうのはいくらなんでも無理がある気が……。
それにあの「頭巾」もさすがに……いじめられないほうが不思議。
友人は「子供がかぶってもピチピチだった頭巾を、香取がかぶれるのは絶対変」と主張してましたが。
きっとものすごーく伸縮性のある頭巾だったんですね。

「ハチミツとクローバー」(フジ/火曜9時〜)

原作知らないんで、人気のツボもよくわからないんですが。
とりあえずよくある普遍的な青春群像劇ですね。
特にすごくおもしろいとも思わないけど、「つまんね。却下」というほどでもないので、一応見続けてます。
強いて言えばただの大学生じゃなくて、美大というところがミソかな。
「のだめ」も「動物のお医者さん」もそうだけど、専門性があるだけでエピソードはふくらみやすいですよね。
あと年寄りくさいコメントで申し訳ないんですが、生田斗真と成宮寛貴の顔の感じが似ていてまぎらわしいです。

「あしたの、喜多善男」(フジ/火曜10時〜)

これ、おもしろいです!
今までチェックした中では一番要注目かも。
小日向さんは、一般的には「脇の人」のイメージでしょうから、彼が主役というだけでもしかしたら注目度は低くなるのかもしれません。だとしたらもったいない。
基本的な話としては、「11日後に死のうと思い、すべてを売り払って放浪している中年男」がいて、いろいろな理由で彼に近づいてくる人たちがいて……というシンプルな設定なんですが、謎のちりばめ方が繊細で、緊張感があります。
あまりTVには出てこない松田龍平も見もの。決してうまいわけじゃないんだけど、雰囲気はさすがに優作ジュニアの風格があります。
小日向さんと松田龍平の組み合わせなんてよく考えたなー。
あと、私はよく知らなかったんですが、落ち目のアイドル役で吉高由里子っていう人が出ていて、なんかこの人から目が離せません。どこまでが演技なのかわからない微妙な個性がたまりません。リトル桃井かおりって感じ。ブレイクの匂いがします。

「貧乏男子」(日本TV/火曜10時〜)

初回はそこそこ楽しめました。
簡単に借金してしまう若い男の子の姿も世相を反映してましたし。
でもこれは……いくらなんでもおバカすぎるでしょう。
なんかもうちょっと、「こういうキャラが形作られるきっかけとなった幼少期の出来事」とか、そういうのから始まってくれたら納得できたと思うんですが。
小さい頃に「おまえはほんとに後先考えない子だね。でも友だち思いなのはいいことだよ」とすごくほめてくれた人がいて、それが支えになってるとかね。
極端になったのはこういう出来事があったから……というエクスキューズがあるとよかったかも。

「斉藤さん」(日本TV/水曜10時〜)

この枠って、「ハケンの品格」とか「anego」とか「働きマン」とか、戦う女性キャラが好きですね。
うーん。テーマはおもしろいとこ突いてると思うんですよ。
戦う女がヒロインじゃなくて、戦う勇気がない女がヒロインで、彼女の目を通して戦う女=斉藤さんの姿が描かれていくっていうのが。
でも、斉藤さん、かなりビミョーなんですけど。
「子供に恥ずかしいことはしない」「間違ってることは間違ってると堂々と言う」というのはたしかに立派なポリシーですが、今のところやり方があまりにも無謀というか、一本調子というか、子供っぽいというか、「ちょっと、あんた。待ちなさいよ(謝りなさいよ)!」と正面からキャンキャン吠えまくるだけで、小学校の学級委員レベル。「そんなやり方、通るわけない」っていうのの連続で、「かっこいい」というよりは「痛い」です。
「ショムニ」の江角マキコや「ハケンの品格」の篠原涼子のように、一般人がたちうちできないようなスーパーキャラなら視聴者も爽快感があるんでしょうが、今のところ斉藤さんは何を言っても「なんだよ、ババア」「うるせーんだよ」「チョーうざいんですけど」「ちょっと斉藤さん、いい加減にして。あなたのせいでみんな迷惑してるのよ」とか、ことごとく悪いリアクションしか返ってこないんですよ。爽快感どころか、中途半端に現実的すぎる無力感がただよっていていたたまれない気分になってきます。
斉藤さんに「ヒーロー気取りは気持ちいい?」と諭すママ仲間のボス・高島礼子のほうがよっぽど説得力があって感情移入しちゃいますよ。
たしかに、子供の保護者でいる以上、子供を危険から守らなきゃいけない使命はあるんだけど、じゃああたりかまわず居丈高に注意しまくることがいいことなのかどうか。
自分は「ママ友だちなんていらない」で済むかもしれないけど、子供の友達関係まで影響するでしょ、こんなことやってると。注意することで逆うらみされてもっとひどい危険(自分の手には負えないような)がふりかかってくることだってありますよ。そのへん、考えずに行動している斉藤さんは、一人よがりの身勝手な人にしか見えません。
ポリシーはいいとしても、もうちょっと大人の対応というか「斉藤さん、次はどんなことやってくれるのかしら」と楽しみになるくらいのことはやってほしい。今のところ、次に何やるのか100%読めることしかやってないんで。

「交渉人」(テレ朝/木曜9時〜)

初回、この枠としては異例な高視聴率だったそうで、ちょっと意外でした。
米倉はフツーの女の役だと注目されないけど、こういう非日常的キャラだと強いですね。
初回しかチェックしてないんですけど、なんか「沙粧妙子」を思い出す雰囲気。
あっちのほうがもっと病気っぽいけど(米倉は骨の髄まで健康そう)。
なんか「セクハラパワハラ当たり前」っていう超男社会のギスギスした描写が見ててあんまり気分よくなくて、出てくる人が(ヒロインも含めて)全員感じ悪いのがつらかった。
そういう場所で戦うヒロインのドラマだってことはわかるんだけど、情の部分がほとんど見えないので、正直ヒロインもなぜここまで頑張るのかがわかりません。
あと陣内孝則があまり適役とは思えないのですが…。

「1ポンドの福音」(日本TV/土曜9時〜)

初回見て最初に「もう見ない」と決めたドラマです。
なによりもイラついたのがシスター・アンジェラです。
ボクシングをやめようかどうしようか悩んでるボクサーに「やめれば?」と考えなしに言ったかと思うと、ジムのオーナーに同情して「絶対に(試合に出て)勝ってください」と前言撤回。かと思ったら、今度は対戦相手の子供に同情して「やっぱりあの子のために負けてあげてください」……ってナメとんのか、おら。
言ってることメチャクチャだよ。
メチャクチャなのは世間知らずだからにしても、そのメチャクチャさをたしなめる役割の人が誰もいないのがイライラしました。

 以上7本の簡単な印象でした。
 残り5本はまた次回。
 皆さんのお薦めも教えてくださいね。
 

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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