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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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NZ紀行(5)〜“野鴨目線”で楽しむパンティング

 ランチを終え、ウィローバンク動物公園を出たのが1時20分くらい。予定では1時にはツアーを終えてホテルに帰っているはずだったが、南極に長居してしまったせいでかなり時間が押している。
 このままホテルに直行するのかなーと思いきや、「おまけでもう1箇所寄ります」とのこと。どこに寄ったかっていうと……「庭」でした。

 庭といっても個人の庭じゃなく、なんと企業が持っている庭なんです。
 クライストチャーチでは、毎年2月に「ガーデンフェスティバル」と呼ばれるガーデンコンテストを開催していて、参加者はこの時期に自分の庭を最高のコンディションにもっていくために1年間かけて準備をするそうだ。「クライストチャーチを訪れるなら2月が一番きれい」と言われるのはそのためだ。
 コンテストには「個人部門」の他、「企業部門」もあり、今回連れていってもらった庭は、今年「企業部門」で優勝した庭。
 会社の名前は聞いたけど忘れた。健康食品なんかを中心に作っている食品メーカーらしい。ニュージーランドではかなり有名な企業だとのこと。
 さすがにすばらしい庭だった。
 これでもか、これでもかって感じで花がみっしり咲いている。
 事業内容とはまったく関係なく、イメージアップのためだけにこんな庭を持っているなんてすごいよなー。
 手入れは誰がするんだろう………新入社員??
 ちなみに一般人の立ち入りは自由。日本だったら入場料とるとこだな。
 もっともすべての企業が庭をもっているわけではもちろんなく、コンテストに参加するのはごくごく限られた企業のようですが。



これが「企業部門」で優勝した庭。
ここはほんの入口部分ですが、けっこう広いです。




Hさんが触っているのはヒメリンゴの木。
芝生がすごくきれいだった。
日本だと芝を傷めないためにすぐに「立入禁止」にするが、
こっちはまったくそういう制限はなかった。




色とりどりの花が咲き乱れているが、ほとんどが外来種。
ニュージーランド固有種には黄色と白の花しかないそうだ。
花がカラフルなのは、蜜を運んでくれる蝶を引き寄せるためだが、
ニュージーランドには蝶がいない。代わりに蜜を運んでくれるのは夜行性の「蛾」。
ゆえに夜の闇の中で目立つ黄色と白が多いというわけ。


 市内のホテルに戻ったのは2時頃。ちょっと休憩して、夕方からまた出かける。
 ツアーから「トラム乗車券」をもらっていたので、まずはホテルの近くからトラムに乗ることに。
 トラムは1954年に廃止されたが、市民の強い要望により1995年に限定路線で復活。
 街の中心の狭い範囲を一方方向にぐるぐるまわるだけなので、移動手段としてはあまり役にたたない。あくまでも観光用。でも、街の様子を眺めるためだけに乗っても楽しいと思う。1周25分ほどなので、最初にぐるっと廻ってみれば土地勘もつかめる。
 また、走るトラムの中で食事ができるトラムレストランも人気。2時間くらいかけてコース料理が楽しめるそうです。



レトロな車体のトラム。
意表をついてものすごく狭い路地にも入っていくのでなかなか楽しい。


 大聖堂広場から西にまっすぐ行くと「カンタベリー博物館」にぶつかる。
 ここでトラムを下車。南へちょっと歩いていくとエイボン川のパンティングを楽しめる船着き場がある。
 そう。初日にモナ・ベイルでみかけたあのパンティングだ。ガイドブックで見た優雅な写真(パンティングしながらシャンパンを飲んでいる)を見て以来、「クライストチャーチでは絶対にパンティング!」と心に決めていたのである。いや、シャンパンは飲めないんだけどね。
 4時ちょっと前に着いたので、「4時から30分乗って、4時半から5時までカンタベリー博物館に入ろう」と計算をたてたが、受付に行ったら「予約が入っているので次は4時半スタート」と言われる。しかたがないのでコースを逆にし、4時半までカンタベリー博物館を見ることに。

 カンタベリー博物館は、大きく分けて「ニュージーランドの歴史関係」「ニュージーランドの自然科学関係」「南極資料関係」の展示物がある。
 それだけでもかなりの広さなのに、さらに中国や古代ローマや日本の美術品などが展示されている部屋もある。
 どれもじっくり見ればおもしろそうなんだけど、正直、午前中の観光があまりにも充実していたため、そろそろ燃料切れ。ていうか博物館ものを消化する酵素が尽きかけている。普段の運動不足がたたり、足も痛くなってきた。
 それに30分では立ち止まらずに「流し見」するだけで精一杯。もったいないけど、時計を見ながら1周する感じになってしまった。
 Hさんの情報によると、ここの日本コーナーに等身大のサムライの人形が置いてあり、それが裃をつけているのだが、近くによってみるとありえないくらい肩幅が広くて筋骨隆々なんだそうだ。
 「笑えるからチェックしてみて」と言われたので、疲れた足をひきずってそこだけはチェックに行く。
 たしかに笑えるほど筋骨隆々だった。プロレスラーのように。こっちの人から見ると、裃って肩幅があるように見えるんだろうか。裃をとれば皆なで肩なのに。。。
 カンタベリー博物館はこれだけの充実度で入場無料。住んでいる人なら通いつめたくなるだろう。



南極のペンギンくん、大集合!
ニュージーランドも南のほうへ行くとけっこうペンギンに会える。




南極調査隊が使用した昔の防寒具。


 博物館を出たあと、もう少し時間があったので、すぐ隣りにある「クライストチャーチ植物園」も覗いてきた。
 クライストチャーチ植物園は、ハグレー公園の一部にある。一部といっても30ヘクタールの広さなので、入口付近をちょっと歩いただけ。もっと奥まで行くと日本庭園やバラ園もあるらしい。
 ハグレー公園は、クライストチャーチ市中心部の西半分を占めているといっても過言ではないほどの巨大な公園だ。大きさは日比谷公園の15倍。その緑の豊かさはほとんど森のようだ。
 植物園内は、植物というより樹木を見て歩く感じだったが、なんか見たことのないような種類の木がいっぱいあって、ミステリアスだった。



黄葉がきれいな通り。左の塀の向こうがクライストチャーチ植物園




植物園の中。木漏れ日の美しさにため息が出そうだった。




植物園内の巨大な木。松ぼっくりがいっぱいついていたので松の一種?




植物園内にも流れるエイボン川。


 4時半になったので再びパンティング乗り場に行く。
 パンティングはイギリス発祥の舟遊びで、船が「パント」で漕ぎ手が「パンター」、舟遊びが「パンティング」だ。まあゴンドラみたいなものだが、緑の中をゆっくり進んでいくのがなんといっても気持ちがいい(船はハグレー公園の中を進んでいき、ちょうど15分たったあたりで引き返す)。
 エイボン川には大量の野鴨その他の野鳥が生息しているが、船に乗ると目線が低くなり、鳥目線になるのが新鮮。気分は水面を滑る野鴨だ。
 川面の光、鴨の鳴き声、櫓が水をかく音、時折岸から声をかける人と言葉を交わすパンター……あまりにも静かでのどかでまったりしてて、「もう降りたくな〜い!」という気分に。
 しかし、さすがに4時半をまわると急激に気温が下がって川の風も冷たくなるので、30分が限界という感じだった。ちなみにパンティング30分のお値段は16.5NZドル(=約1,320円)。
 


パンティングの船着き場から出る船。この船のパンターは女性だった。




f不機嫌なのではなく、疲労と気持ちよさに放心している図。


 パンティングを楽しんだあと、大聖堂広場まで戻り、昨日と同じように5時15分から始まる大聖堂の聖歌隊合唱を聴く。
 昨日は大人だったが、この日は子供がまじっている。けっこう難しい曲だったこともあり、昨日よりは危なっかしい歌いぶりだった。
 その後、またまたしつこく昨日散々買い込んだ土産物屋を襲撃して追加のショッピングをしてから、無料シャトルバス(充電式の電気バス。これも限られたエリアのみだが非常に便利。無料は太っ腹!)に乗って6時45分に予約済みのレストラン「ヘイズ」へ。

 「ヘイズ」はクライストチャーチではかなりの人気レストラン。この日も満席で、予約してなかったら入れなかったかもしれない。
 この店の自慢はラム肉とワイン。オーナー夫妻がファームを持っていて、そこのラムを使っているので鮮度抜群とのこと。せっかく“羊の国”に来たので、一度はラム料理の評判の店に行こうとここを選んだ。
 味は……うん、たしかにおいしい。高めの店だけあってさすがに洗練されているし、量も今までのようにバカみたいに多くない。
 ただ、けっこう手の込んだ風の煮込みラム料理をとってしまったので、「どうせなら素材の味がストレートにわかるただのローストにすればよかった」とちょっと後悔。
 日本人客も多いようで、メニューも日本語版があるし、スタッフにも日本人がいて、ものすごく丁寧にメニュー内容の説明をしてくれた。
 ほんと、ニュージーランドは言葉に困らないところだ……。

 「ヘイズ」はホテルの目と鼻の先にある。翌朝の出発が早いので、なるべく早く帰って荷造りできるようここを選んだのだが、お陰でけっこう早めに就寝することができた。
 これでクライストチャーチ2日間の滞在も終わり。
 堪能。満喫。いい街でした……。

<続く>

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不思議な世界

どの写真も綺麗ですね〜。
木漏れ日の写真とエイボン川の写真は、不思議な世界のようで心惹かれます。
でも、一番 素敵なのは、まったりとくつろぐ 伊万里さんのお写真です♪

ニュージーランドにもペンギンがいるんですね〜。カワイイ。
驚いたのは「蜂」。なんでニュージーランドにはいないんでしょう。
不思議です。

幼稚なコメントでお恥ずかしい〜。
伊万里さんチでは 「まっしいは 中学生」 というこでこれからも 宜しくお願いします (笑)。
  • from まっしい :
  • 2006/09/12 (19:41) :
  • Edit :
  • Res

精霊がいそうです

やはり、ニュージーランドは、自然を満喫する国なんですね。
どこかに精霊が宿っていそうな自然の写真。
日本でも酒造メーカーが花を作っていることで有名ですよね。
キリンとか、サントリーとか。
ここは、造園だけで花の開発はしてないのかな?

Hさんの髪型、結構凄そうだけど、モヒカン?
だったら笑えます。

パンティングは、面白そうです。
私の前世はアヒルだったようですから(ホントか?)
  • from フランソワ :
  • 2006/09/12 (19:46) :
  • Edit :
  • Res

「蝶」じゃなく「蜂」です

>まっしいさん

ニュージーランド、ほんとに自然がすばらしいですよ。
中でもこのクライストチャーチは緑が多くてちょっと他の地域とは違う異色な感じなんですが。
フランソワさんも書かれているように「精霊が宿っていそう」です。そこがイギリス的(イギリスっていうか精霊はアイルランドか?)なんですけど。

ニュージーランドにいないのは蜂じゃなくて蝶です。
蜂はいっぱいいるでしょう。ハチミツ王国だから。
蝶はやっぱり熱帯の動物だから、南極に近い地域には生息しないのかな。まあ、ペンギンと蝶が同じフレームに収まってたらたしかに変だけど。
  • from 伊万里@管理人 :
  • 2006/09/12 (19:48) :
  • Edit :
  • Res

小鳥に説教?!

>フランソワさん

フランソワさんは鳥と会話ができるらしいので、パンティングなんてしようものなら鳥に囲まれちゃって大変でしょうね。
「小鳥に説教する聖フランソワ」の図になってしまいそう。

Hさんの髪型は、強いて言うなら“レゲエ風”(笑)。
ジャマイカにいそうな感じです。
ワールドカップが始まったら似たような髪型がいっぱい見られるかも。
  • from 伊万里@管理人 :
  • 2006/09/12 (19:49) :
  • Edit :
  • Res

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伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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