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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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NZ紀行(2)〜NZ土産あれこれ

 世にもまずい昼食を済ませたあと、ホテルでちょっと休憩してから大聖堂広場へ出かける(ホテルは大聖堂広場から北へ向かう通りを歩いて7〜8分のところにある)。
 クライストチャーチはじつにコンパクトな街で、街の中心である大聖堂を基点に歩いていけばたいていのところはまわれる。
 まずは広場に面した土産物店でショッピングを。
 このお店、なかなか品揃えが充実している上、お店の人もじつに親切。「これがいいかなー」「あっちにしようかなー」「やっぱこっち?」といったくだらない迷いにも辛抱強くつきあってくれるし、商品情報の提供も丁寧。
 結局、初日なのにほとんどのお土産はここで買った(その先の行程でもここ以上に充実した土産物屋はなかった)。

 さて、ニュージーランドのお土産品ってどういうものがあるんでしょうか?
 まず、はずせないのは羊関係。
 ウールのセーター、マフラー、手袋などはさすがに良質なものが揃っています。
 といっても、お値段のほうは決して安くはないです。日本で買ったらもっと高いと思うけど、もともと高いものだから安くなってもそこそこの値段。
 でもせっかく来たんだから何かひとつは買いたいなと思い、セール品のセーターを手にとってみた。
 色も生地の手触りもいい感じだが、ひとつ気になったのはVネックセーターだったこと。首が空いてるのって寒いじゃん。逆に、首を出しても平気な時期に着るには生地が温かすぎる。若い人なら気にしないだろうけど、おばさんはそういうのって気になるんだよ。
 と言ったところ、店員(注:日本人)に「いやー、日本人って季節感とか異様に気にしますよね。こっちの人はそういう感覚メチャクチャですから。半袖のTシャツ着てて、ちょっと寒いと上からウールのセーターとか平気で着ますからね」と言われる。

 なるほどー。たしかにこっち来てから思ったんだけど、皆服装がバラバラなんですよね。けっこう風は冷たいし、私自身は革のコートを着ていてもちょうどいい感じなのだが、こちらの人はほとんどが「半袖」。いわゆる「合い服」と呼ばれるような夏と冬の中間みたいな服装している人はあまりいない。ウール、絹、綿、麻、ポリエステルなどの素材の統一性とか、季節感とか基本的に気にしてないのかもしれない……。
 結局、そのセーターは買った。羊毛とポッサムの混紡で、ものすごく柔らかくて軽い。ポッサムは、カンガルーの仲間でイタチのような風貌の動物だが、このポッサムについては悲しい物語が……。

 もともとポッサムはニュージーランドには生息していなくて、オーストラリアにいる動物だった。
 ある時、ウサギが異常発生し、羊の食料を食べ尽くされそうになったことがあり、ウサギ駆除のためにポッサムがオーストラリアから輸入される。
 ところが、ポッサムはウサギよりも簡単に捕獲できる“飛べない鳥”に目をつけ、そっちを狙うようになってしまった。その結果、ウサギはいっこうに減らず、絶滅寸前の“飛べない鳥”のほうが激減してしまうことに。
 しかも、オーストラリアでは(気候が合わないのか)稀少動物だったポッサムだが、ニュージーランドは生きやすかったらしく、ものすごい勢いで増殖してしまった!
 かわいそうに。以来、ポッサムは「害獣」に認定され、お尋ね者となってしまいましたとさ。南のほうへ行くと、道路のいたるところにひき殺されたポッサムの死骸が発見できるらしいです。
 お隣の国では稀少動物なのに、こっちでは害獣なんだ。。。オーストラリアでは大事にされてるんなら、まとめて送り返せばいいのに。ダメ?
 最近は、ポッサムを有効利用しようと、毛が使われるように。ポッサムの毛は中が空洞になっているために軽いのが特徴。しかし短毛なので単独では使えず、羊毛とまぜて使うパターンが多いとのこと。
 どこまでも人間の都合で使い倒されるポッサム……。



ポッサムの剥製。
指名手配の写真じゃないけど、悪そうな顔の写真を載せてる感じがなんともいえない。
「害獣」って「PEST」っていうんですね。強烈だなー。


 羊製品は「毛織物」だけではありません。
 お土産に人気なのは「ラノリン」入りのコスメ。
 ラノリンとは、羊の毛を精製するときにとれる蝋状の「脂」のこと。
 皮膚になじみやすく、強力な保湿作用があることから、ハンドクリームやリップクリームに使われます。人に配るお土産などには最適。
 だいたいラノリン、コラーゲン、アロエベラ、プロポリス、ビタミンE、ビタミンCあたりの順列組み合わせで配合されたいろいろな種類のクリームがずらっと並んでいる。
 さらに高級品になると「羊の胎盤アミノ酸」入りのプラセンタクリーム。
 コスメ関係では、温泉地ロトルアの泥パックなども人気。
 けっこうニュージーランドはコスメ充実してます。

 もうひとつ、ニュージーランドの代表的な土産物といえば「ハチミツ」。
 動物だけでなく、植物にも独自性があるニュージーランドでは、日本ではお目にかかれないような変わったハチミツがたくさんある。
 中でも人気なのはマヌカの木からとれる「マヌカ・ハニー」。
 マヌカ・ハニーには、強い抗菌作用と免疫促進効果があることで有名。風邪ひいて喉が痛くなったときなど、だいたいこれ嘗めれば治ってしまうとか。ニュージーランドの人は火傷のあとにも塗ったりするようです。
 味はちょっと癖があってかなり濃厚だけど、慣れると他のハチミツが物足りなく感じられてくる。

 マヌカ・ハニーの容器には、抗菌度の強さを示す数値が書かれていて、「5+」から「25+」まで、5刻みで5段階に分かれている。
 効能を求めるなら「15+」以上はほしいが、当然数値があがれば値段も高くなる。また、味のほうも数値が高ければ高いほど独特の薬くささが強くなる。
 なので、パンに塗るとか、食べ物に普段使うハチミツとしては「+5」を使い、薬として嘗めるものは「15+〜25+」をべつに使うのがお勧め。と店員さんから言われた。
 抗菌作用は加熱すると弱まってしまうため、「紅茶に溶かす」とか「料理に使う」のはあまり効果がないそうだ。
 じつは旅行中、1回風邪をひいて喉が痛くなったのでさっそく寝る前に「20+」を嘗めてみたのだが、たしかに痛みはひどくならずに収まったです。



マヌカ・ハニー。
色はベージュで強いて言えばキャラメルを溶かしたような感じ。
普通のハチミツより水っぽさがなくて粘りがある。
後味にザラッとした食感があるのが特徴。
ラベルにある「UMF20+」というのが抗菌度数を示す数値。


 最後に工芸品関係の土産物品を。
 ニュージーランドに最初に住みついたのはマオリと呼ばれるポリネシアン系の人々。
 彼らは「マオリ・カーヴィング」と呼ばれる高度な彫刻技術を持っていて、そこではいくつかの象徴的な形がデザインとしてとりいれられている。
 ニュージーランド内ではこのデザインがあちこちで使われているのだが、なかなかシンプルで美しい意匠だ。
 ニュージーランド名産のヒスイや、パウア貝(アワビ)を使ったアクセサリーで、マオリデザインのものならニュージーランド土産としては完璧!



マオリの意匠のひとつ「コル=“シダの新芽”」のピアス。
ニュージーランドには珍しいシダがいっぱい。
もっとも身近な植物のひとつだ。
コルは「誕生・成長・調和・生命」を表す。




ニュージーランド航空の飛行機の尾翼についているマークも「コル」。




電話ボックスにも「シダ」の模様が…。
ちなみにこの電話ボックスのデザインは北から南までどこの街でも同じでした。




これは「ヘイ・マタウ=“釣り針”」のピアス。
「船旅の安全・幸運・健康・権力」を表す。




「インフィニティ=“永遠”」のネックレス。
「永遠に続く友情・愛情」を表す。




「ティキ」のキーホルダー。
ティキは“胎児”を象った神様で、「安産」の守り神となる他、
「知恵と幸運」のシンボルでもある。
目の部分は玉虫色のパウア貝がはめこまれている。
今風に言うと“キモカワイイ”って感じでしょうか?!


 お土産をしこたま買い込んだあと、大聖堂の中へ。
 毎日、夕方から聖歌隊のコーラスをやっていると聞いたので、ミサに参列した。
 司祭様は女性でした。
 聖歌隊コーラスはなかなかでしたが、旅の疲れでα波が出まくり、いい具合に睡魔が……。
 教会内部は決してゴージャスではないが、大きさのわりには威圧感がなく、落ち着いた雰囲気。
 ニュージーランドの動植物をデザインしたステンドグラスがニュージーランドっぽい。




大聖堂はかなり大きいが、広場も広いので開放感あり。
大聖堂の尖塔は高さ63m。36mのところに展望台がある。
ちなみにここの教会はカソリックではなく、英国国教会。




大聖堂の向かい側にあるこのレトロな建物は……なんと「スターバックス」!
大きな窓から大聖堂が見渡せる好ロケーション。


 夕食は大聖堂広場から西のほうへ行ったエイボン川沿いの一軒家レストランで。
 今回のツアーはほとんど食事はついていないのだが、この日の夜はこのレストランのクーポンがついていた。
 ニュージーランド料理と呼べるものをここで初めて食べたわけだが、その結果は……

 な、なんだ、この量は!

 とにかく量が多くて呆然。
 まず前菜のコンソメスープからして飲みきれないほどの量。
 器が………こんなでかいスープ皿、初めて見たよ。スープ皿というより丼?というくらいのでかさ。そして深さ。飲んでも飲んでも減らない。魔法の皿かよ?!
 信じられないかもしれないが、すでにスープの時点で残した
 そしてメインの鹿肉で再び驚愕。肉の量もさることながら、つけあわせの温野菜の量が半端じゃない。家畜のエサか?!というくらいどっさりと。
 締めのデザートもビッグサイズ。大盛りのフルーツポンチにさらにアイスクリームが複数てんこ盛り。食えねえよ!
 その店は決して大衆的な店ではなく、けっこう高級っぽい店だったのだが、店の雰囲気と盛り具合のミスマッチがなんとも衝撃的だった。
 味は……昼間の中華と比べたら何食べてもおいしく感じられるが、正直なところ、大味でした。

<続く>

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NZのマングースか?!

ポッサム、沖縄におけるマングースみたいですね。
沖縄のマングースも毎年駆除されてるわ、役場に捕まえて持っていくと2000円もらえるわ、いくら天然記念物のウサギ食べちゃったからってひどい扱いです。そりゃハブよりウサギの方が旨かろうよ。。
お土産充実してますねー。シダ可愛い!!
ロドオブザリングの地ということもあるし、旅行記を拝見している内にニュージーランド行きたくなってきました。
  • from ベビ次 :
  • 2006/09/07 (01:00) :
  • Edit :
  • Res

2000円って…

そうなんだ。マングース。
2000円っていうのがなんか高くも安くもないリアルな金額ですね。
マングースも「俺、2000円なんだ……」って複雑な気分かも。
でももともとそこに住んでたのならともかく、勝手に連れてきておいて害獣はないだろう。と思います。
ポッサムは他にもいろいろ害を及ぼすらしく、電線を切ってしまうので電柱にはもれなくポッサム返し(?)がついてるとかいう話もききました。
  • from 伊万里@管理人 :
  • 2006/09/07 (01:01) :
  • Edit :
  • Res

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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