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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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王子さまファン必見のマニアックなミュージアム

 間が空いてしまいましたが、箱根の話の続きです。
 今回、箱根では4つの施設をまわってきました。
 「星の王子さまミュージアム」「箱根ラリック美術館」「函嶺・ふる里集蔵館」そして「箱根関所資料館」です。

 まずは「星の王子さまミュージアム」のお話から。
 ここはただのミュージアムではなく、施設全体が「星の王子さま」の物語世界を具現しているところがミソ。かなり気合いが入っていて、作った人の「星の王子さま」への愛情が伝わってきます。
 「星の王子さま」ファンにはたまらない場所だと思いますが、「星の王子さま」を読んだことがない人、もしくは興味のない人にとっては微妙かもしれません。
 一応、ガイドさんが案内してくれるツアーがあったので、それについていって説明を聞きながらまわったんですけど、なんかそれもファン前提といった匂いがあってちょっとひいてしまう部分もありました。

 大きく分けると、建物の外側では「星の王子さま」の世界が繰り広げられ、建物の内部ではサン=テグジュペリの生涯が豊富な資料とともに紹介される…という感じになっていますが、「星の王子さま」なのかサン=テグジュペリなのか、どっちかにシフトしたほうがいいような気がしました。両方がまざってるのがなんか気持ち悪くて。ファンとしては自然なのかもしれませんが、よく知らない人は居心地悪いかも。 

 遠足なんでしょうか、私服の中学生の団体が来ていましたが、皆退屈しきっていて思いっきり時間をもて余していました。
 関係ないけど、サン=テグジュペリの顔ってどっかで見たことがある……と気になっていたのですが思い出しました。Mr.ビーンです(笑)。
 彼の最後は「星の王子さま」の王子さまの最後とそっくり。
 どちらも死んだのかどうかよくわからないまま消えてしまうんですよね。
 そのへんも不思議な因縁を感じます。

 

サン=テグジュペリが幼少期を過ごしたサン=モーリス・ド・レマンス城と
フランス庭園を再現したエリア。



庭園を眺めるようにテラス席が作られている「レストラン・プチ・プランス」。
南プロヴァンス風の内装と料理、さらに「星の王子さま」にからめたインテリアが
随所に仕込まれている。



展示ホールの入口。この入口部分の建物は、サン=テグジュペリの生家を復元したもの。
扉の上の丸いプレートにフランス語で「サン=テグジュペリここに生まれる」とある。



建物の周囲の道や広場には、「星の王子さま」の登場人物の名にちなんで
「地理学者通り」「コンスエロのバラ園(コンスエロはサン=テグジュペリの奥さんの名前。
『星の王子さま』に出てくるわがままな花のモデルはコンスエロだと言われている)」
「ウワバミの小径」などの名前がつけられています。
これは「点燈夫」のフィギュア。



このあたりは、サン=テグジュペリが飛行家として世界中を飛び回っていた
1930年代のパリの町並みを再現した一角。
当時のカフェで飲まれていた珈琲を再現して飲ませてくれる店もある。


 ミュージアムショップには、王子さまグッズが揃っている他、新訳本が一斉に出たことを反映して、新訳本コーナーが出ていました。
 記念にどれか1冊買っていこうと思ったのですが、どれを買うかでかなり迷い、迷った末にこれが遺作となった倉橋由美子版を買いました。
 皆さんもこれを機会に旧訳と新訳を読み比べてみては?


倉橋由美子●訳
カリスマ作家だけあって、訳にも解釈にも独自の美学(?)があるようです。
好き嫌いが分かれそうですが、倉橋ワールドに酔いたい人はやはりはずせない?!
(1,575円/単行本)



池澤夏樹●訳
知名度で言えば、倉橋由美子と並ぶのが池澤夏樹か?
装幀がゴージャスというか、すごくきれいです。
池澤さんじたい、この作品への思い入れは強いようです。
(1,260円/単行本)



河野万里子●訳
河野さんはお友達なので宣伝します。
有名作家の翻訳のほうがなにかと話題になりますが、
翻訳家のエキスパートにしかできない仕事もあると思います。
残念ながら、このミュージアムでは売ってなかったので買えませんでした。
訳の評判は良いようです。
(500円/文庫本)



内藤濯●訳
旧訳…というか、元祖です。
オリジナル復刻版なので、挿し絵の色合いなども微妙に違うようです。
翻訳はさすがに古いですが、あまりに慣れ親しんでいるために
不自然さもこの作品のひとつの芸、みたいに思えるように。
本書と新訳本を複数購入して、あなたも「星の王子さま翻訳評論家」になろう!
(1,050円/単行本)

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この記事へのコメント

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たしかに予備知識なしはきついかな

私も昨年行きました。
宮崎あおい主演のミュージカルをみる前だったので、「予習だ〜♪」とえらい張り切ってまわりました(そうそうあおいちゃん、多分初演よりは聴ける歌になっていたと^^;)。
このミュージアム、星の王子さま(の飛行士)とサン=テグジュペリの生涯をダブらせて紹介しているんですよね。予備知識なしでは(ただの観光で来た人には)、確かにちょっと厳しいかも。
『危険なアネキ』のタイトルバックでも、ここが使われていて「おおっ♪」と思ったものでした(オシャレな町並みですものね)。
  • from ヤギ :
  • 2006/08/17 (23:41) :
  • Edit :
  • Res

ロケには最適ですね

たしかにロケに使うには最適の場所だと思います。
レストランのテラス席はほんとにヨーロッパにいるみたいな気分になれました(フランス庭園でだるそうに座っている中学生の団体さえ目に入らなければ)。
ちなみにこの中学生ら、展示ホールの中のパリ・サンジェルマンの町並みを再現したコーナーで「わー、なにこれ。ディズニーランドみたい」と騒いでました。
  • from 伊万里@管理人 :
  • 2006/08/17 (23:42) :
  • Edit :
  • Res

倉橋由美子死んだの?!

ぐががががが〜ん!!
倉橋由美子、死んじゃったという事実を初めて知りました。
調べたら昨年の6月だったんですね。
杉浦日向子と言い、なんで私に何の許可もなく、勝手に死んじゃうわけなんだ!!
がっくりです。

と、関係ないコメントですみません。
星の王子様美術館は一度も行ったことないんだ。
こんなになってるんですね。ふ〜ん。
  • from フランソワ :
  • 2006/08/17 (23:43) :
  • Edit :
  • Res

元パリジェンヌは要チェック

そこに食いつきますか>フランソワさん
たしかにフランソワさん、倉橋由美子とかお好きそうですよね。

「星の王子さまミュージアム」は、元パリジェンヌのフランソワさんが見たら「こんなんフランスちゃうわ!」と因縁をつけそうですが、観光施設としてはけっこう頑張ってると思いますので、いずれ因縁をつけに視察におでましくださいませ。
  • from 伊万里@管理人 :
  • 2006/08/17 (23:44) :
  • Edit :
  • Res

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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