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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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川越ツアー(1)〜「大丈夫」の愛ちゃん

 母のお墓参りで所沢に出入りするようになってから、ずっと気になっていた場所がありました。
 “小江戸”の名称で知られる「川越」です。

 所沢へは新宿から西武新宿線に乗っていくのですが、終点が「本川越」なので、所沢で降りるたびに「このまま終点まで乗っていくと川越に出られるのかー。いつか墓参りのついでに川越に遊びに行ってみたいなー」と思っていました。
 というと、埼玉在住の人には「どこがついでだよ。所沢と川越なんて全然近くないじゃん」とつっこまれるのですが、埼玉に行くことじたいがほとんどない私から見れば、所沢と川越は充分「同じエリア」なのです。

 今回、その希望が実現し、晴れて川越デビューを飾りましたので、その報告を…。

 川越在住の知り合いは何人かいたので、当日は誰かを呼び出そうと思っていたのですが、今回は3歳から川越にずっと住んでいるというテアトル・エコーの若手女優、愛ちゃんにつきあっていただくことになりました。

 父と、従姉妹のASAちゃんと午前中に墓参りを済ませ、11時50分に本川越の駅に到着。
 改札には……いたいた、愛ちゃん。
 と思いきや、真剣に観光客向けのマップに見入っている。
 だ、大丈夫かな。。。(^_^;)

 だいたい地元の人って「観光する場所」という意識がないから、観光情報については意外にうといものなんですよね。
 今回もいろいろ下調べしたけど、怒濤のように情報をくれたのは地元の人ではなく、川越によく遊びに行くという「観光客」でした。
 ただ、土地勘というか、地理とか交通機関については地元の人は明るいだろうからと思ってついてきてもらったんですが、いきなり地図に見入ってるとは…。

 まずはランチからスタート。
 駅からちょっと歩いたところにある「ベニーノ」というイタリアンのお店に行くということはすでに伝えてあったので(OLやママたちでにぎわうというので一応席の予約もいれておいた)、すぐに案内してくれるのかと思ったら、愛ちゃんは地図を見たままじっと考え込んでいる。
 「あの……大丈夫?」とついに口に出して聞いてしまったが、愛ちゃんは「大丈夫です」と答え、あんまり大丈夫じゃなさそうな足取りで歩き始めました。

 「ベニーノ」は川越女子高校のすぐそばにあるんですが、愛ちゃんはここの高校出身。
 学校の前の桜がきれいだというので、大通りではなく、学校前を通っていくことになりました。
 ちょうどこの日は入学式だったようで、桜並木をバックに記念撮影をする父兄と生徒たちの姿で大賑わい。
 幸せそうな光景に心がなごみました。

 住宅地をてくてく歩くこと10分弱で「ベニーノ」に到着。
 川越は本当にレトロな建物がいっぱい。
 このレストランも国登録有形文化財の瀟洒な建物を使っています(以前は郵便局だったらしい)。
 パスタ、ピッツァとも美味でした。

 おなかがいっぱいになったところで観光に出発。
 いったん川越市駅に戻り(川越には駅が3つあって、川越市駅は東武線系の駅。西武線系の本川越駅よりぐっとさびれている)、そこからタクシーで氷川神社に向かいました。

 川越市内の見所は大きく分けて3エリアほどあるのですが、その3つが微妙に離れていて、全部歩いて回るのはちょっと大変(歩けないことはないけど)。
 ということで、まずは駅から一番遠い氷川神社までタクシーを使うことにしました。

 氷川神社は縁結びで有名な神社。
 小さな神社ですが、なぜか鳥居だけがアンバランスに大きい(というか背が高い)。
 大きい鳥居だけなら珍しくないかもしれないけど、木造でこんなに高いのは珍しいかも。
 と思ったら、ガイドブックには「木造鳥居としては日本一の大きさ」と書いてありました。
 「そっかー、日本一なのかー」と感心していたら、ASAちゃんが鳥居脇の説明書きを見て「ここには『日本一』じゃなくて『日本最大規模』のって書いてあるよ。ちょっと微妙な表現だよね」とつっこみ。
 たしかに言い逃れができそうな表現ではある(笑)。



 愛ちゃんは氷川神社もほぼ初めてのようで、「こんなところがあったんですねー」と観光客よりも物珍しそうに見学している。
 「じつは私、今年厄年なんですよー」と愛ちゃん。
 「そうなの?じゃあお祓いしたの?」と聞いたら「いえ。役者は厄よけをすると『役(やく)』がつかなくなるから祓っちゃいけないらしいんですー」という。
 そうなのか〜!
 芸能関係の人は縁起かつぐ人が多いとききますが、「厄」をこやしに「役」を作らないといけないわけですね。

 境内は狭い中に「縁結び関連グッズ(イベント)」が密集しています。
 お参りのあと、お守りをチェックしたけど、ほとんどが縁結び関係。
 桜色のかわいいお守りがあったけど、ひらがなで「であいこい」と縫い付けられているのがちょっと身もふたもなさすぎて、こわくて手が出ませんでした。

 ここには「縁結び玉」という限定品があって、まあ中身は境内の小石なんですが、巫女さんが毎朝拾い集めて、お祓いをして、羽根つきの羽根みたいにきれいにくるんだものを一日限定20体(お祓いをしたものはご神体なので「個」と言ってはいけないんですね)で無料領布しているんだそうです。
 川越の人は意外に知らないのかもしれませんが、これをゲットするために遠くからわざわざ駅始発のバスに乗ってやってくる観光客も多いため、平日でも午後まで残っていることはまずないとか。
 もちろんこの日も残ってませんでした。

 ふと境内を見回すと、不思議なものが目に入りました。
 水のないいけすに鯛がいっぱい!
 ひとつには赤い鯛が、もうひとつにはピンクと白の鯛が入っています。
 これを釣り竿で釣り上げると、鯛の中におみくじが入っているというしかけです。

 赤い鯛は一般のおみくじで、「一年安鯛(泰)みくじ」。
 そしてピンクと白の鯛は良縁祈願のおみくじで「あい鯛(たい)みくじ」。
 よく見ると釣り竿にはえびがついてます。
 まさに「えび」で「鯛」を釣る!



 これはやるっきゃないでしょう!
 ということで、さっそく一番かわいいピンクの鯛を狙って釣り竿を手にとりました。
 「どうしよう。釣れなかったら…」と言ったら、ASAちゃんに「釣れるよ〜!動いてないんだから簡単だよ!」と笑われました。
 ところが、いざ釣り竿を垂らしたとたん、ASAちゃんの顔色に変化が…。
 「ちょっと待って。これ、意外と難しいかも…」
 鯛についている紐がくたっとしているため、釣り針になかなかひっかからないのです。
 ていうか、釣り糸で鯛を動かすことはできないので、たまたま紐がひっかかりやすい形になっている鯛しか選べないんですよね。
 これ、ある意味動いてくれたほうがひっかけやすいかも。

  
しっぽの部分におみくじが入っています。
「内容が気に入らなくても持ち帰ってください」という注意書きが…。
気に入らないと戻す人がいるのか?!


 ようやく釣り上げた鯛からおみくじを広げると……なんとASAちゃんと私はまったく同じ内容!
 「これって……釣りやすい手近で済ませようとすると同じ結果になるってこと?」
 いや、べつに内容が悪かったわけじゃないんですが、まったく同じっていうのがなんか……脱力(笑)。
 隣では、一人で来ている若い女性が真剣な表情で釣り糸を垂らしている。
 本当に気合いが入ってる人は一人で来るんだよなー。「動いてないんだから楽勝!」とか言ってる時点で終わってるよ、私たち。

 気がつけば、あれ?愛ちゃんだけやってない。
 「愛ちゃんもやろうよ〜」と誘ったら、ほにゃーっとした笑顔で「いえ、私は……大丈夫ですから〜」とかわされてしまいました。
 「大丈夫」…って………もう少し他の言い方はないのか>愛ちゃん(笑)。
 必要なくたってつきあいってものがあるだろう〜。
 一応自分も参加して、釣り上げながらも心の中で「すいません。おばさんたちがやれっていうから断れなくてこうしてやっていますが、私にはすでにダーリンがいるので縁は必要ありません。私の分もこの人たちにまわしてあげてください」と神様にお願いするとかさ。
 なんか「大丈夫」って言われたとたん、海の上で溺れてるような気分になったよ、私は。

 氷川神社を出たあと、近くに流れる新河岸川で桜を見ました。
 「きれいだね〜」と歓声をあげていたら、橋の上に三脚をたてて桜を撮っていたおじさんが、縁結び祈願をしていない愛ちゃんめがけていきなりナンパ。
 「どっから来たの?」
 愛ちゃん、ふにゃーっと笑って「地元です」と答えて会話がそれ以上進まなくなっていました(笑)。

 
新河岸川沿いの桜


 まだまだ続く川越ツアー。
 続きは次回!

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HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
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「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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