古伊万里★新伊万里
劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です
ロシア紀行(2)〜町の名前に歴史あり
- 2010/08/22 (Sun)
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旅行2日目(6/22)。
夕べは寝る前からすでに胃がムカムカしていたので、この日は無事に起きられるのか不安だったが、一晩寝たら意外に元気に。
朝食はアメリカンスタイルのビュッフェで、特に目新しいものはなかったが、すごくおいしいと思ったのはヨーグルトと蜂蜜。
素朴でクセがなくてなおかつ濃厚。乳製品はさすがに質が高い。
ホテル内は空調が効いているので外の気温がまったくわからず、最初は半袖のシャツに薄手のジャケットを着ていたが、試しにちょっと外に出てみたら思いのほか空気が冷たくてびっくり。さらに、今にも雨が降りだしそうな空。
あわてて長袖のサマーセーターと厚いほうのジャケットに着替えた。
ふとリュックを見て「!?」となる。
リュックの底のポケットのチャックが……開いてる!!!
↓↓↓↓こんな感じ。
これは……空港で……開けられたとしか思えない。
なぜなら、こんなとこにチャックがあったなんて今まで自分も知らなかったので(^_^;)
もちろん、なんにも入ってなかったので問題はないんだけど、一応背中側のチャックだし、こんなとこ開けられるなんて……こえ〜。
薄いスペースだから中身を抜きやすいんだろうか。
ツアコンMさんが「空港はスリが多いから気を抜かないでください」と連呼してたので、ずっと気を張ってたつもりだったんだけど。
なんか悔しいわ。
9時半。ホテル前からバスに乗りこみ、観光の中心地である旧市街に出発。
空港と旧市街の間はバスで40分くらいの距離。ホテルはそのちょうど中間くらいに位置する。
昨日、空港からホテルまでの景色が「戦時中みたいな古さ」だと言ったが、ホテルから先は別世界だった。
ガイドブックで見るような、いわゆる「ロシアの皇帝が住む都」らしい建物がどんどん増えてきて、あっという間に戦時中から18世紀にタイムスリップ。
年代的にはさらに古くなったはずなのだが、モノクロからカラーになったように明るく感じられる。
サンクトペテルブルクがロシアの首都だったのは、ロマノフ王朝のピョートル大帝からロマノフ最後の皇帝であるニコライ二世(ロシアのラストエンペラー)の時代まで。
期間にすると、ちょうど18世紀〜19世紀の200年間くらいがその時期にあたる。
1918年、革命が起こってソビエト連邦となってからは首都がモスクワに移るわけだが、サンクトペテルブルクの前の首都がやっぱりモスクワだったということは初めて知った。
だからモスクワにも古いものはたくさんあるはずなのだが、ソ連時代に壊され、新しく立て替えられてしまった(いわゆるスターリン様式と言われる画一的な建築)。
一方、サンクトペテルブルクは、宮殿のあった中心エリアはそのまま保存され、どんなに不便でもお金がかかっても建物の外観を変えることは許されず、住人は中だけを改装しながら住み続けているという。
空港の近くは中心からは慣れているがゆえに新しい建物が建っていたというわけ。
サンクトペテルブルクという町を一言で言えば「プチヨーロッパ」だ。
17世紀までは、ヨーロッパから見たらロシアは「文化のない未開の地」だったわけで、それに対して「うちだってその気になればできるんだよ!」という気概を持ってピョートル大帝が新しく人工的に作った都がサンクトペテルブルクなのだ。
「人工的に作った」と書くのは簡単だが、運河の上に町を作るのは相当過酷な道のりだったらしい。
サンクトペテルブルクはしばしば「北のヴェネツィア」とたとえられるが、ヴェネツィアもあの姿になるまで試練の連続だったのは有名な話だ。
サンクトペテルブルクの意味は「聖ペテロの町」。
ペテロをロシア語にすればピョートルなので、ピョートル的には「同じ名前の聖人ってよくね?」というノリでつけたのだろう。
さらにこの町の名前がドイツ語っぽいことに注目。
ここにも「ヨーロッパ風」を目指す心意気が表れている。
しかし、第一次世界大戦でドイツと戦争状態になるとそんなことは言っていられなくなり、「敵国の言葉を使うなんてけしからん!」ってことで1914年、一時的に「ペトログラード(ピョートルの町)」というロシア語読みに改称。
さらに革命後、首都がモスクワに移ると、「ピョートルの名前がついていること」も気に入らなくなったのか、今度は「レニングラード(レーニンの町)」という名前に改称。
さらにさらに、今度はソ連も崩壊すると、「レーニンの名前がついていること」も気に入らなくなったようで、住民投票でもとの「サンクトペテルブルク」という旧姓に逆戻り。
住民投票ってところが興味深い。結局、首都だったロマノフ朝時代がこの町の一番の栄光だったという思いがあるんでしょうね。
サンクトペテルブルクの名前の話だけで長くなっちゃったので今日はここまで。
次こそ観光に入ります。
夕べは寝る前からすでに胃がムカムカしていたので、この日は無事に起きられるのか不安だったが、一晩寝たら意外に元気に。
朝食はアメリカンスタイルのビュッフェで、特に目新しいものはなかったが、すごくおいしいと思ったのはヨーグルトと蜂蜜。
素朴でクセがなくてなおかつ濃厚。乳製品はさすがに質が高い。
ホテル内は空調が効いているので外の気温がまったくわからず、最初は半袖のシャツに薄手のジャケットを着ていたが、試しにちょっと外に出てみたら思いのほか空気が冷たくてびっくり。さらに、今にも雨が降りだしそうな空。
あわてて長袖のサマーセーターと厚いほうのジャケットに着替えた。
ふとリュックを見て「!?」となる。
リュックの底のポケットのチャックが……開いてる!!!
↓↓↓↓こんな感じ。
これは……空港で……開けられたとしか思えない。
なぜなら、こんなとこにチャックがあったなんて今まで自分も知らなかったので(^_^;)
もちろん、なんにも入ってなかったので問題はないんだけど、一応背中側のチャックだし、こんなとこ開けられるなんて……こえ〜。
薄いスペースだから中身を抜きやすいんだろうか。
ツアコンMさんが「空港はスリが多いから気を抜かないでください」と連呼してたので、ずっと気を張ってたつもりだったんだけど。
なんか悔しいわ。
9時半。ホテル前からバスに乗りこみ、観光の中心地である旧市街に出発。
空港と旧市街の間はバスで40分くらいの距離。ホテルはそのちょうど中間くらいに位置する。
昨日、空港からホテルまでの景色が「戦時中みたいな古さ」だと言ったが、ホテルから先は別世界だった。
ガイドブックで見るような、いわゆる「ロシアの皇帝が住む都」らしい建物がどんどん増えてきて、あっという間に戦時中から18世紀にタイムスリップ。
年代的にはさらに古くなったはずなのだが、モノクロからカラーになったように明るく感じられる。
サンクトペテルブルクがロシアの首都だったのは、ロマノフ王朝のピョートル大帝からロマノフ最後の皇帝であるニコライ二世(ロシアのラストエンペラー)の時代まで。
期間にすると、ちょうど18世紀〜19世紀の200年間くらいがその時期にあたる。
1918年、革命が起こってソビエト連邦となってからは首都がモスクワに移るわけだが、サンクトペテルブルクの前の首都がやっぱりモスクワだったということは初めて知った。
だからモスクワにも古いものはたくさんあるはずなのだが、ソ連時代に壊され、新しく立て替えられてしまった(いわゆるスターリン様式と言われる画一的な建築)。
一方、サンクトペテルブルクは、宮殿のあった中心エリアはそのまま保存され、どんなに不便でもお金がかかっても建物の外観を変えることは許されず、住人は中だけを改装しながら住み続けているという。
空港の近くは中心からは慣れているがゆえに新しい建物が建っていたというわけ。
サンクトペテルブルクという町を一言で言えば「プチヨーロッパ」だ。
17世紀までは、ヨーロッパから見たらロシアは「文化のない未開の地」だったわけで、それに対して「うちだってその気になればできるんだよ!」という気概を持ってピョートル大帝が新しく人工的に作った都がサンクトペテルブルクなのだ。
「人工的に作った」と書くのは簡単だが、運河の上に町を作るのは相当過酷な道のりだったらしい。
サンクトペテルブルクはしばしば「北のヴェネツィア」とたとえられるが、ヴェネツィアもあの姿になるまで試練の連続だったのは有名な話だ。
サンクトペテルブルクの意味は「聖ペテロの町」。
ペテロをロシア語にすればピョートルなので、ピョートル的には「同じ名前の聖人ってよくね?」というノリでつけたのだろう。
さらにこの町の名前がドイツ語っぽいことに注目。
ここにも「ヨーロッパ風」を目指す心意気が表れている。
しかし、第一次世界大戦でドイツと戦争状態になるとそんなことは言っていられなくなり、「敵国の言葉を使うなんてけしからん!」ってことで1914年、一時的に「ペトログラード(ピョートルの町)」というロシア語読みに改称。
さらに革命後、首都がモスクワに移ると、「ピョートルの名前がついていること」も気に入らなくなったのか、今度は「レニングラード(レーニンの町)」という名前に改称。
さらにさらに、今度はソ連も崩壊すると、「レーニンの名前がついていること」も気に入らなくなったようで、住民投票でもとの「サンクトペテルブルク」という旧姓に逆戻り。
住民投票ってところが興味深い。結局、首都だったロマノフ朝時代がこの町の一番の栄光だったという思いがあるんでしょうね。
サンクトペテルブルクの名前の話だけで長くなっちゃったので今日はここまで。
次こそ観光に入ります。
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「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
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