古伊万里★新伊万里
劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です
寝て、食べて、呼吸できるということ
- 2009/03/13 (Fri)
- 医療・健康 |
- TB() |
- Edit |
- ▲Top
冬ドラチェック、後編をアップするのは無理だろうと自分でも思っていましたが、やっぱり無理でした。というか、ドラマどころの話じゃない状況に…。
2月の一大イベント(東京デビュー公演)が怒濤のように過ぎ、それが無事終わったところで予定通りきっちり倒れました。
今回は私の体力のキャパをはるかに越えるイベントだったので、ただでは済まないだろうと覚悟はしていましたが、結果として覚悟以上のツケを払わせられることになりました。
そもそも公演前からずっと興奮と緊張と不安で熟睡できなかったんですが、公演期間中はもちろんのこと、公演が終わってもしばらくはまだ神経がピリピリして気が張った状態が続いていて、24時間体の力が抜けないような感覚が続いていました(だから疲れすら感じなかった)。
まわりからは「公演が終わったんだからゆっくり休んでね」と言われ、自分でも休養時間は充分とっていたのですが、肝心の体が休む体勢に切り替わらないのですから事実上休めてはいなかったんでしょう。
あまりにも力一杯走ると急には止まれず、無理に止まろうと思い切りブレーキをかければその反動で体にダメージを与えますよね。
それと同じで、今回もある臨界点に達したところでまとめてダメージが襲ってきました。
それは公演から1週間後のこと。
始まりは風邪でした。一晩中眠れないほどの喉の痛み。「やられた!」と思う間もなく発熱。そして久々の喘息発作。
最初は近所の病院へ抗生剤と発作止めの点滴に通い、あとは飲み薬をもらってじっと回復するのを待っていたのですが、1週間たってもよくなるどころかどんどんひどくなり、毎晩苦しくて眠れないうえに最後は薬が強すぎて胃もやられてしまったため、「これはもう終日点滴つなぎっぱなししかない!」と観念して入院しました。
入院時には喘息はピークをすぎていたんですが、抗生剤をずっと投与しているにもかかわらず今度は気管支炎に移行し、肋骨が折れそうなほどの激しい咳に見舞われ、咳のしすぎとステロイド投与のせいで頭の中がずっと興奮しまくって(いわゆる交感神経が過剰に働いている状態)、24時間眠れない!
いや、正確には多少は寝てるんだろうけど、自分ではとても寝たとは思えない浅い眠りしか得られず、脳内は常にお祭り状態という感じ。
病気でへとへとなのに眠れないって拷問ですよ。拷問。
でもさすがに点滴つなぎっぱなしは効果てきめんで、4日で点滴から経口に切り替えられ、1週間後にはほぼ回復して退院することができました。
退院した日は2週間ぶりにぐっすりと熟睡することができて、このとき初めて全力疾走の状態からかけたブレーキが完全に停止した気がしました。
その日を境にようやく副交感神経が優位に働くようになり、今は驚くほどおだやかでクリアな気分になっています。
まさに「嵐のあと」の「明鏡止水」の心境。
とにかく眠れて、食べれて、普通に呼吸できることが心地よくてたまらない。
砂地に水がしみこむように体がそれを喜んでいるのがわかります。
某ドラマのタイトルじゃないけど、これこそが「ありふれた奇跡」なのだと心の底から思います。
入院なんてしないにこしたことはないけれど、ここまでシンプルに生命維持機能に感動できるのは、それが危機的状況に陥るような経験をしたからだと思います。
人間、まず呼吸して、眠って、食べて、出す。それが最低ラインの基本です。
その上に、身だしなみを整えるといった衛生的なレベルがあって、自分の身の回りの雑事をこなせるレベルがあって、「仕事をする」なんていうのはその一番てっぺんにある高度な営みなわけで、そのてっぺんから一番下まで一気に落ちると、その間にあることは一瞬にしてすべてどうでもよくなってしまいます。
そこまでリセットされたうえで最低ラインの確保から再びスタートすると、そこから一段階ずつ上にあがっていく嬉しさといったらないですよ。
下がっていくときは地獄なのに、同じ景色が上がっていくときは輝いて見える。
たとえていうなら、引っ越しの荷物整理のしんどさと、新築の家に新しく家具を入れてどこになにを収納しようか考えるような楽しさみたいな感じ。
これだけは健康な人には味わえない幸せだと思います。
幸せって「持ってる」だけでは不十分で、「持ってることに気づく」ことが必要だと思うので。
体調が元に戻ればそんな「幸せ」も現実のストレスの中に埋もれてしまうのでしょうが、もうしばらくこの「幸せ」を反芻したいと、寝たいだけ寝て、食べたいだけ食べて、呼吸したいだけ呼吸している毎日です。
2月の一大イベント(東京デビュー公演)が怒濤のように過ぎ、それが無事終わったところで予定通りきっちり倒れました。
今回は私の体力のキャパをはるかに越えるイベントだったので、ただでは済まないだろうと覚悟はしていましたが、結果として覚悟以上のツケを払わせられることになりました。
そもそも公演前からずっと興奮と緊張と不安で熟睡できなかったんですが、公演期間中はもちろんのこと、公演が終わってもしばらくはまだ神経がピリピリして気が張った状態が続いていて、24時間体の力が抜けないような感覚が続いていました(だから疲れすら感じなかった)。
まわりからは「公演が終わったんだからゆっくり休んでね」と言われ、自分でも休養時間は充分とっていたのですが、肝心の体が休む体勢に切り替わらないのですから事実上休めてはいなかったんでしょう。
あまりにも力一杯走ると急には止まれず、無理に止まろうと思い切りブレーキをかければその反動で体にダメージを与えますよね。
それと同じで、今回もある臨界点に達したところでまとめてダメージが襲ってきました。
それは公演から1週間後のこと。
始まりは風邪でした。一晩中眠れないほどの喉の痛み。「やられた!」と思う間もなく発熱。そして久々の喘息発作。
最初は近所の病院へ抗生剤と発作止めの点滴に通い、あとは飲み薬をもらってじっと回復するのを待っていたのですが、1週間たってもよくなるどころかどんどんひどくなり、毎晩苦しくて眠れないうえに最後は薬が強すぎて胃もやられてしまったため、「これはもう終日点滴つなぎっぱなししかない!」と観念して入院しました。
入院時には喘息はピークをすぎていたんですが、抗生剤をずっと投与しているにもかかわらず今度は気管支炎に移行し、肋骨が折れそうなほどの激しい咳に見舞われ、咳のしすぎとステロイド投与のせいで頭の中がずっと興奮しまくって(いわゆる交感神経が過剰に働いている状態)、24時間眠れない!
いや、正確には多少は寝てるんだろうけど、自分ではとても寝たとは思えない浅い眠りしか得られず、脳内は常にお祭り状態という感じ。
病気でへとへとなのに眠れないって拷問ですよ。拷問。
でもさすがに点滴つなぎっぱなしは効果てきめんで、4日で点滴から経口に切り替えられ、1週間後にはほぼ回復して退院することができました。
退院した日は2週間ぶりにぐっすりと熟睡することができて、このとき初めて全力疾走の状態からかけたブレーキが完全に停止した気がしました。
その日を境にようやく副交感神経が優位に働くようになり、今は驚くほどおだやかでクリアな気分になっています。
まさに「嵐のあと」の「明鏡止水」の心境。
とにかく眠れて、食べれて、普通に呼吸できることが心地よくてたまらない。
砂地に水がしみこむように体がそれを喜んでいるのがわかります。
某ドラマのタイトルじゃないけど、これこそが「ありふれた奇跡」なのだと心の底から思います。
入院なんてしないにこしたことはないけれど、ここまでシンプルに生命維持機能に感動できるのは、それが危機的状況に陥るような経験をしたからだと思います。
人間、まず呼吸して、眠って、食べて、出す。それが最低ラインの基本です。
その上に、身だしなみを整えるといった衛生的なレベルがあって、自分の身の回りの雑事をこなせるレベルがあって、「仕事をする」なんていうのはその一番てっぺんにある高度な営みなわけで、そのてっぺんから一番下まで一気に落ちると、その間にあることは一瞬にしてすべてどうでもよくなってしまいます。
そこまでリセットされたうえで最低ラインの確保から再びスタートすると、そこから一段階ずつ上にあがっていく嬉しさといったらないですよ。
下がっていくときは地獄なのに、同じ景色が上がっていくときは輝いて見える。
たとえていうなら、引っ越しの荷物整理のしんどさと、新築の家に新しく家具を入れてどこになにを収納しようか考えるような楽しさみたいな感じ。
これだけは健康な人には味わえない幸せだと思います。
幸せって「持ってる」だけでは不十分で、「持ってることに気づく」ことが必要だと思うので。
体調が元に戻ればそんな「幸せ」も現実のストレスの中に埋もれてしまうのでしょうが、もうしばらくこの「幸せ」を反芻したいと、寝たいだけ寝て、食べたいだけ食べて、呼吸したいだけ呼吸している毎日です。
PR
この記事へのトラックバック
トラックバックURL
カウンタ
カレンダー
プロフィール
最新記事
(02/28)
(11/19)
(08/28)
(07/23)
(02/03)
最新コメント
(04/23)
(08/29)
(08/28)
(08/28)
(07/24)
(07/24)
(07/24)
(07/24)
(05/27)
(05/26)
カテゴリー
著作
「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
最古記事
(01/01)
(01/01)
(01/02)
(01/03)
(01/05)