古伊万里★新伊万里
劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です
かくも長き不在の末に
引っ越して2週間……。
さすがに仮住まいのときのようにすぐには落ち着きません。
やることがあまりにも多すぎて、AにとりかかるとBが気になり、BにとりかかればCが気になり……といった具合で、なにをやっても「こんなことしてる場合じゃない」「他にもっと優先してやらなきゃいけないことがあるはず」と浮き足だってしまい、結局どれも中途半端なまま疲れてこんなところでブログ書いてます。
はい。一番「今、やらなくてもいいだろう」ってことやってます。すいません。
でも、この調子だと、落ち着く頃には引っ越し当初の話も印象が薄れてきてしまいそうなので、今書かないと……ってことで、続きです。
<誤算その2>
品川に仮住まいしたとき、最も困ったのは「食料調達」です。
新しく開発されたエリアなんでしかたないんですけど、運河とマンションばっかりで、近くに商店街やスーパーがないんですよ。
歩いて数分の場所から品川シーサイドの「ジャスコ」まで無料送迎バスが出ていましたが、それだって片道15分かかります。
引っ越してまもなく、徒歩7分くらいの場所に「マルエツ」ができたため、まあかろうじて日常の食材はそこで調達できるようになったんですが、それでも「あ、薬味の茗荷がない」とか、「このパスタはズッキーニがほしいんだよな」とか、「きのこ類が何もない」とか、ピンポイントで特定の食材がほしいときに、それだけのために14階から下まで降りて、さらにいくつも大きな横断歩道を横切って「マルエツ」まで行くかって言われたら行かないわけです。
その点、杉並にいたときは徒歩1分以内の場所にスーパーがあったので、「ちょこっと買い」が気楽にでき、料理好きとしてはかなり恵まれた環境にありました。
「ジャスコ」や「マルエツ」のような巨大スーパーじゃないので、品揃えに物足りなさはありますが、日常的に使う野菜など、消耗度の高い食材の調達には充分の規模でした。
たしかに、品川駅まわりには外食できるお店がいっぱいあるし、ちょっと歩けば天王洲アイルのおしゃれな店には行けるし、その点ではとても便利でした。
杉並じゃ、外食しようったって徒歩圏内に気の利いた店なんて1軒もないし。
ただ、うちの家族は、少人数とはいえ、在宅率と自炊率がかなり高いので、スーパーが近くにあるかどうかは非常に大きな問題だったんです。
品川暮らしが終わりに近づくにつれて「ああ、この夜景ともお別れなんだ」とか「このお店の××も気軽に食べられなくなるな」などの心残りがたくさん出てきましたが、「今度からはスーパーが近くなる」という点だけは楽しみでした。
まあ、ここまで話せばオチは見えると思うんですが…。
そう。帰ったらつぶれてたんですよ、そのスーパーが。
しかもですよ。引っ越してきた前日なんですよ、店仕舞いした日が。
これって……いやがらせ??
そのショックたるやすごかったですよ。
もう世界が終焉を迎えたくらいのショック。
思えば、今までうちはそのスーパーでかなりの量の買い物をしていたので、うちが半年間よそに行ってしまったことで売り上げが激減し、一気に経営状態がおもわしくなくなったのかも。
うぅ。ごめんよ。うちが仮住まいなんてしたばっかりに。。。
しかし、そうなると近所の人たちにも「なぜこんなになるまで手をこまねいて見ていたのか」「もっとなんとかしてやれなかったのか」「きみたち、ちゃんと料理してたのか?
」という憤りがわいてきます(笑)。
「ほんと、あそこのスーパーがなくなって痛手だわ〜」というご近所さんを目撃するたびに「そこまで追いつめたのはあんたじゃないのか?」という思いがメラメラと(←見当違い)。
あー、戻ってくるまでは「あんなしょぼいスーパーでも、何もないよりは便利だよね」とかひどいこと言ってたのに、そんな過去はきれいに忘れて、今は鎮魂の思いでいっぱいです。
あのスーパーをこんなに愛していた自分にびっくりです。
ていうか、愛していたのはそのスーパーというよりは、「そこの場所にスーパーがあること」なので、つぶれたあとにべつのスーパーができれば全然OKなんですけどね。
毎日そこの前を通るたびに、またスーパーが入らないかと未練がましく廃屋を覗き込んだりしているのですが、今のところその兆しはまったくありません。
それどころか、向かい側に羽振りの良い塾があるので、そこの塾が借りるんじゃないかという一抹の不安が……。
塾なんて、うちにとってはなんの旨みもないので、絶対にやめてほしい。せめてなにか食べられるものにしてくれ。。。
というわけで、「今度はあのスーパーがあるから(品川と違って)食料はなんとでもなるね」と調味料も食材もことごとく空にして身軽に引っ越してきた私たちは、「閉店」のお知らせに仰天し、急遽品川から持ってきた腐りかけた野菜などを調理して生きながらえたのでした。
今は、徒歩15分くらいの大きなスーパーに車で行って「まとめ買い」か、徒歩5分の小さなスーパーでの「補足買い」でしのいでいます。
いずれも距離的にはそれほど遠くなさそうに見えますが、坂をのぼって下りてという難所(?)を越えなければならないため、見た目より遠く感じます。
引っ越し後はただでさえ片づけでエネルギーが奪われるので、食料の調達にはできるだけエネルギーを使いたくなかったのに。。。。
失って初めて知る存在の大きさ……。
これが一番の誤算だったかも。
さすがに仮住まいのときのようにすぐには落ち着きません。
やることがあまりにも多すぎて、AにとりかかるとBが気になり、BにとりかかればCが気になり……といった具合で、なにをやっても「こんなことしてる場合じゃない」「他にもっと優先してやらなきゃいけないことがあるはず」と浮き足だってしまい、結局どれも中途半端なまま疲れてこんなところでブログ書いてます。
はい。一番「今、やらなくてもいいだろう」ってことやってます。すいません。
でも、この調子だと、落ち着く頃には引っ越し当初の話も印象が薄れてきてしまいそうなので、今書かないと……ってことで、続きです。
<誤算その2>
品川に仮住まいしたとき、最も困ったのは「食料調達」です。
新しく開発されたエリアなんでしかたないんですけど、運河とマンションばっかりで、近くに商店街やスーパーがないんですよ。
歩いて数分の場所から品川シーサイドの「ジャスコ」まで無料送迎バスが出ていましたが、それだって片道15分かかります。
引っ越してまもなく、徒歩7分くらいの場所に「マルエツ」ができたため、まあかろうじて日常の食材はそこで調達できるようになったんですが、それでも「あ、薬味の茗荷がない」とか、「このパスタはズッキーニがほしいんだよな」とか、「きのこ類が何もない」とか、ピンポイントで特定の食材がほしいときに、それだけのために14階から下まで降りて、さらにいくつも大きな横断歩道を横切って「マルエツ」まで行くかって言われたら行かないわけです。
その点、杉並にいたときは徒歩1分以内の場所にスーパーがあったので、「ちょこっと買い」が気楽にでき、料理好きとしてはかなり恵まれた環境にありました。
「ジャスコ」や「マルエツ」のような巨大スーパーじゃないので、品揃えに物足りなさはありますが、日常的に使う野菜など、消耗度の高い食材の調達には充分の規模でした。
たしかに、品川駅まわりには外食できるお店がいっぱいあるし、ちょっと歩けば天王洲アイルのおしゃれな店には行けるし、その点ではとても便利でした。
杉並じゃ、外食しようったって徒歩圏内に気の利いた店なんて1軒もないし。
ただ、うちの家族は、少人数とはいえ、在宅率と自炊率がかなり高いので、スーパーが近くにあるかどうかは非常に大きな問題だったんです。
品川暮らしが終わりに近づくにつれて「ああ、この夜景ともお別れなんだ」とか「このお店の××も気軽に食べられなくなるな」などの心残りがたくさん出てきましたが、「今度からはスーパーが近くなる」という点だけは楽しみでした。
まあ、ここまで話せばオチは見えると思うんですが…。
そう。帰ったらつぶれてたんですよ、そのスーパーが。
しかもですよ。引っ越してきた前日なんですよ、店仕舞いした日が。
これって……いやがらせ??
そのショックたるやすごかったですよ。
もう世界が終焉を迎えたくらいのショック。
思えば、今までうちはそのスーパーでかなりの量の買い物をしていたので、うちが半年間よそに行ってしまったことで売り上げが激減し、一気に経営状態がおもわしくなくなったのかも。
うぅ。ごめんよ。うちが仮住まいなんてしたばっかりに。。。

しかし、そうなると近所の人たちにも「なぜこんなになるまで手をこまねいて見ていたのか」「もっとなんとかしてやれなかったのか」「きみたち、ちゃんと料理してたのか?

「ほんと、あそこのスーパーがなくなって痛手だわ〜」というご近所さんを目撃するたびに「そこまで追いつめたのはあんたじゃないのか?」という思いがメラメラと(←見当違い)。
あー、戻ってくるまでは「あんなしょぼいスーパーでも、何もないよりは便利だよね」とかひどいこと言ってたのに、そんな過去はきれいに忘れて、今は鎮魂の思いでいっぱいです。
あのスーパーをこんなに愛していた自分にびっくりです。
ていうか、愛していたのはそのスーパーというよりは、「そこの場所にスーパーがあること」なので、つぶれたあとにべつのスーパーができれば全然OKなんですけどね。
毎日そこの前を通るたびに、またスーパーが入らないかと未練がましく廃屋を覗き込んだりしているのですが、今のところその兆しはまったくありません。
それどころか、向かい側に羽振りの良い塾があるので、そこの塾が借りるんじゃないかという一抹の不安が……。
塾なんて、うちにとってはなんの旨みもないので、絶対にやめてほしい。せめてなにか食べられるものにしてくれ。。。
というわけで、「今度はあのスーパーがあるから(品川と違って)食料はなんとでもなるね」と調味料も食材もことごとく空にして身軽に引っ越してきた私たちは、「閉店」のお知らせに仰天し、急遽品川から持ってきた腐りかけた野菜などを調理して生きながらえたのでした。
今は、徒歩15分くらいの大きなスーパーに車で行って「まとめ買い」か、徒歩5分の小さなスーパーでの「補足買い」でしのいでいます。
いずれも距離的にはそれほど遠くなさそうに見えますが、坂をのぼって下りてという難所(?)を越えなければならないため、見た目より遠く感じます。
引っ越し後はただでさえ片づけでエネルギーが奪われるので、食料の調達にはできるだけエネルギーを使いたくなかったのに。。。。
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これが一番の誤算だったかも。
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「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
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かくも長き不在の末に
「細々スーパー」、うちの近所にも有りますよ。
大概は、年寄り客。
もう一つ、中規模の細々スーパー(客が居ない)は、とうとう潰れました。
私も買い忘れなんて時は、良く買いに走りました。
潰れた店は、2代目のスーパーで、その前のスーパーも全然客が入らなかったんです。
次もスーパーかな??
私に経営任せろ!って感じです。
きっと風水が悪いのかも…。
スーパー受難時代
スーパーができて商店街がさびれるっていう話はききますけど、そのスーパーも淘汰されていく時代なんですね。
たしかに、品川にいたときも、推定住民数(高層マンションがいっぱい)に比して、スーパーの数がどうみても少ないのに、いつ行ってもあんまり混んでないのが不思議でした。
「コンビニ+時々遠くの巨大スーパーにまとめ買い」というのが若い人(?)のライフスタイルなんでしょうか。
私の友人(けっこう大人数家族の主婦)にも「毎日出かける用事があって忙しくて買い物なんてしてられないから食材は週1でまとめ買い」とか言ってるやつがいるんですが、どう考えても週1の買い物で1週間分の食事をまかなえるとは思えないんですけどねー。
毎日同じもん食ってるのか?
まあ1日に何回もスーパーに行くうちもどうなんだって気もしますが。