古伊万里★新伊万里
劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です
バレエ界の大竹しのぶを発見!
皆様ご存じの通り、貧乏のくせに観劇に高いお金を払い続けている私。
「エンゲル係数」ならぬ「観劇係数」というものがあるなら、かなりいい線(いいのか?)いくことは間違いないと思います。
そんな私だからこそ、これ以上罪を重ねないためにも、「演劇」や「ミュージカル」に抵触しそうなエンターテインメントにはできるだけ近づかないように自制してきました。
たとえば、歌舞伎、能・狂言、文楽、オペラなどのような、通い出したら財布に穴が開いてる状態になりそうなもの。それ単独でも大変そうなのに、これプラス演劇となったらどんな恐ろしいことになるのか…。
バレエもその要注意項目の一つだったのですが、なにかのきっかけで急に「バレエを観てみたい」と言い出した母のせい(あえて人のせいにします)で、Kバレエカンパニーの「白鳥の湖」を観にいくことになってしまいました。
注)Kバレエカンパニー
…英国のロイヤルバレエ団で史上最年少プリンシパルとなった熊川哲也が、1998年に団をやめて作った自前のバレエ団。踊り手としてだけではなく、興行師的な部分から、演出や振付や若手育成まで、トータルにかかわっている。
結果は……まんまとしてやられました。
バレエを観たのはもちろん初めてではありませし、「白鳥の湖」もナマやTVで何回か観たことがあったのですが、Kバレエは、今まで観てきたバレエ(おもに海外の由緒ある伝統的なバレエ団の来日公演)とはすべてが違っていました。
一言でいうと“限りなく芝居に近いパフォーマンス”といったところでしょうか。
「白鳥の湖」じたい超有名な話だし、どういうふうにやろうと話がわかりにくいということはないんですが、Kバレエの演出は特にドラマとしての自然な感情の流れをわかりやすく見せることに力を入れているように思えました(たとえば、ラブシーンはよりラブシーンらしく、嘆きのシーンはより嘆きらしく、迷いのシーンはより迷いらしく…など)。
これに比べると、極端な話、今まで観てきたバレエは、音楽に合わせて記号としての踊りを見せていただけで、あまり感情移入する余地がなかったという印象が強いのです。
もっともそんなに数多くのバレエを観たわけではないので、たまたま今まで観たものがそういうものだったのかもしれませんし、時代の流れとして最近はどこもこういうバレエが増えてきたのかもしれませんが…。
ただ、確実に言えることは、他のバレエ公演とは客層が明らかに違ったということです。
一般的にバレエファンというのは、バレエを習っている人(いた人)とか、バレリーナを目指す人などが多く、意外に他のジャンルのファンとはまじらないものなんですが、Kバレエに関しては他ジャンルのファン(演劇ファンやミュージカルファンなど、とにかくライブのパフォーマンスが好きな人)がかなりの率で混入してきているようで、そのことからもなにかKバレエだけがもつ敷居の低さみたいなものを感じさせます。
演劇業界でいうと「劇団四季」みたいな位置づけなのかもしれない。
歌舞伎でいうと「猿之助のスーパー歌舞伎」とか、宝塚でいえば「宙組」とか。
もちろん、看板である熊川哲也の知名度や人気が一番大きいのでしょうが、それだけで人気が続くほど甘くはないでしょう。チケット代だってお安くないし。
ライブ慣れしている演劇・ミュージカルファンは、いろいろなものを観て目が肥えているし、本当にいいと思ったものには高いお金も払うので、彼らを継続的にひきつけられるということは真にパフォーマンスとして価値が高いということです。
わかりやすさや敷居の低さばかりを強調してしまいましたが、当然のことながらレベルの高さにも圧倒されました。これは素人目でも充分わかります。
技術力、表現力だけでなく、全体的に若々しさや勢いみたいなものも感じたし、いい意味でスポーツを観ているような爽快感がありました。
スポーツといえば、噂の熊川哲也の跳躍力には度肝を抜かれました(他の男性舞踊手と比べればその高さの差は歴然)。
高く跳ぶだけならまだしも、
あの滞空時間の長さはなに?
納得できません。
絶対ピアノ線で吊られてるはず。と、思わずトリックを暴きたくなったほどです(笑)。
お客も明らかにそれが目当てと見えて、熊川が高く跳ぶたびに「うぉ〜」というなんともいえないどよめきと拍手が同時に起こります。
それが最高潮に達したのは、3幕。
ここの最大の見せ場として、黒鳥(オディール)のグラン・フェッテがあることは超有名ですよね。
王子を誘惑するオディールが、その悪魔的な魅力を表現するため、片脚を上げたまま軸足だけで連続32回転するシーンです。
しかもただ廻るだけではなく、「ダブル」といって、1回廻るところを2回廻るという変則的テクニックがあり(縄跳びの二重跳びみたいなものね)、32回転の中で何回「ダブル」を入れられるかによって、グラン・フェッテの難易度があがっていきます。
この日オディールをやった松岡梨絵も、何度かこの「ダブル」を入れてきました(すいません。圧倒されてしまって何回入れたのか正確に覚えていません)。
当然、観客は大興奮。勝ち誇ったような笑みを浮かべながらいつまでも廻り続けるオディールに拍手のボルテージはガンガン上がります。ここまではまあどの「白鳥の湖」でも観られるシーンです。
しかしさらに驚いたのはこのあと。
オディールが廻り終えてポーズを決めたあと、間髪を入れず、その後ろから王子@熊川が回転を引き継ぐように廻りながら前へ出てきて、同じグラン・フェッテを続け(これはさすがに32回は廻りませんが)、最後の回転で「これでもか!」とばかりに「トリプル」を決めたのです。
もうムチャクチャかっこいい!!
なんという心憎い演出。
ていうか、こんな振付あったっけ…。
オディールのグラン・フェッテのあとに王子が見せ場をさらうシーンなんて初めて観た気がするんですが。
今回の「白鳥の湖」は基本的には今までの振付と同じで、ところどころ熊川自身が振りを付け直しているらしいので、王子の部分は自分で足したのかな…。
「最後に勝つのはこの俺さ〜♪」(by「エリザベート」の“最後のダンス”)
って感じで、いかにも俺様的イメージの熊川にふさわしいパフォーマンスですが、オディールの悪魔的な誘惑に完全に落ちてしまった王子の姿の表現としてこれはすごくわかりやすい一瞬だったと思います。
と、熊川のすばらしさをほめたたえたあとで。
じつは本当に度肝を抜かれたものは他にあります。
それは主役のオデットを踊ったヴィヴィアナ・デュランテです。
ヴィヴィアナがどのくらいすごいキャリアの持ち主かなんてことはまったく知らずに観劇した私ですが、このオデットには文字通り仰天しました。
「うまい」とか「きれい」とか「表現力がある」とか、そんな通りいっぺんの言葉ではとても語りきれません。
とにかくすさまじいオーラを放っていて、とてもこれが生身の人間であるとは信じられない。物語の中だけに生きている想像上の生き物という感じ。私が観てきた中で、ここまで生身感のないパフォーマーは花総まりについで2人目かも(笑)。
が、すごいのはそれだけじゃありません。小柄で華奢で顔なんて握り拳くらしかなくて、ルックス的には“妖精”って感じなんですが、そのイノセントな雰囲気と、存在そのものから漂うおどろおどろしい妖気のミスマッチがただ者ではない感じなのです。一言でいうと「妖精の顔をした妖怪」って感じでしょうか。
たまたま今度の役が人間じゃないもの(白鳥)という特殊な役だったからなおさらその「妖怪」的な部分が生きたのでしょうが、ほんとに白鳥にしか見えないんですよ。
このなりきり具合、「うまい」を通り越して「こわい」です。ここまでいくと女優魂というより巫女を観てるようで…。
で、あまりの存在感にフラフラになり、帰ってから思わずネットで検索しまくってしまったのですが、まずわかったのは彼女は熊川の元恋人で、6歳年上だということ。ローマに生まれ、22歳でロイヤルバレエ団のプリンシパルになったということ。卓越した表現力・演技力とカリスマ性で他の追随を許さない世界的なプリマだということ。
さらに、つい最近組織ともめてロイヤルバレエ団をやめさせられることになったこと、熊川とは恋人を卒業したあとも仕事上のパートナーとして強い絆で結ばれ、Kバレエの公演には頻繁にゲスト出演していることなどもわかりました。
その他、素顔のエピソードも含めて彼女に関するコメントをガーッと読んでみましたが、そこから浮かび上がってくるイメージに、どうも「私、こういう人知ってる。なんかにダブる気がする」という既視感があり、気になってずーっと考えてたのですが、ようやくわかりました。
北島マヤ(笑)……じゃなくて、
大竹しのぶです。
普段の天然っぷりといい、舞台にあがったとたん誰にもとめられない勢いで役にのめりこんでいく常軌を逸した集中力といい、「そこまでやらなくても」というところまでやってしまう妄想力といい、鬼気迫る役や男を惑わす女性の役をやらせたらこわいくらいハマるところといい、「私、あまりこういうタイプは好きじゃないの」という客が観ても説得されてしまうカリスマといい、いちいちぴったり。
一方、熊川哲也についての評価は「いくつになっても生意気」「俺様」「何を演じてもノリが軽い」というものが多いのですが、こういうタイプと大竹しのぶタイプが相性がいいというのはわかるような、わからないような…。
ここで熊川のイメージも「どこかで観たような」という既視感があると思って考えてみたのですがわかりました。
山口祐一郎でした(笑)。
たしかにこれみよがしに高く跳ぶ熊川と、これきけがしに美声を響かせる山口にはかなり共通するものを感じます。
へそまがりな客が、「なーにがクマテツだよ。高く跳ぶからってそれがなんだっつーのよ」とか言いながら観に行っても、目の前であの跳躍を観せられたらやっぱり「うほぉ〜」とわけのわかんないため息を皆と一緒についてしまう、みたいな感じ、アンチ祐一郎にも似たような現象が見られますので。
というわけで、バレエの世界、予想以上におもしろそうで困っています。
やばい……お願い……誰か止めて……。
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「エンゲル係数」ならぬ「観劇係数」というものがあるなら、かなりいい線(いいのか?)いくことは間違いないと思います。
そんな私だからこそ、これ以上罪を重ねないためにも、「演劇」や「ミュージカル」に抵触しそうなエンターテインメントにはできるだけ近づかないように自制してきました。
たとえば、歌舞伎、能・狂言、文楽、オペラなどのような、通い出したら財布に穴が開いてる状態になりそうなもの。それ単独でも大変そうなのに、これプラス演劇となったらどんな恐ろしいことになるのか…。
バレエもその要注意項目の一つだったのですが、なにかのきっかけで急に「バレエを観てみたい」と言い出した母のせい(あえて人のせいにします)で、Kバレエカンパニーの「白鳥の湖」を観にいくことになってしまいました。
注)Kバレエカンパニー
…英国のロイヤルバレエ団で史上最年少プリンシパルとなった熊川哲也が、1998年に団をやめて作った自前のバレエ団。踊り手としてだけではなく、興行師的な部分から、演出や振付や若手育成まで、トータルにかかわっている。
結果は……まんまとしてやられました。
バレエを観たのはもちろん初めてではありませし、「白鳥の湖」もナマやTVで何回か観たことがあったのですが、Kバレエは、今まで観てきたバレエ(おもに海外の由緒ある伝統的なバレエ団の来日公演)とはすべてが違っていました。
一言でいうと“限りなく芝居に近いパフォーマンス”といったところでしょうか。
「白鳥の湖」じたい超有名な話だし、どういうふうにやろうと話がわかりにくいということはないんですが、Kバレエの演出は特にドラマとしての自然な感情の流れをわかりやすく見せることに力を入れているように思えました(たとえば、ラブシーンはよりラブシーンらしく、嘆きのシーンはより嘆きらしく、迷いのシーンはより迷いらしく…など)。
これに比べると、極端な話、今まで観てきたバレエは、音楽に合わせて記号としての踊りを見せていただけで、あまり感情移入する余地がなかったという印象が強いのです。
もっともそんなに数多くのバレエを観たわけではないので、たまたま今まで観たものがそういうものだったのかもしれませんし、時代の流れとして最近はどこもこういうバレエが増えてきたのかもしれませんが…。
ただ、確実に言えることは、他のバレエ公演とは客層が明らかに違ったということです。
一般的にバレエファンというのは、バレエを習っている人(いた人)とか、バレリーナを目指す人などが多く、意外に他のジャンルのファンとはまじらないものなんですが、Kバレエに関しては他ジャンルのファン(演劇ファンやミュージカルファンなど、とにかくライブのパフォーマンスが好きな人)がかなりの率で混入してきているようで、そのことからもなにかKバレエだけがもつ敷居の低さみたいなものを感じさせます。
演劇業界でいうと「劇団四季」みたいな位置づけなのかもしれない。
歌舞伎でいうと「猿之助のスーパー歌舞伎」とか、宝塚でいえば「宙組」とか。
もちろん、看板である熊川哲也の知名度や人気が一番大きいのでしょうが、それだけで人気が続くほど甘くはないでしょう。チケット代だってお安くないし。
ライブ慣れしている演劇・ミュージカルファンは、いろいろなものを観て目が肥えているし、本当にいいと思ったものには高いお金も払うので、彼らを継続的にひきつけられるということは真にパフォーマンスとして価値が高いということです。
わかりやすさや敷居の低さばかりを強調してしまいましたが、当然のことながらレベルの高さにも圧倒されました。これは素人目でも充分わかります。
技術力、表現力だけでなく、全体的に若々しさや勢いみたいなものも感じたし、いい意味でスポーツを観ているような爽快感がありました。
スポーツといえば、噂の熊川哲也の跳躍力には度肝を抜かれました(他の男性舞踊手と比べればその高さの差は歴然)。
高く跳ぶだけならまだしも、
あの滞空時間の長さはなに?
納得できません。
絶対ピアノ線で吊られてるはず。と、思わずトリックを暴きたくなったほどです(笑)。
お客も明らかにそれが目当てと見えて、熊川が高く跳ぶたびに「うぉ〜」というなんともいえないどよめきと拍手が同時に起こります。
それが最高潮に達したのは、3幕。
ここの最大の見せ場として、黒鳥(オディール)のグラン・フェッテがあることは超有名ですよね。
王子を誘惑するオディールが、その悪魔的な魅力を表現するため、片脚を上げたまま軸足だけで連続32回転するシーンです。
しかもただ廻るだけではなく、「ダブル」といって、1回廻るところを2回廻るという変則的テクニックがあり(縄跳びの二重跳びみたいなものね)、32回転の中で何回「ダブル」を入れられるかによって、グラン・フェッテの難易度があがっていきます。
この日オディールをやった松岡梨絵も、何度かこの「ダブル」を入れてきました(すいません。圧倒されてしまって何回入れたのか正確に覚えていません)。
当然、観客は大興奮。勝ち誇ったような笑みを浮かべながらいつまでも廻り続けるオディールに拍手のボルテージはガンガン上がります。ここまではまあどの「白鳥の湖」でも観られるシーンです。
しかしさらに驚いたのはこのあと。
オディールが廻り終えてポーズを決めたあと、間髪を入れず、その後ろから王子@熊川が回転を引き継ぐように廻りながら前へ出てきて、同じグラン・フェッテを続け(これはさすがに32回は廻りませんが)、最後の回転で「これでもか!」とばかりに「トリプル」を決めたのです。
もうムチャクチャかっこいい!!
なんという心憎い演出。
ていうか、こんな振付あったっけ…。
オディールのグラン・フェッテのあとに王子が見せ場をさらうシーンなんて初めて観た気がするんですが。
今回の「白鳥の湖」は基本的には今までの振付と同じで、ところどころ熊川自身が振りを付け直しているらしいので、王子の部分は自分で足したのかな…。
「最後に勝つのはこの俺さ〜♪」(by「エリザベート」の“最後のダンス”)
って感じで、いかにも俺様的イメージの熊川にふさわしいパフォーマンスですが、オディールの悪魔的な誘惑に完全に落ちてしまった王子の姿の表現としてこれはすごくわかりやすい一瞬だったと思います。
と、熊川のすばらしさをほめたたえたあとで。
じつは本当に度肝を抜かれたものは他にあります。
それは主役のオデットを踊ったヴィヴィアナ・デュランテです。
ヴィヴィアナがどのくらいすごいキャリアの持ち主かなんてことはまったく知らずに観劇した私ですが、このオデットには文字通り仰天しました。
「うまい」とか「きれい」とか「表現力がある」とか、そんな通りいっぺんの言葉ではとても語りきれません。
とにかくすさまじいオーラを放っていて、とてもこれが生身の人間であるとは信じられない。物語の中だけに生きている想像上の生き物という感じ。私が観てきた中で、ここまで生身感のないパフォーマーは花総まりについで2人目かも(笑)。
が、すごいのはそれだけじゃありません。小柄で華奢で顔なんて握り拳くらしかなくて、ルックス的には“妖精”って感じなんですが、そのイノセントな雰囲気と、存在そのものから漂うおどろおどろしい妖気のミスマッチがただ者ではない感じなのです。一言でいうと「妖精の顔をした妖怪」って感じでしょうか。
たまたま今度の役が人間じゃないもの(白鳥)という特殊な役だったからなおさらその「妖怪」的な部分が生きたのでしょうが、ほんとに白鳥にしか見えないんですよ。
このなりきり具合、「うまい」を通り越して「こわい」です。ここまでいくと女優魂というより巫女を観てるようで…。
で、あまりの存在感にフラフラになり、帰ってから思わずネットで検索しまくってしまったのですが、まずわかったのは彼女は熊川の元恋人で、6歳年上だということ。ローマに生まれ、22歳でロイヤルバレエ団のプリンシパルになったということ。卓越した表現力・演技力とカリスマ性で他の追随を許さない世界的なプリマだということ。
さらに、つい最近組織ともめてロイヤルバレエ団をやめさせられることになったこと、熊川とは恋人を卒業したあとも仕事上のパートナーとして強い絆で結ばれ、Kバレエの公演には頻繁にゲスト出演していることなどもわかりました。
その他、素顔のエピソードも含めて彼女に関するコメントをガーッと読んでみましたが、そこから浮かび上がってくるイメージに、どうも「私、こういう人知ってる。なんかにダブる気がする」という既視感があり、気になってずーっと考えてたのですが、ようやくわかりました。
北島マヤ(笑)……じゃなくて、
大竹しのぶです。
普段の天然っぷりといい、舞台にあがったとたん誰にもとめられない勢いで役にのめりこんでいく常軌を逸した集中力といい、「そこまでやらなくても」というところまでやってしまう妄想力といい、鬼気迫る役や男を惑わす女性の役をやらせたらこわいくらいハマるところといい、「私、あまりこういうタイプは好きじゃないの」という客が観ても説得されてしまうカリスマといい、いちいちぴったり。
一方、熊川哲也についての評価は「いくつになっても生意気」「俺様」「何を演じてもノリが軽い」というものが多いのですが、こういうタイプと大竹しのぶタイプが相性がいいというのはわかるような、わからないような…。
ここで熊川のイメージも「どこかで観たような」という既視感があると思って考えてみたのですがわかりました。
山口祐一郎でした(笑)。
たしかにこれみよがしに高く跳ぶ熊川と、これきけがしに美声を響かせる山口にはかなり共通するものを感じます。
へそまがりな客が、「なーにがクマテツだよ。高く跳ぶからってそれがなんだっつーのよ」とか言いながら観に行っても、目の前であの跳躍を観せられたらやっぱり「うほぉ〜」とわけのわかんないため息を皆と一緒についてしまう、みたいな感じ、アンチ祐一郎にも似たような現象が見られますので。
というわけで、バレエの世界、予想以上におもしろそうで困っています。
やばい……お願い……誰か止めて……。
「白鳥の湖」(DVD)
2003年に発売された初演収録版DVD。
2003年に発売された初演収録版DVD。
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「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
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大竹しのぶといえば
インフルエンザか何かを検索してて偶然やってきて以来、ときどきおじゃましています。コメントは初めてですが。
呼吸機能のお話もたのしいです。検査技師さんも、たまに突然担当部署が変わったりするのでがんばって勉強されてるみたいですよ。
大竹しのぶも熊川哲也も好きなので、白鳥の湖すごく見たくなりました。が、もうチケットがきびしそうですね。
大竹しのぶさんといえば、前に「黒い家」という映画をビデオにとったものの、なりきっていてこわすぎたため廃棄処分になってしまいました。
あれはほんとに怖かった・・
憑依型パフォーマー
初めまして。
「インフルエンザで検索」「検査技師さんもたまに突然担当部署が変わったりするので〜」というところから、医療関係の方?…と思ってブログをたどったらやっぱりお医者様でいらっしゃいましたね。
えーと、大竹しのぶが「白鳥の湖」に出ているわけではないんですが(笑)、憑依型のパフォーマーがお好きな方はヴィヴィアナにハマると思いますよ。
「白鳥〜」は今回再演なので、初演よりはチケットがとりやすいみたいでしたよ。会場で他日程の公演も売っていましたし(席もその場で選べるようでした)。ただ、熊川&ヴィヴィアナのカードは毎回というわけではないので難しいかな。
それにしても「こわすぎてビデオごと廃棄処分」ってすごいですね(笑)。「リング」並のパワーだ……。映像だけでここまでこわがらせられるなんて大竹しのぶも本望でしょう。
大竹しのぶが出てたら
で・・出てたらおもしろい!!(笑)
こわいの苦手なもので(だったら見るな)、「リング」は見ておりません。
クマ=祐に納得
『ジゼル』の時、ヴィヴィアナに一目で魅せられました。
そうか、北島マヤ体質だったのか、意外だ。
そしてクマテツ=山口祐一郎説にとても納得させられました。
ゆーいちろー大好きです。アホなとこが。
Kカンパニーはパフォーマンスファンが多いのか、熊川オンリーファンが多いのか、熊川が出てくるだけで拍手が起こるのに吃驚しました。バレエ観劇ではあまり起こらないので、
「た、宝塚の掟では無かったのね!」とカルチャーショックを受けてみたり。
熊川を見ていると、所詮バレエ後進国のたたき上げではノーブルは育たないのかなあとロシアバレエと見比べてしまったりしますが、熊川も好きです(俺様なところが)。
>たまこさん
『黒い家』は見た事があります。
ひたすら大竹しのぶが怖かったです。
内野さんに「乳しゃぶれええ!!」と怒号浴びせている姿に血の気が引きました。
ホラーというより大竹しのぶホラーという新ジャンルでした。
内野さんはひたすらビビる人というイメージがついてしまっていたので、帝国劇場で一応イメージが払拭されて、個人的に良かったな、とか。
『不機嫌なジーン』でも払拭…で、出来た、かな?
ジゼルぴったり!
ご無沙汰です。
「ジゼル」ってあの亡霊になって墓参りにきた男を一晩中踊らせてとり殺す話ですよね?
いや、もうヴィヴィちゃん(←馴れ馴れしい)にぴったりですよね。次に観る機会があるなら「ジゼル」を観てみたいと思ってました。
熊川に関しては「一晩踊り通したくらいで死ぬような玉には見えない」と某サイトに書いてあって爆笑しました。
それを言うなら祐一郎も「一晩歌い通してもニカッと幸せそうに笑ってそう」だなと思って。
>たまこさん
「黒い家」は原作読んでこわすぎたので、映画を観る勇気がありませんでした。あんなシーンやこんなシーンはいったいどのように映像化されたんでしょうか…。
「リング」は「見るときっかり1週間(でしたよね?)で死ぬ」というビデオが出てきます。
「こわくてビデオを破棄した」とおっしゃったので「リング」を連想しました。
ちなみに、私の友人は「リング」の原作を読んできっかり1週間後に蕁麻疹が出てきたので、こわくなって本を捨てたそうです(笑)。
抹消しました
一生懸命記憶から抹消したので、覚えておりません。
何しろビデオの置いてあるまわりの床がだんだん黒く(笑)いや、心理的には。
「リング」は、あのビデオのおばあさんが怖くてとても映像化バージョンはみられないです。
> 熊川に関しては「一晩踊り通したくらいで死ぬような玉には見えない」
見えない見えない。
>エセトーさん
たしかにあれは、ホラーというより、大竹しのぶホラーですね。うん。
魔性のオディール
某知人が観にいった「白鳥の湖」では、ヴィヴィちゃんが黒鳥を踊っていたそうです。
そりゃあもうすさまじい魔性っぷりで、王子がどんどん虜になっていく過程がまざまざとわかり、「こりゃあオディールを妃にしたいと言うのは無理ない」と100%説得されたそうです。
いやーん。観たかったなー。
荻野目慶子のようなヴィヴィちゃん(←いつのまに改名?)と、それにメロメロになるクマテッちゃんを…。