古伊万里★新伊万里
劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です
アリさんのヒミツ
引っ越してはや1週間。
少しずつですが、新しい環境にも慣れてきました。
が、その話をする前に、初体験の「引っ越し」についてこれから少しずつレポートしていきたいと思います。
引っ越しの第一歩は「引越会社」を決めることから始まります。
まずは「見積もり依頼」から……ということで、1ヶ月ほど前からどこに依頼しようか検討を始めましたが、これがなかなか難しい。ネットを見ても引越会社の数は膨大で、どこに頼んでいいのやら皆目見当がつかないのです。
最初は周囲の引っ越し慣れした人から「お勧め」の引越会社を聞こうとしたんですが、意外に情報がバラバラで「ココがイチオシ」というところが浮上してきません。
何回も引っ越しを重ねている人も、たいていは毎回同じ会社を使っている人が多く、引っ越し回数が多いからといって「多くの引越会社を比較できる」わけではありません。
また、同じ会社でも良く言う人と悪く言う人がいて、要するに会社がどうこうというよりも、当日どういう人が来るかによって当たりはずれが出るというのが実状のようです。
引っ越し料金も、高いからいいとか、安いから悪いというわけでもなさそうだし、競争が激しいだけあって、サービス内容もじつにさまざまです。
しかたがないので、口コミは諦めて、自力で情報収集することにしました。
インターネットで検索してみたところ、「引越会社一括見積もり依頼サイト」なるものがみつかり、ここに登録すれば自動的に10社以上の会社が見積もりを出してくれることを知ったのですが、この「一括依頼サイト」にしてもたくさんあって、どこを使っても同じというわけではないらしい。
たとえば同じ引越会社でも、Aという一括依頼サイトとBという一括依頼サイトでは出してくる見積もり額が違ってくることもあるらしいのです。このため、「一括依頼サイト比較サイト」なるサイトもあるというなんともややこしい状況。
こう情報が多くては、初心者は混乱するなかりです。
この一括依頼サイトには大きく分けて2つの依頼方法があります。
ひとつは「営業の人に直接家を訪問して荷物の状況を見てもらい、その場で見積もり額を出してもらう方法」、もうひとつは「ネット上で荷物の数量を自己申告し、それをもとに見積もり額を返信してもらう方法」です。
最近では、携帯で部屋の写真をとって送り、見積もりを出してもらうという方法も人気らしい(まあ荷物が少ない場合に限るでしょうが)。
簡単という意味ではネット上で荷物の数を申告する方法が簡単そうですが、これはよほど引っ越し慣れしている人でないと難しいでしょう。
ましてや、うちのように「仮住まいゆきの荷物」か、「コンテナゆきの荷物」か、「処分する荷物か」をまだはっきりと決めかねている状態ではとても無理。
というわけで、応対に時間をとられそうではありましたが、2日間にわたり、4件の会社に見積もりに来てもらうことになりました。
多すぎても面倒だし、少なすぎても比較にならないし、いろいろ考えてまあ4件くらいが妥当かなと。
で、4社に見積もってもらった結果ですが、「引越会社ってアバウトだなー」というのが率直な感想。
とにかく見積もりの額はもちろんのこと、数量の見積もりも会社によってものすごく開きがあるんです。
荷物の数は、下は段ボール80から上は200まで。
保管荷物を預けるコンテナの広さにいたっては下は9畳で上は20畳。
見積もり額にしても、他の会社の話をしただけで一気にン十万という単位で下げてくるなど、「値段はあってないようなもの」という感じです。
ここまでバラバラだとどこを信じてよいやら……。
某会社の営業担当なんて、自分のところが一番最初と聞いたとたん不満そうな表情になり、「最初って一番損なんですよ。最後に見積もりにくるところは、それまでに提示された額より高い額は絶対に出しませんから、結局最後に来たところに決められる確率が高い。もし最後の会社が出した額がうちよりも何十万も安い額だったとしても、必ずもう一度うちに電話をください。なんとか善処しますから」とか言うんですよ。
だったら最初から下げとけ!と思いますよね。
結局、決めたのは3番目に来た「アリさんマークの引越社」。
決めては、営業の人の対応(話しやすさとてきぱきさ)と、値段のバランスってとこでしょうか。ちなみにアリさんの見積もり量は、「荷物は段ボール200箱」「コンテナは10.4畳」でした。
アリさんはもともと名古屋発祥の会社で、社長は、あのTVドラマのモデルにもなったアート引越センターの女社長と同様、やはり女性らしいです。
名古屋の引っ越しといえばお嫁入り。
名古屋の嫁入りトラックは、どんなに細い道でも決してバックしてはいけない(=縁起が悪いから)…というのは有名な話ですが、アリさんの営業担当Kさんいわく「うちは名古屋の嫁入りで鍛えられてますから、運送の技術には絶対の自信があります!
」。
うーん。それはたしかに説得力あるわ。
さらに「100%自社便を使っている」「昨日今日登録したような派遣やバイトはいっさい使わない」のが自慢らしい。私はよくわからないのですが、この業界では人手が足りなくなる繁忙期には慣れてないバイトを大量投入するのは普通なんだそうです。
Kさんは30ちょっと前の超明るい男性ですが、「もう年なんで最近は見積もりにまわされることが多くなって悔しい」と不満そうに話していました。
えー、見積もりのほうがいいじゃん、楽で。と思う私は何もわかってません。
重いもの運んだり、肉体労働したりするのが好きだからこそこういう仕事を選ぶわけで、やっぱり彼らにとっては「現場」で動くのが一番楽しいんでしょうね。
ちなみにアリさんでは「70代以上の人がいる世帯の引っ越しは30%OFF」というサービスがあり、母が自己申告したら「ひぇ〜
」とそこまで驚かんでも的リアクションをされ、「絶対にそんな年に見えない」と連呼されて母はいたくご満悦
でした(笑)。
すっかりKさんと意気投合した母は、「当日はKさんが来てくれると嬉しいわ〜」とおだてまくり、Kさんは本気で喜んで「いやー、担当にまわれるかどうかわかんないですけど、行けるように頑張りますよ」とやる気満々。
そんなKさんのやる気に水を差すようにいきなり母が質問。
「ところで、アリさんってなんでアリさんって名前なの?」
そして、答えようとしたKさんより一足早く爆弾投下。
「のろいから??」
…………。
これにはさすがのKさんもギャフンとなり、「いやいやいや、なにをおっしゃるんですか〜! そんなはずないでしょ、まったく〜!!」と動揺しまくり。
そんな引越会社やだっつーの!!
フツー、「働き者だから」とか、そういう発想しないか?
でもたしかに段ボール箱に書かれている「荷物を運ぶアリさんの図」は……なんか重そうで大変そうです(笑)。

というわけで、今回は「引越会社を決めるまで編」をお送りしました。
少しずつですが、新しい環境にも慣れてきました。
が、その話をする前に、初体験の「引っ越し」についてこれから少しずつレポートしていきたいと思います。
引っ越しの第一歩は「引越会社」を決めることから始まります。
まずは「見積もり依頼」から……ということで、1ヶ月ほど前からどこに依頼しようか検討を始めましたが、これがなかなか難しい。ネットを見ても引越会社の数は膨大で、どこに頼んでいいのやら皆目見当がつかないのです。
最初は周囲の引っ越し慣れした人から「お勧め」の引越会社を聞こうとしたんですが、意外に情報がバラバラで「ココがイチオシ」というところが浮上してきません。
何回も引っ越しを重ねている人も、たいていは毎回同じ会社を使っている人が多く、引っ越し回数が多いからといって「多くの引越会社を比較できる」わけではありません。
また、同じ会社でも良く言う人と悪く言う人がいて、要するに会社がどうこうというよりも、当日どういう人が来るかによって当たりはずれが出るというのが実状のようです。
引っ越し料金も、高いからいいとか、安いから悪いというわけでもなさそうだし、競争が激しいだけあって、サービス内容もじつにさまざまです。
しかたがないので、口コミは諦めて、自力で情報収集することにしました。
インターネットで検索してみたところ、「引越会社一括見積もり依頼サイト」なるものがみつかり、ここに登録すれば自動的に10社以上の会社が見積もりを出してくれることを知ったのですが、この「一括依頼サイト」にしてもたくさんあって、どこを使っても同じというわけではないらしい。
たとえば同じ引越会社でも、Aという一括依頼サイトとBという一括依頼サイトでは出してくる見積もり額が違ってくることもあるらしいのです。このため、「一括依頼サイト比較サイト」なるサイトもあるというなんともややこしい状況。
こう情報が多くては、初心者は混乱するなかりです。
この一括依頼サイトには大きく分けて2つの依頼方法があります。
ひとつは「営業の人に直接家を訪問して荷物の状況を見てもらい、その場で見積もり額を出してもらう方法」、もうひとつは「ネット上で荷物の数量を自己申告し、それをもとに見積もり額を返信してもらう方法」です。
最近では、携帯で部屋の写真をとって送り、見積もりを出してもらうという方法も人気らしい(まあ荷物が少ない場合に限るでしょうが)。
簡単という意味ではネット上で荷物の数を申告する方法が簡単そうですが、これはよほど引っ越し慣れしている人でないと難しいでしょう。
ましてや、うちのように「仮住まいゆきの荷物」か、「コンテナゆきの荷物」か、「処分する荷物か」をまだはっきりと決めかねている状態ではとても無理。
というわけで、応対に時間をとられそうではありましたが、2日間にわたり、4件の会社に見積もりに来てもらうことになりました。
多すぎても面倒だし、少なすぎても比較にならないし、いろいろ考えてまあ4件くらいが妥当かなと。
で、4社に見積もってもらった結果ですが、「引越会社ってアバウトだなー」というのが率直な感想。
とにかく見積もりの額はもちろんのこと、数量の見積もりも会社によってものすごく開きがあるんです。
荷物の数は、下は段ボール80から上は200まで。
保管荷物を預けるコンテナの広さにいたっては下は9畳で上は20畳。
見積もり額にしても、他の会社の話をしただけで一気にン十万という単位で下げてくるなど、「値段はあってないようなもの」という感じです。
ここまでバラバラだとどこを信じてよいやら……。
某会社の営業担当なんて、自分のところが一番最初と聞いたとたん不満そうな表情になり、「最初って一番損なんですよ。最後に見積もりにくるところは、それまでに提示された額より高い額は絶対に出しませんから、結局最後に来たところに決められる確率が高い。もし最後の会社が出した額がうちよりも何十万も安い額だったとしても、必ずもう一度うちに電話をください。なんとか善処しますから」とか言うんですよ。
だったら最初から下げとけ!と思いますよね。
結局、決めたのは3番目に来た「アリさんマークの引越社」。
決めては、営業の人の対応(話しやすさとてきぱきさ)と、値段のバランスってとこでしょうか。ちなみにアリさんの見積もり量は、「荷物は段ボール200箱」「コンテナは10.4畳」でした。
アリさんはもともと名古屋発祥の会社で、社長は、あのTVドラマのモデルにもなったアート引越センターの女社長と同様、やはり女性らしいです。
名古屋の引っ越しといえばお嫁入り。
名古屋の嫁入りトラックは、どんなに細い道でも決してバックしてはいけない(=縁起が悪いから)…というのは有名な話ですが、アリさんの営業担当Kさんいわく「うちは名古屋の嫁入りで鍛えられてますから、運送の技術には絶対の自信があります!

うーん。それはたしかに説得力あるわ。
さらに「100%自社便を使っている」「昨日今日登録したような派遣やバイトはいっさい使わない」のが自慢らしい。私はよくわからないのですが、この業界では人手が足りなくなる繁忙期には慣れてないバイトを大量投入するのは普通なんだそうです。
Kさんは30ちょっと前の超明るい男性ですが、「もう年なんで最近は見積もりにまわされることが多くなって悔しい」と不満そうに話していました。
えー、見積もりのほうがいいじゃん、楽で。と思う私は何もわかってません。
重いもの運んだり、肉体労働したりするのが好きだからこそこういう仕事を選ぶわけで、やっぱり彼らにとっては「現場」で動くのが一番楽しいんでしょうね。
ちなみにアリさんでは「70代以上の人がいる世帯の引っ越しは30%OFF」というサービスがあり、母が自己申告したら「ひぇ〜


すっかりKさんと意気投合した母は、「当日はKさんが来てくれると嬉しいわ〜」とおだてまくり、Kさんは本気で喜んで「いやー、担当にまわれるかどうかわかんないですけど、行けるように頑張りますよ」とやる気満々。
そんなKさんのやる気に水を差すようにいきなり母が質問。
「ところで、アリさんってなんでアリさんって名前なの?」
そして、答えようとしたKさんより一足早く爆弾投下。
「のろいから??」
…………。

これにはさすがのKさんもギャフンとなり、「いやいやいや、なにをおっしゃるんですか〜! そんなはずないでしょ、まったく〜!!」と動揺しまくり。
そんな引越会社やだっつーの!!
フツー、「働き者だから」とか、そういう発想しないか?
でもたしかに段ボール箱に書かれている「荷物を運ぶアリさんの図」は……なんか重そうで大変そうです(笑)。
というわけで、今回は「引越会社を決めるまで編」をお送りしました。
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「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
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女王あり
アリさんの引越しダンボールの絵に、ムチを持った女王蟻の絵があるって教えてくれたの。
引越しの値段てあるようでないですからね~。
結構私も楽しみました、会社選び。
でもどこも大同小異で、その日に来た一番偉い指示する人次第ってことが分かりました。
下っ端は、どうもやはり手順が悪いし、雑。
要は「運」です。
日通は質が高かったけど、国内一般引越しから手を引いちゃいましたからね。
逆に同じ日通でも、日通旅行は、人を荷物と思って旅行をさせるようです。
要注意!!
祝★お引越し
しかし、「引越し」について、これほど、追体験ができるとは思っていませんでした。すごく、臨場感があって、読んでいて面白かったです。
お母様の「のろいから?」に大爆笑。
Kさんは、引越し当日、タンスのひとつもかつげたかと興味深々。
更新は無理のない程度にね。でも続きを期待してます
女王アリのモデルは
「運びなさい。運ぶのよ〜!ビシッビシッ」
って感じで君臨してるんでしょうか。
思わず段ボール確認しちゃいましたけど、女王アリはいなかった。。。
そうか。「コアラのマーチ」みたいに、段ボール1000個に1個くらい「女王アリ入り」の箱がまじってて、それに当たった人は引っ越し代がタダになるとか……え、違う?
女王アリのモデルはきっと社長でしょう。
女王は1人。社員は全員働きアリ。
うーん。「アリさん」命名のヒミツがこれで明らかになりましたね。
バテバテ進行形です
レミゼ貧乏さんは引っ越し未経験なんですよね?
こんな偏った経験でよければ今後の参考になさってください。
今はさすがに家族全員バテてます(特に父は最も労働量が多かっただけに一番ダウンしてます)が、新しい環境は新しい環境で楽しみも刺激もありますし、マンションライフは思った以上に楽しいですよ。
その話はまたおいおい。
そしてKさんの運命はいかに?(笑)