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古伊万里★新伊万里

劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です

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やはりスポ根のようにはいかず。。。

 「カトリーナ」上陸時、「台風に人の名前つけるなよ。その名前の人、いじめられてかわいそうだろ>アメリカ」とブログに書いたら、次に私の名前をつけられた。。。。

 私、中高時代、「リタ」って呼ばれてたんですよ。
 ええ、さっそく友人からつっこみのメールがきました。
 なんなの? これは。いやがらせ??
 アメリカのハリケーン命名担当者がこのブログ見たとしか思えない(笑)。
 いじめられっ子を「よしなよ」とかばったら、次は自分が標的になってしまった気分……。
 「『リタ』におびえて住民脱出」
 の見出しに複雑な心境です。

 今、毎日毎日どこにもでかけず、カンヅメ状態で名古屋の執筆に専念してます。
 のわりには歩みは遅い。。。。
 じつは、この1年、シノプシスばかり書いてたんです、私。
 ここでも何回か話してますが、シノプシスは戯曲を書くために必要な設計図。これがないと複雑な話は書けないし、シノプシスの段階なら直しもけっこう思い切ってできるので、まずはこれを何回か書いてプロデューサーなり演出家なりに見せて、「いいんじゃない?」ということになったら台詞に起こしていくわけです。
 しかし、台詞にすればなんとなくニュアンスが伝わるところ、それを論理的に構築して相手にわからせなければならないので、正直なところ人物にも愛着はわかないし(まだ血肉が通ってない感じ)、作業としても地味だししんどいしで、シノプシス書くのが好きって人は滅多にいない。
 この1年は、あえてそのしんどい作業ばかりに挑み、いろいろな作品のシノプシスだけ書いていたんですが、今回久しぶりに台詞に起こすことになって、内心かなり不安でした。
 「書き方忘れてないかなー」
 ってのは冗談ですが、勘っていうんですか?鈍ってるような気がして。
 スポーツにたとえると、休場した力士が長らく離れていた土俵に復帰し、「勝負勘が戻るかどうかが不安。休んでいる間、体力落ちないように四股とテッポウだけは念入りにやってたんだけど」って感じでしょうか。
 と、勉強仲間のノリ・タケ子さんに言ったところ「ものは考えようですよ。陸トレの成果が知らないうちに身についてるかもしれないじゃないですか。スポ根もののドラマはたいていそのパターンですよ」と励まされました。
 
 なるほど。
 そういえば、つい最近、最終回を迎えたばかりのTVドラマ「がんばっていきまっしょい」にもこんなシーンがあったな。
 男子ボート部の練習を見て感動し、「私もボートやりたい!」と仲間を集めて女子ボート部を強引に作ってしまったヒロインの女子高生(鈴木杏)。
 最初は指導者もいなくて、自己流で楽しく漕いでたんだけど、途中からコーチ(石田ゆり子)がつくことになった。
 しかし、コーチは鬼のように厳しく、合宿の間中1回も海に出させてもらえず、毎日毎日朝から晩まで陸上で重いオールを漕ぐフォームトレーニングばかりさせられる。
 合宿の最終日、ついに我慢できなくなった杏ちゃんたちは、「いつまでこんなことやらせられるんですか。私たち、海に出て漕ぎたいんです」と反抗しますが、コーチは「あんたたちが海で漕ぐのは100年早い」と一蹴。
 キレた杏ちゃんたちは無断で海に漕ぎ出していきます。
 ところが……。
 「ねえ、なんか前よりも漕ぐのが楽だと思わない?」
 「ほんとだ。オールが軽い」
 ということに気づき、あらためてコーチの課したトレーニングの重要性を実感するのでした。

 とまあ、こんな感じなのですが、もしかしたら私にもこの奇跡が起きるのかも!
 いざ書き始めてみたら「軽い……キーボードが軽いわ……(いや、そういう問題じゃなくて)………どうしたのかしら、私。どんどん書けるわ。1週間ぶっ通しでも書き続けられそう。これがシノプシス特訓の成果なのねっっ!!」なんてことになるかも。
 そんな幻想を夢見つつ書き始めましたが……所詮幻想でした(笑)。

 やっぱボートと戯曲は違うね。
 シノプシスがあるから話の展開に詰まることはないけど、考えることが多くなる分、勢いに任せてズドドドドドッとは書けなくなりました。
 1日に書ける分量は前よりも確実に減ったし、時間はあっても頭がついていかない。あるところまでいくと「もう今日はダメ。これ以上できない」とぐったり疲労してしまいます。これで基礎体力ついてんのか、ほんとに。
 ゴールまであと少しですが(一応「少し」と言っておきます)、地道に頑張ります。

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この記事へのコメント

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成果は最後に!

やっぱスポ根のようにはいかないんですね。
脳は筋肉ではなく味噌ですからね〜。味噌にはきかないのか〜。残念。
私もシノプシス勉強したからどうってことはないんですけどね。書くスピードはたいして変わらないですよ。
でも、考えることは前より多くなったって感じなら、その分できあがった時に、「ああ、思っていたことが今までより何倍もうまく書けてるわ」ってことになるかもしれないじゃないですか。
最後まで書かないとシノプシスの効果はわからないですよ!
あともう少しとのこと。
お互いがんばりましょう!!
  • from ノリ・タケ子 :
  • 2006/08/20 (18:44) :
  • Edit :
  • Res

私も不安……

こんばんは。勉強会でご一緒しているヤギです。
私も昨年から今年にかけてシノプシスばかり書いていたので、“戯曲A”で久々にセリフを書くのにものすごい不安があります。
とはいえ、「でも、基礎体力がついたかもしれないから、案外すらすらいけるかも」と、ほんの少しは期待してたりしたんですよ(笑)。そうそう甘いものではなさそうですね(がっくし)。

>「ああ、思っていたことが今までより何倍も上手く書けてるわ」
> ってことになるかもしれないじゃないですか。

そうなったらいいですよね…(遠い目)。
お互いがんばりましょう!
  • from ヤギ :
  • 2006/08/20 (18:46) :
  • Edit :
  • Res

ようやく脱稿

ノリ・タケ子さん、ヤギさん。激励のコメントをありがとうございます。
お陰様でようやくエンドマークまできました。
今けっこう限界まできてます(今までで一番長編になりました)。
ヤギさん。たしかに基礎体力はついてるんだと思うんですよ。
でもその分書く内容も体力いるものになっていくから、苦しいのは結局同じ。っていうか前以上なんですよね。
自分に要求するハードルがどんどん高くなってるっていうか。
「それが上達してるってことじゃない」と言われると「そうかなー」と薄ぼんやり思うのみなんですが(とにかく足りないとこばっかり目につくし)、ある意味「戯曲道」も名鉄バスの行列と同じで“砂漠の誘い水”???
二言目には万博で人生を語りたがる唐沢でした。
  • from 伊万里@管理人 :
  • 2006/08/20 (18:48) :
  • Edit :
  • Res

私も脱稿

まずは、本の執筆&戯曲完成おめでとうございます!
唐沢さんの気概は本当に尊敬です。

さて、ぎりぎりの精神状態で望み、途中わけのわからないきれっぷりをかましたが、私もなんとか今日、形のあるものを…エンドマークをつけるに至りました。
執筆中は色々とお迷惑をおかけし…申し訳ありませんでした。

シノプシスですが。結局手書きですが最後まで書き直したんですよ。
整合性がどうとかいわれちゃったんで…。
でもま、前よりテーマは少しは明確になった気がします。

多分。今回書いてて思うのは、ま、これも技術的なことなんですけど、シノプシス書くと、「軽いわ」とはならないんですけど、道は迷わなくなるかな。と思いました。
話がそれたりしなくなる。
それって当たり前だけど一番難しいじゃないですか。
上手いそれ方をしてもとにもどすとか。そういうのが少しは楽になったかなと思います。

にしても半年振りに書き上げるのはきつかったです。
きっと唐沢さんはもっときつかったんだろうな〜。

ヤギさん、そんなに苦しいことばっかりじゃないですから!
がんばってください!(締め切りすぎたらもはや人事)
  • from ノリ・タケ子 :
  • 2006/08/20 (18:52) :
  • Edit :
  • Res

終わりよければ

ノリ・タケ子さん。執筆完了お疲れさまでした。
シノプシス書き直したんだ!
「あんな意見無視してやる」って勢いだったのに。
「お2人ともけっこう“気にしい”なんですね」とかヤギさんと私のことを言ってましたけど、自分だってそうじゃん!(笑)
まあ、気持ちは痛いほどわかりますが。
たしかにシノプシスは設計図であり、海路図だなと思います。
シノプシスに沿って書いていれば現在何割くらいまできたかも見当つくし。あると心強いですよねー。
私は1年ぶりなので(しかもオリジナルとなるともっと間が空く)、つらいなんてもんじゃなかったですよ。青息吐息とはまさにこのこと。でも終わればハッピーです。
ヤギさんも頑張れ!
  • from 伊万里@管理人 :
  • 2006/08/20 (18:54) :
  • Edit :
  • Res

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プロフィール

HN:
伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家・ライター
趣味:
旅行 骨董 庭仕事

著作



「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」

Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!

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