古伊万里★新伊万里
劇作家・唐沢伊万里の身辺雑記です
百十七人の迷える枢機卿
──「コンクラーベ」という言葉を聞いた瞬間、「これがホントの『根比べ』」と思ってしまったのは私だけ?──
この数日、ネットなどで上記のような記述を目にするたびに「いや。あんたで 987人目だから!」とつっこみたくなりました。
ていうか、私は26年前のコンクラーベのニュースが流れたときから同じこと考えてましたから(←年くってるのがそんなに自慢か?>自分)。
なんか、ここまで全員が同じ反応だと、たまにはまったく違う言葉を連想する人はいないのか?と思ってしまいますね。
というコンクラーベですが、私は「煙突から煙」という超レトロな合図(ほとんど“のろし”状態だ)がツボにはまり、まるでオリンピックかW杯を待つかのような勢いで楽しみにしていました。
なのに……なのに……4回目で決定って……
決まるの早すぎだよッ!!
全然「根比べ」じゃないじゃん!(←結局自分も同じ発想)
なんだか「最近の相撲の勝負は早くつきすぎてつまらない」と嘆くオールド相撲ファンのような気分。
そもそも、コンクラーベは、法王の空位時代が長期化するのを避けるために「さっさと次の候補を決めよう」という目的のもとに作られた手続き。
ということは、昔は結果が出るまで長引くのが当然だったわけですよね。
だから今度も「長引くってどこまで長引くんだろう。7回だかなんだか投票しても決まらないときはいったん『水入り(?)』になって仕切り直すんだよね」とワクワクしていたのですが、水入りどころか過去100年間に行われたコンクラーベ9回の中で2番目に早い決着となってしまいました。
いや、長引けばいいってもんじゃないとは思うけど、26年ぶりのイベントなんだからもう少し盛り上げてほしかったです。
じつは当分コンクラーベで盛り上がれると思って(外から帰るたびに「今日の煙は何色だった?」と家族に必ず確認するとか)、臨場感を味わおうとコンクラーベを題材にしたダン・ブラウンのミステリ「天使と悪魔」をネットで取り寄せたんですが、本が着く前にコンクラーベ終わっちゃうし……。
ちぇっ。今日、届いたけどもう読む気失せた(←ブーム去るのが早いやつ)。
しかも蓋を開けてみれば大本命のドイツ人枢機卿が新法王に……というなんの波乱もない結果。
いや、波乱があればいいってもんじゃないとは思うけど、26年ぶり…(以下同文)。
そもそもドイツってプロテスタント発祥の地っていうイメージなんで、カソリック総本山のトップがドイツ人ってどうもピンとこないんですよね。
ラッツィンガー卿は、78歳と20世紀以降の法王としては史上最高齢。
イタリアのメディアでは、「高齢と現状維持」が決めてとなったのでは?と報道していますが、それって………著しく身も蓋もない理由ですね。
その瞬間、宝塚の次期トップスター決定の舞台裏を連想してしまったのは私だけ?(←いや。多分あなたで1052人目です)
で、話は煙突に戻るのですが、私は煙突から出る煙が見たい一心で深夜までずっとCNNニュースを見ていたのに、もう決まったあとだからなのか、にこやかに祝福を与える新法王や歓喜にわきかえる群衆の姿ばかりが映し出されていっこうに煙突が出てこない。
ようやく今日になって煙突の映像を見ることができたのですが……。
いやー…あれはないでしょう…。
あまりにショボい煙突で衝撃を受けました(父いわく「田舎にあるストーブにくっついてる煙突みたい」)。
そして噂通り、出てくる煙はたしかに白なんだか黒なんだかはっきりしない(バックの空の色によってますます色が判別しにくくなる)。
初日なんて、白い煙が出てきて歓声が上がったのもつかの間、途中から黒に変わったという悩ましい光景もあったそうで、失望のあまり泣き出してしまう信者もいたとか……。
それじゃまずいだろうってんで、今回は煙だけではなく鐘も鳴らすことになったのに、鐘を鳴らすタイミングも遅くて煙が出てから15分後だったらしい(←もしかして信者の心を弄んでいませんか?)。
それにしても白が途中から黒って……薬品の入れ忘れに途中で気づいたのか、はたまた票がまとまって燃やしかかったところで「やっぱりちょっと待った!」と意見を翻した枢機卿がいたのか、なんともミステリアスな話です。
わかりやすいっていうことでいうなら、煙じゃなくて旗をあげるとか、決まったら花火を打ち上げるとか、いろいろとやりようはあると思うのですが、あえて煙の色という非常に判別しにくいものに頑固にこだわり続けているのがおもしろいですね。
このコンクラーベ、外部との接触はいっさい断たれるということがしきりに話題になっていましたが(昔は会議を長引かせないために、決まるまでは食事もパンと水しか与えなかったそうです)、基本的な疑問として、中にいる人同士の交流が自由なら談合もし放題なのではないかと思うんですけど…。
いずれにしろ、密室というのは、中で何が行われているのか、なにかと興味をかきたてられるものです。
決まるまで解放してもらえないというシチュエーションは、まさに「十二人の怒れる男」のような劇的な設定。
これはもう、「十二人の怒れる男」のパロディで「十二人の優しい日本人」という秀逸な作品を書いた三谷幸喜にぜひ舞台化してもらいたいですね。
タイトルは「百十七人の迷える枢機卿」で(←却下。数が多すぎて舞台に乗り切れません)。
この数日、ネットなどで上記のような記述を目にするたびに「いや。あんたで 987人目だから!」とつっこみたくなりました。
ていうか、私は26年前のコンクラーベのニュースが流れたときから同じこと考えてましたから(←年くってるのがそんなに自慢か?>自分)。
なんか、ここまで全員が同じ反応だと、たまにはまったく違う言葉を連想する人はいないのか?と思ってしまいますね。
というコンクラーベですが、私は「煙突から煙」という超レトロな合図(ほとんど“のろし”状態だ)がツボにはまり、まるでオリンピックかW杯を待つかのような勢いで楽しみにしていました。
なのに……なのに……4回目で決定って……
決まるの早すぎだよッ!!
全然「根比べ」じゃないじゃん!(←結局自分も同じ発想)
なんだか「最近の相撲の勝負は早くつきすぎてつまらない」と嘆くオールド相撲ファンのような気分。
そもそも、コンクラーベは、法王の空位時代が長期化するのを避けるために「さっさと次の候補を決めよう」という目的のもとに作られた手続き。
ということは、昔は結果が出るまで長引くのが当然だったわけですよね。
だから今度も「長引くってどこまで長引くんだろう。7回だかなんだか投票しても決まらないときはいったん『水入り(?)』になって仕切り直すんだよね」とワクワクしていたのですが、水入りどころか過去100年間に行われたコンクラーベ9回の中で2番目に早い決着となってしまいました。
いや、長引けばいいってもんじゃないとは思うけど、26年ぶりのイベントなんだからもう少し盛り上げてほしかったです。
じつは当分コンクラーベで盛り上がれると思って(外から帰るたびに「今日の煙は何色だった?」と家族に必ず確認するとか)、臨場感を味わおうとコンクラーベを題材にしたダン・ブラウンのミステリ「天使と悪魔」をネットで取り寄せたんですが、本が着く前にコンクラーベ終わっちゃうし……。
ちぇっ。今日、届いたけどもう読む気失せた(←ブーム去るのが早いやつ)。
しかも蓋を開けてみれば大本命のドイツ人枢機卿が新法王に……というなんの波乱もない結果。
いや、波乱があればいいってもんじゃないとは思うけど、26年ぶり…(以下同文)。
そもそもドイツってプロテスタント発祥の地っていうイメージなんで、カソリック総本山のトップがドイツ人ってどうもピンとこないんですよね。
ラッツィンガー卿は、78歳と20世紀以降の法王としては史上最高齢。
イタリアのメディアでは、「高齢と現状維持」が決めてとなったのでは?と報道していますが、それって………著しく身も蓋もない理由ですね。
その瞬間、宝塚の次期トップスター決定の舞台裏を連想してしまったのは私だけ?(←いや。多分あなたで1052人目です)
で、話は煙突に戻るのですが、私は煙突から出る煙が見たい一心で深夜までずっとCNNニュースを見ていたのに、もう決まったあとだからなのか、にこやかに祝福を与える新法王や歓喜にわきかえる群衆の姿ばかりが映し出されていっこうに煙突が出てこない。
ようやく今日になって煙突の映像を見ることができたのですが……。
いやー…あれはないでしょう…。
あまりにショボい煙突で衝撃を受けました(父いわく「田舎にあるストーブにくっついてる煙突みたい」)。
そして噂通り、出てくる煙はたしかに白なんだか黒なんだかはっきりしない(バックの空の色によってますます色が判別しにくくなる)。
初日なんて、白い煙が出てきて歓声が上がったのもつかの間、途中から黒に変わったという悩ましい光景もあったそうで、失望のあまり泣き出してしまう信者もいたとか……。
それじゃまずいだろうってんで、今回は煙だけではなく鐘も鳴らすことになったのに、鐘を鳴らすタイミングも遅くて煙が出てから15分後だったらしい(←もしかして信者の心を弄んでいませんか?)。
それにしても白が途中から黒って……薬品の入れ忘れに途中で気づいたのか、はたまた票がまとまって燃やしかかったところで「やっぱりちょっと待った!」と意見を翻した枢機卿がいたのか、なんともミステリアスな話です。
わかりやすいっていうことでいうなら、煙じゃなくて旗をあげるとか、決まったら花火を打ち上げるとか、いろいろとやりようはあると思うのですが、あえて煙の色という非常に判別しにくいものに頑固にこだわり続けているのがおもしろいですね。
このコンクラーベ、外部との接触はいっさい断たれるということがしきりに話題になっていましたが(昔は会議を長引かせないために、決まるまでは食事もパンと水しか与えなかったそうです)、基本的な疑問として、中にいる人同士の交流が自由なら談合もし放題なのではないかと思うんですけど…。
いずれにしろ、密室というのは、中で何が行われているのか、なにかと興味をかきたてられるものです。
決まるまで解放してもらえないというシチュエーションは、まさに「十二人の怒れる男」のような劇的な設定。
これはもう、「十二人の怒れる男」のパロディで「十二人の優しい日本人」という秀逸な作品を書いた三谷幸喜にぜひ舞台化してもらいたいですね。
タイトルは「百十七人の迷える枢機卿」で(←却下。数が多すぎて舞台に乗り切れません)。
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「RE>PLAY〜一度は観たい不滅の定番」
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
Webサイトで連載していた演劇評をまとめて出版したものです。
「演劇って、興味なくはないけど何を選んだらいいのかわからなくて」………ビギナーが感じがちなそんな敷居の高さを取り払うために書きました。
数多い名作の中から「再演されたことのある作品」に絞り、 唐沢がお勧めの25本について熱く語りたおします。ビギナーからオタクまで、全種適用OK!
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若い世代のコンクラーベ
26年前なんて私、まだ生まれてな・・・いえ、コンクラーベじたいを知りませんでした。
「ローマ法王」がメジャーになったというか、関係者以外にも知られるほどキャラが立ちだしたのは先代のカロル・ヴォイテワから?
もっと前からなんだろうか。
その先代、95%がカトリック教徒というポーランド人ですから、あまりにも自然でしたよね。
今回のチョイス及び発表のようすは、唐沢さんの話をうかがう限りでは、「意外(プロテスタント国出身)なのが新しくて偉いと思っている」「段取りや手続きをおろそかにして本番を失敗する」「仲間内で合意とれてるなら外から見てどうかなんて考えない」「スピード偏重」という今の若い世代の特徴が出ていたように思います。
ローマ法王といえば
書き込めるかな、どきどき。
ローマ法王といえば、ファティマの予言書。
あれって全部公開されたんですっけ?
第3の予言が確か「ローマ法王暗殺」だった。
第1,2にくらべてえらい身内の話の予言だなー、と
思った記憶が・・。